春光の遥か 12

わぁぁぁぁぁ

気がつけばこのお話7月からほったらかしだった(^_^;)

いつでも続きが書けると思うとこの体たらく。

話の内容も忘れさられてる気がします。

どんな内容だったっけって、みなさん思ってますよね?

真摯に反省中

数すくない総ちゃん活躍のお話なのになぁ。

*

茶室に立ち上る湯気。

白い蒸気の音さえ聞こえてきそうな静けさ。

お茶をたてる茶筅の規則的な音がその蒸気と螺旋にまじりあって天に上る。

極上の茶は心を満たす香りと味が楽しめる。

それはまるで恋のようだ。

「先生、一緒に食事行きませんか?」

終った途端に膝を進めて周りを囲まれてしまった。

「悪いが、今日は先約があってね」

「女性ですか?」

弟子に手を出すとあとが面倒。

「いつもの悪友に会うだけ」

大学を卒業した途端に湧き上がる見合い話。

将来の家元夫人の肩書に惚れてる打算が見える。

そんな理由はおくびにも出さず微笑む。

「お友達って、道明寺様とか美作様に花沢様ですか」

いっぺんに周りの熱が上昇。

俺たちの中で唯一の既婚者の司も相変わらずの人気ぶり。

「それにまだもう一人生徒が残ってるから失礼させてもらうよ」

がっかりした表情は一瞬で、俺が断ったことに対する傷は浅い。

付きあってもらえばラッキー程度のノリ。

この中に本気で俺と付きあおうって思ってる女性は何人いるのだろう。

「みなさんによろしく伝えてください」

一人の声と同時に向けられる笑み。

御曹司ならだれでもいいのか?

苦笑するしかない俺。

宜しくって伝えてもあいつらは誰だかわからないだろう。

伝えたところで司は牧野しか見てねェし。

あきらも最近は真面目になって遊び人返上中。

類が興味を見せるのは相変らず牧野だけだしな。

テンション高めの話し声を後に俺は茶室を後にする。

長い廊下を抜けた先の母親の部屋。

楽しげに響く明るい声。

母親の頼みで家に来る様にジュリアを説得したのは数日前。

約束通りジュリアは茶道を習うためにやってきた。

教えるのは俺じゃなく母親。

その場所に行く必要はないのに今俺はここにいる。

「失礼します」

膝をついて襖に手をかけた途端に止まる話し声。

襖が開いた部屋の正面で母親は満面の笑み。

「総ちゃん、ジュリアって日本人よりきれいな仕草が出来るのよね」

「スタイルがいいと何でも似合うのかしら」

「まだ、正座は苦手です」

我慢できないという様に畳の上に投げ出された足。

着物の裾が乱れてわずかに見えた白い脛。

隠そうともしないおおらかさ。

俺がいるのを忘れてる。

母親も「しょうがないわね」って楽しげな笑みを見せる。

これが、ほかの弟子なら「はしたない」と叱咤するはずだ。

ジュリアには甘過だ。

「脚がしびれてます」

「マッサージしてもらえば、総ちゃん意外とうまいのよ」

俺?

自分の母親の意図が見えず二度見した。

「だだだ大丈夫です」

ここでようやく気が付いたようにジュリアが畳から飛び上がるように足を隠す。

白い肌が赤く染まる瞬間が日本人より目立って艶。

「後は、お願いね」

スクッと立って部屋に残された俺とジュリア。

なんで、ジュリアを置いていく。

それじゃって俺も立ち去ればいい。

黙ったまま恥ずかしげに俯くジュリアに、なぜか立去れない。

「ところで、あの男とどうなってる?」

なにを聞いてるのか・・・。

普段の俺じゃあり得ない。

足は大丈夫か?

まだしびれてる?

指先でさらりと触れる華奢な足首。

甘く耳先でささやいて抗うそぶりを見せる相手の肌を浸潤していく甘い時間。

誘われたふりで相手をのめり込ませる。

持っていけないのは俺らしくない。

「男って?」

「高木って言ったっけ?あの助教授」

真直ぐに俺に注がれる吸い込まれそうなブルーの瞳。

沈んだ色合いが美しいって思える瞳。

助教授って、彼女いるのか?」

「・・・結婚してるから」

「不倫なわけ?」

「不倫てなに?」

久し振りに食い違う日本語。

まだ日本に来て1年もたってないジュリア。

知らない日本語があってもそれは仕方ないか。

「an illicit love affair」

「私が、勝手に思ってるだけだから」

消えかけた頬の赤みがまた戻る。

それならあきらの得意分野なんておちゃらけるなんてできない沈んだ表情。

「結婚してるじゃなくて、してたが正しいのかな?」

「なに?」

「奥さん3年前に亡くなってるの。それでもいまだに奥さんを愛してるって素敵じゃないですか?」

ジュリアって・・・

助教授自身が好きなのか、亡くなった妻をいまだに思う助教授にあこがれてるのか、どっちだ?

俺はジュリアの恋がうまくいくように助けてやるって言った。

「そんなに愛されてるって女性の憧れでしょ」

なんとなく理想の恋の手本みたいな夢に浸る表情を見せる。

10代の少女か?

20才過ぎてるだろうがぁぁぁ。

牧野より奥手?

めまいがしてよろけそうになった。

俺の分野じゃないぞッ。

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拍手コメント返礼

ひつじ様

茶室の様子が目に浮かぶとのコメントうれしいです。

ココは雪を降らせれば完璧だったのですが(^_^;)

ヒンヤリとした空気感に湯気の温かさを感じる表現。

雪の降る季節じゃなかったのが残念でした。

隠し子騒動がおさまって、落ち着を取り戻した総二郎にまたバタバタと~

という感じでお話を再開させたかったんです。

この状況が一番似合うのは家元総二郎ですよね。

Gods&Death 様

随分と久し振りでびっくりといただいたコメントに、どれだけほっといたのかという気分です。

確かに突然UPしたらびっくりですよね。(笑)

どう動くんでしょう総二郎♪