FIGHT!! 49

おはようございます。

11月に何とか3周年を無事に迎え、今年も残りわずかの師走。

カウンターは500万を超えました♪

いつもお付き合いくださる皆様に感謝。

折角500万超えたのにカウンターのキリ番設定をしてませんでした。

ドジッたなぁ・・・。(^_^;)

*

久し振りの我が家。

満面の笑みで迎えてくれる「おかえり」の声。

どうせなら俺に飛びつくとか歓びのままを態度で示してほしい。

こいつの場合は使用人達の視線を気にして絶対にわずかな距離をとる。

俺の方から腕を伸ばしてつくしの腰を引き寄せた。

「おかえりのキスは?」

耳元に触れる唇。

久し振りに感じる肌の柔らかさ。

つくしの匂いが鼻腔を刺激する。

「ちょっ、こんなとこで懐くな」

拒むように身体をずらして俺から触れられるのを避けるようにつくしの頬と俺の唇の合間に差し込まれる手のひら。

わざと音を鳴らす様にその掌に吸い付いた。

見る間に真っ赤。

俺達二人を残して気を利かせる使用人。

よくしつけられてる。

エントランスから去る使用人たちの肩が震えて笑ってることはつくしには内緒。

気が付かない様に頭ごと胸に引き寄せた。

「誰もいなくなったぞ」

「ウソっ!」

強靭な力で俺から離れてあたりを見渡す。

「これが、一番恥ずかしい」

顔を隠す様にコツンと額が胸元に触れる。

「よく顔を見せろよ」

指先でつくしの顎を持ちあげて向き合う。

数秒の沈黙。

「おかえり」

俺の両肩に置く様につくしの手の平。

つま先を伸ばして、つくしの身体が上に動いて、そっと唇が俺の左頬に触れた。

「今日はすごいおかえりがあるよ」

部屋に戻る前に目の前で広げられた画用紙。

「これなに?」

「駿がパパにって書いたんだよ」

グルグルの殴り書きみたいな黒の円の塊。

「これ、雨雲か?」

「違うわよ。横にパパって書いてあるでしょ」

どう読んでも『はは』だろう。

「芸術的でしょ」

そう言って『おかえり』の文字の横をつくしの手が隠す様に置かれてる。

「全部見えないだろう」

「大事なのは駿が書いたパパの絵だから」

「芸術は全てを見て判断するものだ」

つくしの手のひらとテーブルの間から抜き取った画用紙。

頭の上に持ちあげて、これなら邪魔出来ねえぇだろうとニンマリとなる。

何時もと違う行動をとるときはなんか隠してるって丸わかり。

昔から本当にうそをつくのが下手な奴。

『おかあさんが 一ばん さびしがってました』

俺がいない間どんな風に駿がつくしを見ていたのか。

子供に分かるくらいってどんだけだ?

俺の居ない間の日々を想像して楽しくなるって思わぬ副産物。

俺だけ会いたいとか・・・

あいつらが足りないとか・・・

俺がいない間のあいつらを想像して早く帰りたいって頑張った時間。

その時間が報われる。

「おまえが一番俺を恋しがっていたわけか」

「だから、それは!」

「それは?」

言葉に詰まって目の前で膨れる表情も、どうしようもなく俺を喜ばせてる。

「駿が勝手に書いたの!!」

言葉を吐き出して頬が弾けた。

素直に・・・

「会いたかった」とか・・・

「さびしかった」

その一言を言えば済むことなのに、ここであたふたするつくしを見て楽しんでる。

安心できる俺の居場所に帰って来たって思える瞬間。

いまだに俺の前で見せる初心な反応が滑稽で愛しい。

ほかの奴に見せんなよッ!

「子供は正直だからな」

「おまえが言わなきゃ駿に聞くからいいや」

「駿!!帰って来たぞ!」

わざとらしく足音を立てて駿の部屋に行く素振りを見せる。

「ワーーーッ、起こさないで!!」

うしろから羽交い絞めするみたいに飛びつかれた。

「バーカ、起こすわけねえだろう。寝顔を見てくるだけだ」

「それに折角の久し振りのお前との時間を邪魔されたくねぇし」

「邪魔ってねッ・・・」

こいつの見開いた瞳の視界いっぱいにいるのは俺で・・・。

焦ったように眼球だけがわずかに横に動いて・・・。

逃げんなッ。

見つめる視線も・・・

唇から熱を逃す様に洩れる吐息も・・・

肌の温もりも・・・。

何一つ逃がしたくない。

覆いかぶさるようなキス。

強引なキスにすべて飲み込んで、重ねた唇はすぐに同じ温度になった。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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