DNA で苦悩する 18
おはようございます。
一つの連載が終ると少し肩が軽くなった気がします。
新しい連載まではしばしのご猶予をお願いします。
そう思いながら連載が少なくなると寂しく思うのはなぜでしょう。
ほったらかしのままのものもあるのに移り気な管理人であります。
このお話も一気に終わらせたい!!
まだ先は遠いんですけどね。
「どこ?」
「いた?」
「そこ!」
「実物の方が断然いい」
「しゃべってる~」
「この学校の生徒でよかった~」
はしゃいだ声の意味がようやく分かった。
雑誌を置いたまま鮎川は自分の席に戻ってる。
いっしょに映ってる女の子が妹だってことは聞こえたのだろうか?
なんでもなかったように教科書を眺めてる鮎川の横顔は落ちついて静かすぎて・・・。
もしかして僕には興味がなかったとか?
ざわついてきた心の奥。
「妹なんだ」と、ホッと息を吐く鮎川が見たかったって思うのは僕の欲なのだろうか。
言い訳もさせないままの鮎川が遠く感じた。
雑誌に載った事より鮎川の方が気になってしょうがない。
「俺の妹よりよっぽどかわいいな。彼氏いるの?」
「それ、父さんの前で言ったら殺されるから」
僕も蒼の声は半分も聞いてない。
いまだに視線は鮎川を気にしてる。
「よく撮れてるぞ」
雑誌を僕の目の前に良く見えるようにってお節介を見せる蒼。
僕より蒼の方が喜んでる。
見せられた写真は一枚のはずで何時の間にこんなに撮られてたのだろう。
雑誌に出てしまえは1枚でも数枚でもそんなのは関係ない。
若者向けの雑誌を父さんたちが見ないことを願おう。
「目立つことしたくないって言ってるだろう」
「何もしなくても目立つんだから贅沢だよな」
僕の不機嫌な声には同調を見せない蒼は雑誌を眺めて一枚ページをめくった。
「この写真に心当たりある方はご連絡をお願いします。謝礼いたします。だってさ。いくらもらえるのかな?」
蒼の呑気な声とは対照的に悲鳴を上げそうになった僕は蒼から雑誌を破く勢いで奪った。
「だめだ!」
「ダメだっていってもこの騒ぎじゃ駿の情報は名前も学校名も連絡がいってんじゃねぇの?」
「普通の奴なら喜んでる状況だろうしな」
「わかるかな?」
「なにが?」
「僕が道明寺司の息子だって・・・」
「今のところ、それで騒いでるやつはいないみたいだけどな」
「かっこいいとか、彼女がいるかとかその話題で盛り上がってるみたいだし」
廊下側を背伸びして見渡たした蒼が僕の正面に向きを変えてニマッと悪戯っぽく笑った。
まさか・・・
何時もの様にふざけて抱きついて、ホモろうとか思ってないよな?
今はバカげたことに付きあえる気分じゃない。
騒ぎが大きくなるかどうかそこに僕の未来がかかってだぞ!!!
「キャーーーーーッ」
窓が割れそうな悲鳴。
蒼が僕の腕を取って上にあげて左右に数回大きく振っただけ。
「笑えよ。ほら」
脇を蒼からくすぐられた。
我慢できずに緩む頬。
「きゃー、笑った」「かわいい」「かっこいい」
動物園の柵に入れられてしまってる。
次の授業の始まるベルの音が甲高い声の合間に響く。
「え~もう授業」
不満げな声も遠ざかりようやく教室は静かになった。
舞は大丈夫だろうか・・・
英徳じゃこのくらいのことじゃ騒ぎ立てない気がする。
それを願おう。
問題は父さんにばれた時のこと。
「さすが俺の子だ」
褒める父さんなんて想像できなくて、凶暴に顔を歪める不機嫌な顔が頭をよぎった。
息子より娘のことが世間に公開されるのは極力避けてる。
主催のパーティーでも写真は撮らせない徹底ぶりを見せる。
全国紙に舞と載ったって聞いたら・・・
たぶん・・・吠える。
「舞を世界中の男が気に入ったらどうするんだ」
そんな心配ないって・・・。
まずはばれた時の予防策。
母さんを仲間に入れておこう。
机の下で直ぐに母さんにメールを入れた。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
Gods&Death 様
父親としての心境はどこでも同じで♪
駿君に対しては恋愛に関してアドバイスする余裕の司を見たい気もしますが・・・
アドバイスにならないだろうなぁ。
カッコいい男の子♪
娘の陸上の男の子カッコいいんです。
礼儀正しくてまじめでこんな息子が欲しいって思っちゃいますね。
先輩モテるでしょと娘に聞いても興味ないみたいですが(^_^;)
部活に応援にいって何見てるんだか・・・(笑)
おかゆ様
英徳は出たけれど~
駿君の高校生活ライフはどうなるのでしょうか。
たのしませてあげたいとは思ってます!
ゆっちゃん 様
どうしてもカッコいい設定になっちゃいます。
生れた時に司そっくりにしちゃいましたもの♪
あの容姿で穏やかな性格モテるだろうなあと思いながらお話を進めております。