Perfect dungeon 12

つくしちゃんと司君。

会えたのにね。

どこで分かる?ばれる?

このドキドキ感はなんなんだろう(^_^)/

今回だけはドS注意報は発令しません!と、いうより出来そうもないですから~~~~~。

*

マルクがにこやかに談笑してる相手はおふくろ。

その横には牧野が緊張気味に佇む。

背後から差し込む月明かりが牧野の姿を照らす。

その姿を包み込むシルクのドレス。

華奢な肩を包んで身体のラインを浮きだたせてる。

慣れてねぇよな。

借りてきた猫。

落ちつかなく瞬きが多い。

必死に笑顔を作る表情は、大人びた姿には不似合いな初々しさ。

懸命に背伸びをしてる。

その姿にクッと胸の奥が収縮する。

本来なら牧野の隣りにいるのはお袋じゃなく俺の役目。

きっとマルクに俺の婚約者だと自慢げに紹介していたはずだ。

時間にしたら大した長さじゃない。

それなのに牧野に気が付いた時から後悔してる。

俺が衝撃的に姿を消したのは正解だったのだろうか。

もっとほかにやりようはなかったのか。

今さら後悔するな。

俺が死んだと見せかけた方が早く決着がつくと出した結論。

危ない目に合わせるのは俺だけでいい。

この件が落ち着けば道明寺財閥はゆるぎないものになる。

マルクが俺を手招きした。

いきなりおふくろに会わせんな。

俺だとばれないと思いつつ緊張してる。

「今度の件はすべて弟、アルフに任せてます」

任せてるって・・・。

アルフって?

おれ?

何時から俺に名前を付けた?

そんな話は聞いてない!

サングラスが無ければ焦った表情がばれていたはずだ。

「弟は日本語はあまりしゃべれませんので」

注訳まで付けられた。

俺に直接しゃべるなよってことか。

ふと気が付いたのは俺をじっと見つめる牧野の視線。

こいつにはさらりと日本語で話しかけてしまった。

誤魔化す様に隣に立つ通訳に話しかける。

「先ほどは失礼したと殿下がおっしゃってます」

日本語を日本語のまま通訳は真顔で牧野に伝える。

なんとなく・・・

牧野以上に刺激の強い視線。

衣服を素通りして丸裸にされてるような遠慮ない視線。

俺が視線を向けた途端に外されたおふくろの視線はマルクに移る。

心臓がドキンと鳴った。

気づかれるはずはない。

動揺を見せるな。

そして通訳を通して俺はおふくろに握手を求める。

お袋が発したアラビア語

「初めまして、道明寺楓で、こちらは息子の婚約者です」

アラビア語の理解できるはずもない牧野がお袋が自分に向けた意味を察知したように笑みを作る。

寂しさを押しこめるぎこちない笑。

そんな不安げな笑みを俺に見せるな。

お袋に続いて牧野の手を握る。

しょうがなく、アラビア語で短めに挨拶をかわす。

手を離す前に掌の中の牧野の指先にピクリと力が入ったのがわかった。

「どうかしたの?」

「い・・いえ、なんでも」

お袋の問いかけに牧野は目を伏せる。

俺の手のひらから抜け落ちたか細い指先を目が追う。

牧野が指先を愛しむようにもう片方の指先が包み込んでいく。

目を伏せたままに。

このまま抱きしめたいと思う憂いさ。

切なさが胸の奥を浸潤していく。

何時もの生命力の強さを見せろよ。

そうすれば俺はこの場を黙って立ち去ることが可能なのに。

何も言えなくて、無口になる。

「詳しい、商談は明日にでも、アルフの時間を作ります」

マルクが何かを察知したように雰囲気を変えた。

「できれば、このあとすぐにでも」

押しの強いおふくろの声。

マルクじゃなくて、俺に注がれる視線。

今から仕事の話ってありえねェぞ。

「時間がない」

言いかけた俺をマルクが俺の前に腕を出して止める。

「そう急がなくても」

「急ぐ必要が出来ましたので」

お袋の瞳が鋭く光った気がした。

ばれて・・・る・・・。

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拍手コメント返礼

みぽお様

楓さんにはかなわない気がする。

みなさんそう思ってらっしゃるようですね。

私もそう思います。(笑)

後の問題はつくしちゃん?

おかゆ

何時もと違う切り口のお話を書くときってドキドキなんです。

あと数話過ぎるといつものつかつくに戻る感じかな。