Perfect dungeon 9

司は何処に!

なぜか話のストーリーは決まってるのに、書こうとするとなかなか文章が浮かばない。

楽しい話なら指先が軽く動くんですけどね。

先日書いた『Perfect dungeon 8』は3時間、『Happy life 15』は30分で書き上げました。

この違いがつらい。

早くこの暗い場面を突破しなきゃ!

テンションが上がること何かないかしら?(^_^;)

*

ダークに沈んだ瞳。

悲しみを浮かべたのはその一瞬で、お母様は私に答えることなく視線は西田さんに移る。

「牧野、司が行方不明って情報が流れたらどうなるかわかるだろう?」

振り返った先で西門さんには似合わない寂しげな笑み。

「株価暴落にもつながりかねない」

美作さんの手のひらが私の肩の上に優しく置かれる。

「司が学業の片手間の道明寺ホールディングス代表だとしてもね」

まだ大学生の道明寺は多忙で学業の方が片手間で・・・

私に会いに来るだけだからって笑っていたあいつ。

最近ラフな格好の道明寺よりスーツ姿の道明寺を見慣れていた私。

短時間でも会えることが・・・

道明寺の声が耳元で聞こえることが・・・

嬉しいって一度もまだ伝えてなかった。

婚約指輪を贈られて、豪華すぎるって受け取らなくて、ケンカしたのは数日前。

本当は道明寺が私に向ける嬉しそうな微笑みが照れくさくて、幸せで、どうしようもなく好きだったのに。

そんな表情をさせてあげられなかったと心が涙を流してる。

お母様がつらくないはずはないんだよね。

きっと私以上に心を痛めてるって思う。

これまで親子の関係を修復できた矢先の出来事だもん。

この二人が理解するにはまだまだ時間が必要だって思う。

「自家用ジェットの消息不明はまだ極秘事項ですから、ここにいる6人と上層部の数人しか知りません」

「不測の事態に備える必要がりますから」

西田さんが伝えてるのは厳重な箝口令が敷かれてるということだ。

西田さんの言う不測の事態ってなによ!

重い感情にもう一つ重石を乗せられた。

日常ならテレビの緊急特報で飛行機の消息不明のテロップが流れてもおかしくない事件。

それも日本で、世界でも名の知れてる若き実業家の道明寺司

きっとネズミ一匹入れないような情報操作がされてるんだと思う。

執務室にある大型の壁掛けテレビには女性アナウンサーの「いってらっしゃい」の明るい笑顔を映し出されてる。

何時もと変わらない日常の朝が執務室の外で動きはじめていた。

なにもない広大な砂色の大地。

ここに来て数日。

時々風に舞い上げらる微小の砂。

小さく竜巻を作って動く残留が砂漠の上に波の後を残す。

飛行機に搭乗したふりをしてそのまま別な飛行機で飛び立った。

自家用ジェットに爆弾を仕掛けるなんて事前に情報を掴んでなきゃ俺は今頃どうなってたのだろう。

あのまま日本に残っていても良かったんだけどな。

あいつといつでもあえる距離にいたら我慢できなくなりそうで、すぐには帰れそうもない場所に身を隠してる。

俺のいる場所を西田もおふくろも俺の親友たちも誰も知らないって徹底ぶり。

飛び立った自家用ジェットは自動操縦に切り替えて無人になったまま海の藻屑となった。

牧野が知ったら、「事前に爆弾を処理すれば、わざわざジェットをぶっ飛ばすことなんてない」って、キレられそうだ。

今回は俺が身を隠すための最悪な状況を作ってしまってる。

俺の生死が不明な状況を作ることが必要だったって、あいつは理解してくれるだろうか。

今ごろお前は俺を心配して大きな瞳を潤ませて泣いてくれてるのだろうか?

牧野を悲しめるのは俺まで心臓が軋む痛みが伴う。

「ごめん」

胸の奥の泣き顔のお前に俺らしくなく謝ってる。

手を貸してくれたのはアメリカ留学中に知り合った中東の留学生。

俺より我儘で横柄な奴。

不思議と気が合ってケンカになりそうでならない。

民族間で小競り合いが続くなかで育ったそいつは命を狙われることはよくあるとこともなげに言い切る。

そいつに比べれは俺は温室育ちだぞ。

「司、見つけたぞ」

「飛行機に爆弾を仕掛けたやつと依頼した相手先」

身体を覆うシルクのカンドーラ、頭をすっぽりと覆うターバン。

中東の民族衣装に身を包むマリク・マンスーン。

「意外と早かったな」

「俺を誰だと思ってる」

「世界で5本の指に入る金持ち、王子、シーク、皇太子で実業家。ほかにどんな肩書があるかいちいち覚えてねェよ」

「司が言うとバカにされてるような気がする」

屈託なく笑みを浮かべる口元。

「日本にはいつ帰れる?」

「いつでも好きな時に」

褐色の肌と翡翠の瞳の奥に浮かぶ友情の色あい。

「それより、このままここに残るって手もあるぞ」

「俺の妹が司を気に入ってるみたいだし、そしたら兄弟だぞ」

冗談にも聞こえる軽さでマルクはつぶやく。

俺が牧野に惚れきってることを知ってて何度もからかってくる。

「俺には婚約者がいるんだ」

相手にしてねぇ。

そう思いつついつもの反応。

「関係ないね。ここでは妻は3人まで持てるぞ」

笑っていた頬を引き締めてマルクが真顔になった。

「本気か?」

「司が俺を手伝ってくれればこの国の近代化は急速に進む」

「親族にならならなくてもそれは出来るだろう。俺は牧野一人で十分だ」

「欲がねェな」

俺に欲があるとしたらお金や権力だけじゃ絶対手に入らないもの。

「欲なら宇宙一ある」

会えないときに思い出させるな。

「日本に行く楽しみが増えたな」

ククッと楽しげにマルクが喉を鳴らす。

手が早いって評判のお前に誰が牧野を会わせるか!

勿体ねェ。

結論的には司は生きてなきゃ♪

たった1話で姿を現しちゃった司君。

もう少し、引っ張って~と思いつつ引っ張れなかった私。(^_^;)

騙してたのはつくしだけじゃないって知ったら、楓さんと西田さんとF3がタックを組んで逆襲。

そんな意地悪な発想も持っている私です。

さぁ~ ここから楽しくなるぞ!

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拍手コメント返礼

aimi 様

生きてるのは当たり前の設定ですけどドキドキしますよね。

そのドキドキに耐えられなくてすぐに登場させてしまった私です。(笑)

素直に甘えるつくし希望と( ..)φメモメモ。

みわちゃん様

拍手ありがとうございます♪

ここまで読み進めてもらえてうれしいです。

ここに登場のマルクは『恋の駆け引き~』でも登場してますよ。