DNA で苦悩する 19

今回のお話はちょっと駿君サイドから外れます。

雑誌の騒動はどうなる!

タダで済むはずはないって大きくなるのに期待!!!

してませんから!(笑)

*

『緊急事態!

舞と出かけた時に撮られた写真が雑誌に載った。

父さんにばれたら母さんよろしく』

よろしくってなに?

雑誌に写真ってどんなの?

駿とか舞が認識できる大きさなのか?

『雑誌ってなんの雑誌?」

駿に送った返事はすぐに返ってきた。

NIN NINって・・・

一番若者に人気のあるファッションの全国紙じゃないかぁぁぁ。

昔は良く見たよな。

雑誌を買っていたのは優紀だけど。

似たようなデザインを安いお店で探して全部合わせても3000円とか・・・。

楽しかったよな。

それに載ってるってことは私の知り合いが見る可能性は低い。

ましてや司の目に留まることはないと思いたい。

だけど勘が鋭いというか、鼻が利くというか・・・

気が付かなくていい事には動物的感が働くやつだから油断はできない。

事務所を抜け出して近くのコンビニで雑誌を購入してすぐに戻った道明寺ホールディングス本社ビル10階。

そこに事務所をかまえる法律事務所。

ただいまの私は何とか中堅で弁護士の仕事に精をだしている。

その私が珍しく落ち着くを無くしてコンビニのビニール袋を胸元にガシッと抱えて息せき切って事務所に飛び込んだ。

こんな時に限って入り口にたむろしてる弁護士仲間。

普段は割り当てられた自分の部屋にこもってるのに運が悪い。

何事か!の視線が私を見つめてる。

「どうかした?」

真っ先に気が付いた玲子さんが胸元の袋から飛び出した雑誌を目ざとく見つけた。

「つくしちゃん、こんなの雑誌読んでるんだ。若いわね」

「玲子さんよりは若いからな」

言わなくてもいい反応を見せた甲斐さんがジトリと玲子さんに睨まれた。

「普段は見ませんよ」

この二人にならばれても問題ないって思う。

ヤバくなったらこの二人にも協力してもらった方が無難だ。

ついでに花沢類や西門さんに美作さんも引きこんだ方が・・・・

それはことが大きくなる可能性も含んでるからまずは様子を見よう。

「駿と舞がこの雑誌に写真が載ったって連絡が来たから買っただけです」

「載ったのがうれしくて買いあさったって訳じゃなさそうだね」

それならもっと購入してます!

呑気に言った甲斐さんが私の胸元から雑誌を抜き取ってテーブルの上に置いた。

「どこどこ」

玲子さん・・・。

楽しげなんですけど・・・。

「わぁ~この子達よね。しばらく見ないまに大きくなっちゃって」

ペラペラとページをめくってすぐに子供達を玲子さんは発見。

数年会ってないはずなのにわかるんだ・・・。

1ページの4分割右上部に全身で写る駿と舞。

にこやかな表情とはっきりとした目鼻立ちのスマートさ。

駿が舞をリードしてるし・・・。

完璧なカメラ目線。

小さいころから本職のカメラマンに撮られてることに慣れてるからモデルも顔負けって思う、うまい写真。

赤ん坊の頃から撮りためた写真は数知れず。

プロのモデルより写真は撮られてるはずだ。

「つくしちゃんと代表が知り合ったのって確かこのくらいの年ごろよね」

司とは高校時代からの付き合いだからちょうど今の駿たちに一つ二つの歳を上乗せしたころ。

「つくしちゃんと代表の若い頃ってこんな風だったのかな?」

「駿君代表にそっくりだしね」

言われて写真を見て見れば確かにそう見えなくもない。

確かに似てるかも。

若かったよな・・・。

そんなほのぼのとした感情に浸ってる場合じゃないって思う。

これを司が見たら「なんで載せたんだ!あいつらの近況は極秘だぞ。襲われたらどうする」

たぶんこれ以上のことは言いそう。

家を離れた駿にSPをつけるくらいの司だもん。

べたぼれ、ベタ甘の舞が絡んでるから、駿が慌てて私にメールを送ってきたのもわかる。

「司は高校時代から超有名だったじゃない」

これじゃ無理だよな。

「ねえ、このモデルに心当たりの方は当社まで連絡をお願いしますって書いてあるわよ」

「駿君とか舞ちゃんとかの同級生から連絡が行くんじゃない?」

このまま無視するって状況じゃないってことか?

「駿は道明寺司の息子って見られたくなくて英徳に進学するのやめたんですけどね」

愚痴っぽくつぶやいた。

状況によっては今の生活が維持できないことだってあるもの。

大丈夫かな・・・。

司をなだめる事より駿のことの方が心配になってる。

司にはまだばれてないし・・・

暴れてないし・・・。

バンッ!

ドン!

ガシャ!

勢いよく開かれたドアは壁にぶちあたって跳ね返って元通りにドアが閉まった。

閉まる前に見えたのは見慣れたクルクル頭の顔で・・・

何時もより険しい眉の吊り上り具合に不機嫌さが想像できる。

今度は扉半分を手押さえた司が大きく足を一歩踏み出した。

「おい、これ見ろ!!!」

開いてテーブルに置いた雑誌の上を司の手のひら押さえて大きく音をたてる。

同じ舞と駿の写真が右と左に並んだ。

いくつも並ぶとなかなかの逸材。

司の怒りが見えなければ喜んでしまいそうな気もする。

写真でも輝きを放つのは血だ。

冷気漂う整った顔立ちを真正面に見すえてそう思えた。

いったい誰が教えたのっ!

これ・・・

どう鎮めるのよッ!!!

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

おかゆ

司はどう動くつもりでしょうね。

駿君の未来はそこにかかってる!

ゆっちゃん様

威厳たっぷりに舞ちゃんを諭す司。

無理だろうな・・・。

彼氏が出来たらどうなるんでしょうね。

この物語より近い未来に訪れるであろうその時の方が楽しみだと思うのは私だけじゃないはずだ!