秘書西田の坊ちゃん観察日記 48 (Perfect dungeon 番外編)
今回の西田さん日記は『Perfect dungeon 13』の番外編なります。
司君に騙されたと楓さんが気が付いた裏にはきっと西田さんの活躍もあると私は思うのです。
この二人がタックを組めばかなうわけないですよね。
代表が日本を発って10時間後一本の電話が急を告げる。
管制官から代表の乗ったプライベートジェットが消息を絶ったの知らせ。
たぶん今の時刻ジェットは海の上を飛んでいたはず。
本社に戻って情報を待つ。
レーダーから消えたジェット。
それが何を意味するのかは最悪な展開。
今日の代表の様子は何か違った。
「じゃーな」
何時もならつくし様と軽めに挨拶をして、「浮気すんな」「しないわよ」軽めの言いあい。
それが今回は、「外すなと」ファッションリングをつくし様の指に自らはめて、離れがたい態度で抱き合っていたお二人。
もう会えないみたいな・・・永久の別れ。
1週間後には会える予定です。
苦笑気味に心のなかでつぶやいていた。
相思相愛のお二人を見て嬉しい感情が芽吹いたものです。
代表は自分の運命を予感してたのだろうか・・・。
司様はどう考えてもそんなタイプではない。
代表の場合は飛行機が墜落しても大西洋を泳いで目的地に向うタイプ。
そっちの方が神がかりだが、納得してしまう自分がいる。
何かが可笑しい。
感じる私の勘。
想定できるいろんな考えを私の頭がはじき出す。
希望、願望、それは無事で有る坊ちゃんの姿。
飛び交う情報をパズルのように頭ではめ込んで不眠で迎えた朝。
捜索で見つかったジェットの破片。生存者の発見なし。
どうやら空中で爆発したの断片的情報。
絶望的な情報の中で一緒にいた楓様がため息を付く。
「あの子が、そう、簡単にいなくなるわけはないわよね」
それはまるで、ご自分を奮い立たたせるように聞こえる。
こんなに心痛な面持ちの楓様を見たのは私も初めてでかける言葉が見つからない。
「つくしさんを呼んでもらえるかしら」
「もしもの事態に備える必要がるから」
つくし様に連絡を入れる前にショックを和らげるために代表のご親友たちも呼び寄せる。
その合間にも集める情報。
「ジェットの爆発が事故じゃなかったら・・・」
呟いたのは楓様。
「すぐに調べます」
事前に爆発を察知していたら代表はジェットに乗ってないはずだ。
代表がいなくなれば今調べてる不穏な動きの首謀者は利を得る。
これを逆手にとって代表は姿を隠す。
「ありえるな・・・」
考えが確信に変わる。
すぐに飛行場のカメラの映像を確認。
ジェットの飛び立つ前に作業着に着換えた数名がジェットから降りた映像。
すぐ隣のべつな飛行機に乗り込むというおかしな行動を捉えてた。
飛行機の機体に大きく描かれた鷹の紋章。
見覚えがあった。
代表が1か月前から急速に連絡を取り合っていた中東の王国。
「資源の開発を、国の近代化に力を貸せって頼まれたんだよな」
「下調べもせずにですか?」
強引過ぎるほど事を進めようとしたのは、今回の計画を進めるためとしたら納得がいく。
「何かわかったようね」
楓様と顔を見合わせたのはつくし様にジェットの不明を告げた後だった。
そのすぐ後で届いた招待状。
せっかちすぎる・・・。
坊ちゃんらしいと言えばらしい。
「マルク王子の弟はまだ10代前半の少年だったと思います」
王子の訪日を告げるニュース映像。
「髭で人相を隠してるって考えたら、ピッタリよね」
「ハイ」
「西田、この招待を受けない手はないわね」
余裕の笑みを浮かべる楓様。
坊ちゃん、私を、のけ者にするからすぐばれるんですよ。
心配させたことに対する付けはしっかり払ってもらいます。
パーティーに楓様が同行させたつくし様。
何時もとは違う雰囲気で大人びた様相。
さなぎが蝶に変わる瞬間とはこのようなものかもしれない。
司様の心配して憂いで儚げな様子はいつもと違った印象を見るものに与える。
見るものが手を差し伸べたくなる。
それでも私はいつもの明るい太陽の様な微笑みのあなたが好きです。
「大丈夫ですか?」
「こんな時にどうしたら笑えるんですか?」
淋しげな思いをつくしをさせるのは坊ちゃんの本心じゃないはずです。
それでも計画を進める決心をしたのなら・・・。
坊ちゃんは道明寺フォールディングス代表としての成長を見せてるのかもしれない。
それなら、それで、私をだましたことは白紙にして差し上げます。
「心配かけたって、あのバカ、早く表れないかな」
「会いたいってこんなに思ったの高校3年の時以来だよ」
代表がアメリカに留学してつくし様と別れようとした時期。
あの時はつくし様以上につらい思いをした司様を私は知っている。
会いたい気持が願いに代わる切なさ。
ジェットの爆発はまだつくし様には伏せている。
そこまで悲観する情報を告げる必要はないのですから。
司様は頑丈です。
大丈夫じゃなく頑丈だと思う自分がなんとなく笑える。
「司様なら、大丈夫ですよ」
頑丈を大丈夫に変えて、ダメだと思いつつそうかけた声。
「西田さんって優しいんですね」
潤んだ瞳で小さく微笑みを見せるつくし様。
優しくなんてありません。
私は悪者になった気がした。
こんな役目は二度としたくない。
もっと、いい方法がなかったんですか!代表!
ここで許しかけた代表に芽生える反抗心。
少しでも早く坊ちゃんの正体を暴露させます。
一番効率のある方法で!
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
Gods&Death 様
西田さんを騙そうなんて無理ですよね。
最初から協力者にしとけば問題なかったと思います。^_^;
・・・が、面白い方向に行くとしたらこれだったんだすよね。
最初のシリアスはどうなった?ですけど(笑)
福岡は雪だったんですね。
宮崎は今日も晴天です。
そうそう、今日の昼から高校サッカー決勝。
シッカリ応援するつもりです。
かじい様
今回の西田さん日記はいつもとちょっぴり違います。
司というより今回はつくしに肩入れの西田さんですよね。
司は頑丈に同感ありがとうございます。(笑)