DNA で苦悩する 30
このお話も今日で30話目です。
駿君の恋バナもなかなか進展しないですしね。
駿君のバイトはどうなってる?
バイトどころじゃなくなってるし・・・。(^_^;)
ここでズバッとイケーーーーッ!
駿太郎!
正月のSPのラッキーセブンのオーラ溢れる司じゃなかった潤君の映像が目に焼きつき過ぎの私です。
*「今度の休みどこか行かない?」
この騒ぎでって驚く様に丸くなった鮎川の瞳。
数日過ぎても僕を取り巻く周りの状況は変わらないというより騒がしくなるばかりだ。
校内は何とか平常を取り戻してるが、帰りの待ち伏せで渡されるピンクや花柄の封筒。
何時も返す前に走り去る女の子たち。
『何時も見てます』
『笑顔に癒されます』
『ファンになりました』
なられても困る。
時々『付きあって下さい』と書かれた文字。
それなら名前は書けよな!
名字がなくてローマ字にイニシャルだけってどう考えても本気じゃない。
本気の告白も実は困る。
道端に破り捨てる事も出来ずに家に持ち帰る為にポケットに突っ込むラブレターは一つじゃない。
ラブレターというよりファンレターのノリ。
ポケットに手を突っ込んだままの僕の横を素知らぬ素振りで通り過ぎる鮎川。
しっかり見られてたよな?
女の子に取り囲まれていたとことか、手紙受け取ったとこ。
心臓に悪い。
この手紙は読まずに家のごみ箱行きだから。
見つめながら言い訳してる。
「俺が代わりに言い訳してやるよ」
本来なら鮎川の隣りで歩くのは僕の特権のはずなのに蒼が肩を並べてる。
蒼の言葉に微笑みを浮かべる鮎川の横顔。
楽しそうに笑った鮎川は可愛いと思う。
そして、ニンマリとなる蒼にイラッとしてる自分。
少しずつ距離が離れていく鮎川との距離。
小さくなるあいつらにだんだんとムカつく感情。
他人の目なんて気にしてられるか!
蒼を突き飛ばす様に二人の中に割り込んで鮎川をデートに誘った。
「あっ、いいな俺も連れてけ」
「お前も行きたいならだれか誘えよな」
「愛結ちゃん誘おうかな?」
愛結ちゃんって・・・
高校生活の始まったばかりの頃、電車で痴漢に遭っていた鮎川と一緒にいた橘 愛結のことか?
僕が知っていた 鮎川 菜花。
蒼が知っていた 橘 愛結。
好みが蒼と同じじゃなかったことには感謝してる。
「OKくれると思うか?」
緩んだ蒼の表情はキッと引き締まる。
「蒼次第じゃないのか?」
「違う、愛結ちゃんは駿が気に入ってんだよな」
クソッって恨めしい視線を送って泣き顔を作んな。
「俺も、協力するから駿も協力しろ」
鮎川とのデートに蒼の協力は必要か?
はっきりいって邪魔だぞ。
「人数が多い方が楽しいかもね」
腰を斜めに屈めて僕を覗き込む屈託ない笑顔。
長い髪がさらりと流れるように地上に下がる。
風にあおられてなびいた毛先から鼻先をくすぐる柑橘系の香り。
『二人がいい』
鮎川の全てを独り占めしたい本音の自分と・・・
『鮎川がいいんだったら』
物わかりがいいように見せたい虚偽な自分・・・。
頭の中は短時間に矛盾する思いが交差する。
「駿、俺と一緒に明日、愛結ちゃんを誘ってくれ」
目の前で腰をかがめながら両手をすり合わせて蒼に哀願された。
僕は誘うだけだからなッ!
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
ひろ様
2話UPをお年玉と喜んでいただきありがとうございます。
ストックのお話がたまってくると放出してるんですが、たまらないうちから公開してしまいました。(^_^;)
アーティーチョーク様
いつもありがとうございます。