我儘な僕に我儘な君 3

翼君の恋バナから書き始めたこのお話。

ついでに舞ちゃんのお話を織り交ぜながらと何気に合体させたら、舞ちゃんの恋バナの方が主役に躍り出てきた感じです。

舞ちゃんというよりそれをしった司の反応が楽しみなんですけどね。

振り向くといつも佑がいた。

いつも私の側で・・・

いつも優しい笑顔で・・・

それが当たり前で・・・

それが当然だって思っていた。

クラスの女子が佑に話しかけて優しく微笑みを浮かべる佑。

誰にでもいい顔するんだから。

何時も見慣れたるはずの光景がやけに心をざわつかせる。

気が付くと佑を目で追ってしまってる私。

拓が私に笑顔を向けてくれた瞬間にそらす視線。

今の私はまともに佑と目を合わせることも出来なくなってしまってる。

「なぁ、舞。佑とケンカでもした?」

双子ってやつは厄介だと思う。

機嫌がいいとか、悪いとか、心の変化に敏感すぎる。

甘いものが食べたいって思ったら、食べかけのチョコを半分渡してくれる翼。

言葉にしなくても分かり合える事が多すぎる。

小さいころは楽しかったんだけど、今は困る。

「今の佑は嫌いなの」

「誰にでも優しいって言うか・・・いい顔しちゃってさ」

少し驚いたように翼が目を丸くした。

「なぁ、それって嫉妬してるようにしか聞こえないけど」

「なななんで私が佑に嫉妬しなじゃいけないのよ」

「へぇ・・・そうか・・・」

私の言葉なんて聞こえてない感じで翼はイタズラっぽい笑みを口元に浮かべてる。

「俺達、やっぱ双子かな」

「なによ!」

優越感を浮かべる翼の視線。

ドキッとした事を胸に押しとどめて反感気味の強気な声の私。

「自分の気持ちに気が付くのに鈍感だろ」

分かったような大人ぶった口ぶりの翼。

それは翼とすずなとのことで・・・。

自分の気持ちに気が付かず、不愛想な態度をすずに取ったり、無視したりしていた翼。

翼が好きでもない女の子といろいろ付きあっていたのもすずの気を引くためだったって、今なら思える。

私より翼の方が扱いにくいって思う。

「佑とは小さいころから一緒だから兄妹みたいなものなんだから、それ以外はない」

「それじゃ、佑が彼女を作っても問題ないわけ?」

膝を折って机の上にのせた腕に顔をのせて翼が下から私を覗きこむ。。

「な、なっなによ」

表情を盗み見られてるようで不愉快。

「佑に彼女が出来たら気にならない?」

「別に、気にならないわよ」

翼の視線に耐えきれなくて顔を背けた。

「佑も苦労するよな」

立ち上がった翼は仕方がないと言ったふうに肩を窄めて見せる。

そのまま翼は佑の方に向って歩き出した。

「へんなこと言わでよね!!違うから!」

慌てて席を立った拍子にガタンと大きな音が教室に響く。

翼は私に背中を向けたまま片手を了解とでも言う様に上にあげた。

翼と佑。

この二人が揃うと一気に教室の熱があがる。

一人でも十分に人目を引くのに、プラスじゃなくて数倍の効果に増大。

明るくて、物怖じしなくて愛想のいい翼。

気が利いて優しい雰囲気の佑。

二人とも目鼻立ちのクッキリした顔立ちでF4でならした親の血をシッカリ引き継いでる。

タイプの違う二人は英徳での人気を二分する。

女の子が積極的に、二人に話しかけてきても、

幼稚舎から見慣れてることで、今さら私が気に留めることじゃない。

「社交辞令あり過ぎでしょ、少しはお父さんを見習え」

二人には聞こえないはずの言葉を言って口を尖らせる。

社交辞令なんて皆無の父さんにいつも顔をしかめてる母さん。

父さんの代わりに笑顔を振りまくお母さんに顔をしかめる父さん。

父さんを見習えて思った私をお母さんなら笑って許してくれる気がする。

翼に腹が立つのか・・・

佑の腹が立つのか・・・

心の中がごちゃごちゃだ。

もう・・・考えるのやめた。

机の上に顔をうつぶせた。

これなら翼と佑を見なくてもすむもん。

問題はいつまでもこの体勢じゃいられないって事だ。

授業のベルが鳴るまであと何分残ってるのか。

3人が同じクラスだって事が悪いのよ!!

私の周りあるすべてに八つ当たりしてしまってる。

翼なんてキライ!

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拍手コメント返礼

Gods&Death 様

類に総ちゃんが子供たちの恋に絡んでくる。

気になる方多いようですよ。

この二人が出てくるとややこしくなりそうな気がします。(笑)

舞と佑!!

「ダメだ」ってこの二人も反対だったりして(^_^;)