DNAに惑わされ 21
あっ・・・ヤッパリ(^_^;)
PW申請メール増えてます。
ある程度の覚悟はしていたのですが・・・
PWを変更した時の騒動を思いだしちゃいました。
あんなに返信したはずなのに、と 今さらながらの読者の数に感激中。
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「鮎川」
「鮎川さん」
何度呼んでも、ついてくるなと拒否する背中。
校門を過ぎてもまだ僕は鮎川と一緒に肩を並べて歩けないでいる。
弁当を食べたの鮎川なんだからそろそろ機嫌直せ。
鮎川の弁当もおいしかったけど。
母さんには悪いがそれはそれで僕の心の奥にオレンジ色の珠が浮かんで温かく包み込む。
「おーい! 菜花!な・の・は ちゃん」
突然足を止めた鮎川が速攻で振りかえった。
「あのね、ただでさえ目立つのに大声で名前を呼ばないで」
人目を気にしてる余裕なんてない。
見られるのには慣れてるし。
今は鮎川の機嫌を直すことが先決だって分れよ。
耳まで真っ赤になった鮎川は困ったような表情を浮かべてる。
怒ってる感情はどこかに落っことしてくれたみたいで安心した。
「これ、おいしかった」
渡しそびれた鮎川の弁当箱。
ちゃんと洗ってあるからと手のひらの上にポンと置いた。
「本当にあの弁当は母さんだから」
鮎川を一歩追い越した僕を鮎川が追いかけて肩を並べた。
「ハートマークがついたお弁当を?」
問題はそこだよ。
息子に母親がハートマークのお弁当を渡すわけないはずだから、たぶんあれは父さんへのメッセージ。
弁当を渡し間違いするなんてダサすぎだ。
僕の開いた弁当を父さんが見たらデレデレで最高に機嫌が良くなるはずで、
秘書の西田さんに自慢げに見せびらかしていそうだけどなぁ。
「あれ、たぶん父さんへのお弁当だと思うよ」
昨日ケンカして母さんが僕のマンションにやってきて、その母さんを追いかけてきた父さん。
その説明を聞いた鮎川は瞳をいっぱいいっぱいに見開いてクスクスと笑った。
両親のケンカなんて彼女と話す話題じゃないって分ってる。
それでも鮎川に話せたのは、眠りに付くベッドの中で、鮎川を思い浮かべていた甘ったるい感情の影響かもしれない。
鮎川にならなんでも話せるって気になってしまってる。
悩みも辛いことも、うれしいことも、楽しい事も、嘘はつきたくないって思えるんだ。
「想像できないけど」
あの道明寺司が?なんて顔を鮎川にされてるよ、父さん。
母さんの前だと父さんは道明寺総帥としての威厳は機能しないんだ。
「駿君の両親が仲がいいのはなんとなく分かる」
ちょっと腰を曲げて下から僕を覗き込んだ悪戯な瞳。
「君を見てるとさ、育ちがいいってだけじゃなくて、優しいっていうか、皆に愛されてるって思えるもの」
僕を子ども扱いにしてる大人の表情を鮎川が見せる。
「鮎川だって、大事にされてるだろう?」
「我が家は放任主義って感じかな。二人とも仕事が忙しくて家族一緒に過ごす時間ってあんまり記憶にないもの」
家族に期待してないって強がる表情。
寂しげで、儚げで、それでいて僻みがなくて凛とした強さを見せる。
僕には小さな鮎川が泣くのを我慢してる姿が見えて抱きしめたくなった。
「お弁当間違えたんなら駿君のお弁当ってどんなのだったのか気にならない?」
雰囲気を変えるように鮎川がつぶやく。
「小さい頃はキャラ弁作ってもらってたけどな。今はキャラ弁で喜ぶ年じゃないしね」
本当に?
