DNA で苦悩する 31
初々しい恋バナに脳内変換しなければイケないのに今回はこれが出来ません。
今まではお話の連載を数話もっていても、シッカリと確立したものが頭の中で分割されてたんですが、
今回は『Perfect dungeon』が占めてる範囲が広すぎて・・・(^_^;)
それでも今日は一息を入れるつもりで軽めのお話をお届けします。
*「あっ、いた!」
橘を見つけて席を立つ蒼。
「お前も来るの」
離れかけた身体を僕の元に帰して腕を無理矢理に引っ張られて席を立つ。
休日にどこか行こうと鮎川一人を誘ったはずが、なぜか蒼も行くと言いだした昨日の放課後。
橘 愛結を誘うと朝からテンション高めの蒼。
その蒼を僕は覚めた目で見てる。
はっきり言って今の僕は初デートをどうするかってことで頭がいっぱいだ。
「一人で誘えよ」
蒼は僕のぶっきらぼうに発した声にも動じずに僕の腕を強く引き寄せる。
「俺も助けるからお前も助けるって約束だろう」
そんな約束してないぞ。
蒼の必死な切羽詰まった声に、無碍な態度が取れるはずもなくしぶしぶと蒼の後ろをついて行く。
クスッと僕の後ろから鮎川の笑い声が聞こえた。
何で笑うの?
そんな気分で視線を向けた僕に「頑張れ」って鮎川の口元が声を立てずに開くのが見えた。
鮎川の、見せるそんな余裕が僕をムッとさせる。
「鮎川も来いよ」
「えっ?」
僕に手を取られて鮎川が意外そうな表情を作る。
「蒼、鮎川が橘を誘ってくれるってよ」
「どうして、私なの?」
「蒼が失敗して、僕が誘って成功したら嫌じゃない?」
ヤダとか、気になるとかの言葉の代わりに眉間に寄せる眉。
小声で呟く僕の横で鮎川がムッとするように口を強く結んだ。
はじめの頃はクールに思えた鮎川が自然と僕に見せる素の瞬間。
僕に遠慮がちに漏れる感情が少しずつ増えていることに君は気がついてるのかな?
それが無性に僕をうれしくさせる。
「おい、こら、そこでいちゃつくな」
「いちゃついてねェぞ。誰のために休み時間を割いてるって思ってる」
「蒼が泣かないための計画を立てやってんだ、感謝しろ」
隣りのクラスの教室にずかずかと入り込む蒼。
手招きする蒼にしょうがなく教室に入り込む。
彼女に席に近付く僕ら3人。
一歩足を進めるたびにクラスの奴らの視線が集まる。
会話中の会話までと止めて注目を浴びているのが分かる。
どうぜなら廊下に呼びだせッ!
「キャッ」
蒼を飛び越して橘と視線が合ってしまった。
「今度の休み僕らとどこか行かない?」
ドンと橘の机が蒼の勢いのままに大きな音を鳴らす。
蒼が机の上に置いた右手の痛みを逃がす様に手を振るのが見えた。
「ブッ・・・」
笑を吹き出すのを作った拳で口を押える僕。
「笑うんじゃねェよ」
小さく僕に吐き捨てて、蒼が橘と真正面を見据えてる。
「僕らとって、道明寺クンと!!」
「鮎川と俺と道明寺と!!」
俺というところに一番力が籠ってる蒼。
「鮎川と橘って仲がいいんだろ?」
「小学からの付き合いですからね」
「鮎川を誘ったら愛結が行くって言ったらって言ったんだよ。だから4人で今度どう?」
そんなこと鮎川が言ったか?
「人数が多い方が楽しいかも」と鮎川は確かに言った。
「愛結ちゃん誘おうかな」って、言ったのは・・・。
蒼!
お前が僕たちの話に割り込んで橘を誘いたいって言ったんだろうがぁぁぁぁぁ!!!
話を作んなッ、てぇーの。
僕の横で困惑気味の表情を鮎川が浮かべてるぞ。
「私も、この前助けてもらったお礼がまだでしたから、よろこんで」
椅子から立ち上がる勢いで橘から返事が返ってきた。
「ありがとう」
橘の腕を握りしめる蒼。
「駿、良かったな」
振り返って蒼がつぶやいた。
良かったのはお前だろう。
僕に向けられるキラキラした視線。
どうするんだ!!
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
Gods&Death 様
ややこしくしてます(笑)
橘さんの性格、桜子と海を足して2で割ったような性格を想像中。
駿君にあしらうこと出来るかどうかが微妙です。