DNA で苦悩する 45

さーーーいよいよ鮎川パパ登場か!!

どうなるんだろう・・・(^_^;) 

カーテン越しに見えた影は動いて消えて、数分後に僕らの前に姿を現す。

口の周りに蓄えた黒ひげ。

恰幅のいい体格はそれだけで存在感を増す。

「駿君帰って」

「帰れるわけないだろう」

そんなやりとりをして、もたもたしてる間に先に動かれた格好だ。

それはそれで気まずい。

「遅かったね」

やんわりとした口もとの上で銀縁の眼鏡の奥の笑っていない瞳は紛れもなく僕一点を見つめてる。

「なんでいるの!」

不機嫌さを見せるのは鮎川の方。

父さんに膨れるときの舞の態度を思い出す。

「どうにかしろ!」

舞を怒らせて母さんに助けを求める父さんに苦笑する母さん。

どこも一緒なんだと緊張が緩みかけた。

「はじめまして」

「俺ははじめてじゃないけどな」

頭を下げかけた時に聞こえた声は思ったより冷静。

それは確かに僕を観察してる印象を受ける。

「どこに行ってたんだ」

それもこいつと二人で!

言葉ではなく目でヒシヒシと伝わる威圧感。

「二人だけじゃないからね!愛結も一緒」

鮎川が父親の前に差し出したのは水族館でふざけながら携帯カメラで撮った4人の写真。

そんな写真を見せてもきっと不愉快なだけだって僕は思う。

僕が一人で鮎川を送ってきたのは現実だ。

鮎川の横に僕がいることがヤバイ。

「前も、こいつに送ってもらってたろう!」

人に指を指されるのは慣れてるつもだが、鮎川の父さんの指先にはいつも注目される理由とは違う意味合いが乗っかる。

馬の骨とか言うやつ。

「あの時は、帰りが遅かったから、心配して送ってくれただけでしょう」

それも確かにあった。

それよりもあの時は鮎川が気になって、少しでも長くそばにいたかった。

見送った後も、マンションが見えなくなる距離を少しでも伸ばす様にのろのろと歩いて振り返って見ていた。

「とにかく、私も言いたいことあるんだから」

ごめん・・・

小さくそう動いた唇を僕に向けて、鮎川は部屋に戻る様に翔五郎監督の背中をマンションの入り口に押しやる。

「菜花、まだ話は終わってないぞ」

「私が聞くから」

なんにもできずに取り残される僕。

「また、月曜日」

別れを告げた声はマンションの入り口の自動ドアが閉まって僕と鮎川のつながりを絶つ。

彼氏の第一歩としては失敗・・・?

最高の日が最悪な日に変わった気がした。

明日は朝から子供の部活につきあう予定

また5時起床です。

明日のお話はあきら&葵のお話をただいま作成中。そろそろ佑君の出番かな?

それより我儘はどうなってる?

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拍手コメント返礼

Gods&Death 様

鮎川パパどう出てくるんでしょうね。

今はまだいいと余裕ですかね?

どうとでもしてやる!

なんて思っていたら甘い!ってことになるんだろうけど。

生れて三日なんですね。

ここから表情が出てきて言葉をしゃべる様になったらますますのめり込みますよ。

実際うちのジジババがそうでしたもんね。

あずきまめ様

舞ちゃんのことなんて思いだすから~余裕がなくなる。

置いてきぼり状態になっちゃいました。

ここから撮影秘話生れる?

イメージは渋めの俳優さんでお願いします。

誰だろう・・・。

アーティーチョーク 様

そう簡単に駿君の正体を翔五郎さんにはばらしませんよ~。

おいしいネタは最後に取っておくものです。(笑)

あっ・・・この話あと少しで終らせるつもりだったんだ・・・(^_^;)