からかうような鮎川の視線。
「ママの手作り食べれなくて残念だって思ってるんじゃない」
「からかうなよ」
鮎川の腕を掴もうと伸ばした腕はそのまま空振りして、鮎川に逃げられた。
「キャッ」
機嫌のいいわらいごえを上げて走る鮎川を走って追いかける羽目になる。
交差点の信号が赤に変わる所で追いついた。
「鮎川の弁当・・・また食べたい」
上がる息を整えながらシッカリと逃げられない様に鮎川の右手を掴んだ。
「気が向けば・・・」
照れくさそうに目をそらす鮎川に僕は絶大な期待をしてしまってる。
ポケットから鳴り出す携帯の着信音。
「俺だ、駿、お前の弁当どんなんだった?」
それは父さんからの連絡。
きっと父さんもおかしいってことに気がついたみたいだ。
たくっ。
父さんが僕に連絡をとる急用事項は何時も母さんなんだからな。
弁当の中身なんてどうでもいいと思うけど。
父さんの場合は変に勘ぐられることもないと思うけどね。
「父さんのはどうだったの?」
キャラが新幹線の上に跨って頑張れーの文字の横には国旗付き。
父さんの低い声で新幹線に頑張れーって、それだけで笑える。
母さんは確実にへまをやらかしてる。
「ハートマーク付きにLOVEの文字」
ツーツー
会話の途中で通話が切れた。
自分の要件がすんだらこれだ。
携帯を見つめていた視線を困惑気味に鮎川に移す。
会話の内容で相手は父さんだったって鮎川も気がついたはず。
「本当にお弁当を間違えちゃってたんだ」
まだ、信じてなかったとか・・・あり?
「信号変わったよ」
「えっ」
ワンテンポ反応が遅れてしまた僕を鮎川が急かすように僕の右手を握り返す。
信号が青に変わり鮎川が僕の腕を引っ張って軽い足取りで交差点の中を走り抜けた。
花より男子のドラマの中で道明寺を無理やりに引っ張ってつくしが交差点を走るシーン。
カードの使用が止められてつくしにランチ代を払ってもらう司とか・・・
好きだったなぁ。
何時か同じようなシーンを書いてみたいと思っていました。
ここで使っちゃいましたけど。(^_^;)
拍手コメント返礼
ゆきこ様
ほのぼのと穏やかに恋愛が進展するのを見たらつくしは羨ましいでしょうね。
そう!これが普通の高校生の恋愛なのよ!!!
力入れて叫んでそうじゃないですか?
司パパも抜け目ないですよね。
まあ長年の感でつくしがやりそうな失敗想像ついたんでしょうけどね。
こっちも平和だなぁ。
まだまだこの二人の想像は大学生くらいまでしか進歩してないんですけどね。
実写ですか?
う~ん誰だろう。
『陽だまり~』の映画で浩介の中学時代の男の子なんてどうでしょう?
やなぎ 様
好きな方いて良かった♪
みえこ 様
あの場面は本当に愉しそうですよね。
あの後のことを考えちゃうと・・・(/_;)
アーティーチョーク 様
お弁当の誤解がとけたのは司からの連絡のおかげというオチでした。
「俺のおかげだからな」
このことを知ったら司はドヤ顔で駿君に言いそうなんですけど~。
駿君たちもケンカする時は親を見習って!
無理か・・・。
あずきまめ 様
あはは、気が早い~。
確かに二人が結婚したら司やつくし以上に良いカップルになりそうですけどね。
翔五郎パパのじじブリもきになってたりして。(^_^;)
かよぴよ様
原作でもありましたね。
テレビの撮影はたいへんだったでしょうけどね。
今なら撮影できないかも。
私も原作をまた読みたくなっちゃいましたよ。
ショコ潤今日お昼の1時放送ですよ。
4時でも無理と思ってたのにお昼のこの時間とは・・・(/_;)
チャンネルを合わせられそうもありません。
録画でじっくりこそっと見ようと思ってます。