DNAに惑わされ 14
そろそろこちらの2人も♪
とは思ってるところです。
翔五郎監督も駿君を気に入ってはいるんですよね。
でも娘の彼氏だと思ったら許せない!って感じで時々登場してもらおうかなぁなんて考えてます。
*
「あれから、大丈夫だった?」
僕が鮎川に何を聞きたいかと言うと僕が帰った後の監督の反応。
付き合うなとか!
交際は許さないとか!
他にもっといい男がいるとか!
結局何を考えても僕たちの仲を反対してる娘の父親の顔しか浮かんでもない。
僕の父さんも舞のことに関しちゃ異常だから。
幼稚園の頃に舞がお気に入りのテレビの子供番組の歌のお兄さん。
登場するたびに画面に張り付いてテレビの中のお兄さんの姿を隠す姿は、母さんを苦笑させていたのを今でも思い出す。
家族以外は見ることのないレアな姿。
親ばかな道明寺総帥の姿は家族以外に見たことがないのが救い。
舞に対する溺愛ぶりは中学生になってますます過熱中。
会社は大丈夫か!
本気で心配しそうになる。
「駿君が帰った後すぐに機嫌よく帰っちゃったから」
鮎川が浮かべる笑顔。
「ちぇっ!それは惜しい事をした。もうちょっと一緒に居れば良かった」
机の上の教科書で思い切り蒼の頭を殴った。
「なんだよ。折角俺が、駿の気持ちの代弁を代わりに言ってやったんだろ」
鮎川を僕が送るのを見届けた後に帰って行った蒼。
「あの後どうした?」
「送っただけだよ」
「ホントに?」
「それだけ?」
「蒼、お前は僕に何を言わせたいの?」
登校した後からすぐに聞いてきた蒼。
「送ったついでにチューとかさ」
自分の腕を自分の身体に巻きつけて唇を尖らせて目をつぶる蒼。
・・・
無視した。
蒼がまとわりつくから鮎川と話す機会も作れなくて6時間目のベルなった。
ようやく鮎川の話せたと思ったら・・・
「俺なら、鮎川の部屋も見てみたいけどな」
鮎川と交わした最初の会話の中に勝手に入ってくるな!
「駿は気にならないの?鮎川がどんな部屋に住んでるか?」
「僕の部屋も見たから鮎川の部屋も見せてとかのオシを見せないとな」
「もう、お前は黙れ!」
蒼の首根っこを掴んで口を手の平で塞いだ。
「駿君、うちに上がったわよ」
バタバタと抵抗してた蒼の動きが止まる。
俺に内緒にするのかみたいな非難気味の視線を蒼から送られた。
「鮎川の親父さんに誘われただけだからな」
蒼の想像する様な甘さはほとんど皆無。
深読みするなッ。
僕の腕から離れた蒼は「なんだ」つまんなそうに呟いた。
「お前の方はどうなんだよ!」
同級生の橘 愛結と蒼、そして僕と鮎川。
水族館のダブルデートが僕らの初デート。
「フラれたよ」
意外とあっけらかんとした蒼。
「俺は、タイプじゃないんだってさ」
「ただ今、彼女募集中だからよろしく」
よろしくって僕に言われても困る。
それほど仲がいい女の子を鮎川意外に作れるつもりもない。
それでなくても知らない子から逃げるハメになってるんだから。
見られてるって分る視線。
無視するのも疲れるんだぞ。
「蒼君」
教室の外から蒼を呼びつける女生徒。
「お前への橋渡しは全部断ってやるからな」
フラれたと言いながら蒼の天然の明るさは女の子にウケがいい。
蒼に好意を寄せる子も多いのは知っている。
「帰ろうか」
カバンに教科書を詰め終えた鮎川が机の下に椅子を入れ込んだ。
部活に向う学生の間を僕らは2人で並んで歩く。
校門をくぐると赤く夕焼けに染まる空。
少し冷たくなった空気が呼吸とともに口腔内に入り込む。
「寒くなって来たね」
少し色を無くした指先に鮎川の唇が息を吹きかける。
「冷たいな」
鮎川の指先を包み込んだ手の平にヒンヤリとした冷たさが触れる。
戸惑った鮎川の表情はそのまま僕を真直ぐに見つめてる。
握った手を僕はそのまま自分の上着のポケットにしまいこんだ。
拍手コメント返礼
りん 様
この初々しさはつかつくじゃあんまり見られませんでしたが・・・(^_^;)
えっ!それって全部たのしみにしてもらってるって事じゃないですか♪
うれしいです。
あ~自由な時間がもっとほしいッ(@_@;)
アーティーチョーク 様
お婿さんとしては駿君以上の理想はいないですよね。
親としては安心して任せられると思うのですけどね。
でもやっぱり鮎川パパは淋しいぞ~となるのかな?
愛結はこの先登場することあるのかしら?