Perfect dungeon 5
そろそろ年末に向けて冬籠りの準備をしなければと思ってます。
PCに向えないであろうお正月のUPの分に向けての書きだめ。
ただいまストックはゼロ。
正月はゆっくり休ませてもらおうかなぁ・・・(^_^;)
でもね緩みだすと緩みっぱなしになる危うさが潜んでるんですよね。
そん時はひとつ発破をかけてもらいたいと前もってお願いしときます。(笑)
*「いくぞ」
道明寺から強引に腕を引っ張られて椅子から腰が浮いた。
「行くってどこへ?」
私の背中を追い越して聞こえてきた西門さんの声。
それは私のセリフだぞ。
「お前らの居ないとこに決まってるだろう」
「なんで?」
美作さんはわざとらし表情を浮かべて道明寺の反応を楽しんでる。
この人たち・・・
性格が悪くなってないか?
「馬に蹴られて死にたいのか!」
人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ!
あの道明寺が良くここで馬が出てきたよ~。
それも言い間違いもなく。
って・・・感心してる場合じゃない。
道明寺!
この人たちが楽しむ反応を見せるな!
「馬に蹴られる前に司に蹴られるのがオチでしょう」
花沢類までノッかって来たし・・・。
「まだ、食事してないけど」
「俺もしてねェよ」
道明寺と綱引きしても勝てっこないのに、必死で椅子に腰を下ろそうと試みる。
「ワッーーー」
グッと力を入れた道明寺に簡単に引き寄せられてバランスを崩す身体。
「あぶねェぞ」
そのまま吸い込まれるように道明寺の胸に顔が鼻先からぶつかった。
「急に力を入れるからでしょう」
「おまえが抵抗するからだろう」
見上げた先で道明寺のまっすぐな黒色の大きな瞳とぶつかった。
ぶっきらぼうな言葉も目が優しく笑って私を見つめてるから何も言えなくなる。
押し戻そうとした道明寺の胸に添えた手のひらはしっかりと道明寺の手のひらの中に収められてしまってる。
手の平から伝わる道明寺の温もり。
そこから熱が体中に伝わってドクンと高鳴る心音。
まだ慣れてないんだから・・・。
あんまり見つめるな。
「邪魔すんなよ」
頭の上で聞こえた道明寺の声。
「しねぇよ」
「司に蹴りいれられてたくないからな」
「牧野も司を待っていたみたいだからね」
三人三様の声が聞こえて現実に戻った。
私・・・何・・・大人しくしてたんだろ・・・
「いつまでも抱きついてんのよ」
ようやく出た声は迫力もなく唇を揺らす。
力を入れてもびくともしない道明寺。
「俺にもたれかかってんのお前の方じゃん」
えっ!
確かに大人しく道明寺の腕の中にいるのは私。
他人から見れば大人しく道明寺に身体を預けてる私。
預けてるんじゃなくて動ける状態じゃないだけ!
傍からみればどっちでも関係ない、いちゃついてるだけのカップルだ。
ヤダッーーー!
人前で抱きつく大胆さは私にはないんだからね!
と思っても・・・大学の昼下がりの食堂。
見物人は多数で、その視線は私たちにほぼ全部注がれてしまってる。
この状況の打開策はなんだ?
道明寺をぶっ飛ばすには遅すぎだ。
へんな対応したらそれはそれでヤバイと分かている。
『二人の破局』とか・・・
『道明寺、婚約者に殴られる』とか・・・
悪い方向で噂が広がって騒がれそうで怖い。
婚約したら婚約したで、付きあっていた時より気を使わなきゃいけないとは思ってなかった。
だから本音は目立つこと避けたいつーのに、もうッ!
うまく脳が指令を出せなくて運動機能が停滞して手足がバラバラに動きそうだ。
「行くぞ」
道明寺に横抱きにされそうな状態で大学から連れ出されてしまった。
何時も道明寺に張り付いてるガタイのいいダークスーツのお兄さんたちもいない。
黒塗りの高級車にこのまま拉致されると思っていたのに道明寺と肩を並べて歩いてる歩道。
平日の昼間に道明寺と二人。
早い脚で歩いていた道明寺の速度がゆっくりとなって、私の歩幅に合わせるように変わる。
「今から明日1日、時間が出来たんだ。付きあえ」
答えはYESしか受け付けないってほぼ強要の視線が私に投げられてる。
「付きあえない・・・」
パタリと歩くのをやめた道明寺の吊り上った眉。
「って、言ったらどうする?」
への字に曲がった口元がわずかに開く。
「からかうんじゃねェよ」
不機嫌そうに言ったままほんのりと照れくさそうに笑う道明寺が顔を私からそむけた。
「びっくりした?」
「しねぇよ」
覗きこんで見上げる私からプイと顔をそむけて、歩き始めた道明寺。
その後を直ぐに追ってまとわりつく様に道明寺の腕に手をまわした。
お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
Gods&Death様
ただいま嵐の前の静けさというところです。
後からの展開の布石といったところでしょうか?
このもう少し後・・・別館のお話につながる展開が待ってます。
おかゆ 様
ただいまだ何気ない幸せな時間♪
どこまで続くかな・・・(^_^;)