Perfect dungeon 14

おはようございます。

身近にインフルエンザの足音がひたひたと・・・

娘の通う中学では3年生から2年生へ次は1年生かなと言いながらマスクをかけて娘は登校していきました。

最低5日間の出席停止はつらいぞ~

うがいに手洗い厳重にやらせてます。

司の正体はすでにばれて、後はつくしちゃんが知るタイミング♪

なぜかそれが楽しみでなりません。

どんな流れを作ろうかなぁ♪

*

腰にエスコートするように回された腕。

絹越しにもわかる逞しい体つきがわかる。

無碍にその手を払えないのは道明寺フォールディングス代表、道明寺司の婚約者の肩書。

それが重い重石となって体を緊張が包み込む。

ここで王子の機嫌を損なうわけにはいかない。

道明寺のお母様の期待を裏切るわけないはいかなし・・・

期待って・・・

期待されてるかどうかは甚だ疑問。

まだまだ道明寺家の花嫁修業は始まったばかりだ。

切羽詰まってなきゃ私が一国の大使館まで連れてこられるのは分不相応な気がする。

気後れしてるわけじゃないが、今回なぜ私がここに連れてこられたかのワケも理解できてない。

素直に王子にされるがままになってるのはそれだけが理由じゃない。

洗練されたスマートさにはいやらしさがなくて・・・

スッカリ警戒心は解いている。

つーか、王子に注がれる熱い視線をモデルスタイルの大人な洗練された美女が惜しげもなく追ってくる。

私は邪魔だ。

王子から私は離れるべきなのかもしれない。

なんて配慮をどう見せるべきか模索してる。

それに、一人で会場の人目のない壁際でお母様が戻ってくるのを待つほうが気が休まる。

王子よりなぜか気になるのは、王子の弟だというアルフ王子。

アルフ王子の後に歩くお母様について行きたいと思った。

雰囲気が道明寺に似てる気がして落ち着かない。

尊大さと横柄さと自信に満ち溢れる態度。

何も言わなくても周りがすべて自分の思い通りに進む。

それが当たり前で人に頼むって習慣がない独特の雰囲気。

人の上に立つ人物って似てるのだろうか。

それに対等なお母様もさすがで見惚れる。

私が対等なのは道明寺だけで、対等というよりは対立気味。

もう一度言いあいしたいね。

ブルーになるな。

道明寺は元気に帰って来るんだから。

きっとすぐ会える。

きっと・・・

王子を道明寺だと思いたいのは私の願いが見せる幻だ。

道明寺の乗せたジェットの行方を必死で探してるのは道明寺財閥だけじゃない。

花沢類も西門さんも美作さんも、持てる情報網のすべてを駆使して探してる。

いまだになんの手がかりもないなんてどうなってるのか。

不安で押しつぶされそうになる。

「司じゃなくても抱きしめたくなるね」

「あっ・・・」

マルク王子の腕が私の腰を引き寄せるように動く。

中東の民族衣装のマントの中に抱き込まれてしまってる。

逃げなきゃいけないのに王子の口からでた『司』のネームが私の筋肉の動きを止める。

「道明寺を知ってるんですか?」

「アメリカの大学で一緒だったんだよ」

行方不明から気を使う様に話さなかった道明寺の話題。

消息を知る手掛かりじゃなくても心がザワツク。

「アメリカの大学の道明寺ってどうでした?」

「私の周りにあいつほど横柄で尊大で遠慮のない奴はいなかったよ」

道明寺が遠慮という言葉を知ってるかどうかはなはだ疑問ですけど。

「私は、司が気に入ってるんだ」

マルク王子の目が優しく笑う。

それはF3のみんなが道明寺に向ける瞳と何ら変わりがなくて私をホッとさせた。

さっきまでの緊張感が解けて私の心を軽くする。

マルク王子に包み込まれてる私を見たら道明寺はきっと不機嫌になるよね。

久し振りにクスッとした笑いが浮かんだ。

「今日は司は来てないんだね。久しぶりに会えると楽しみにしてたんだが・・・」

私の腰に手を置いたままの王子が会場の隅々まで見渡す様に視線を移動させる。

「今、日本にいなくって・・・」

出来るなら行方がわからないって伝えてしまいたい気がした。

王子なら私たちよりもっと大きな力で道明寺を探してくれるかもしれない。

「実は・・・」

ふわっと風がふいて露出した肌に夜風が触れる。

言葉をつづけられずにいる私から王子が離れた。

「アルフ」

にこやかな声が私の横を数歩通り過ぎる。

「話はすんだみたいだな」

親密さを見せるようにマルク王子がアルフ王子の肩を抱く。

その手を振り払って私に身体を向ける体勢をアルフ王子がとった。

王子からアルフと呼ばれた彼の視線・・・

サングラスに隠されて見えてるわけじゃないのに冷ややかに見られて身体から熱が奪われる気がした。

アルフよりウルフが似合う陰圧的なオーラを感じる。

私は・・・何かしたか?

「そっちの方はやけに楽しげだな」

低音に響き渡る低めの声。

道明寺よりは低めの声色。

それでも懐かしいって感じてる。

アルフ王子って、日本語があんまりしゃべれないっていっていたけど・・・

初めて王子に声をかけられた時も流暢な日本語だったって思える。

ウソ・・・?

日本語がしゃべれるって分るとまずいとか?ある?

交渉を有利に進めるために言葉が分らないふりで通訳を置くこともあるって昔道明寺に聞いたことがある。

それかな?

それでも、もっと王子の声を聴きたいと思ってしまう。

王子の口調がぶっきらぼうで、乱暴な言葉の使い方が道明寺と重なるから。

「あの・・・私、王子の何か気に障るようなことしましたか?」

「いや・・・」

あやふやな唇の動きと逸らされる視線。

無言のままに伸びてきた腕。

つかまれるッ!!

思わず目を閉じて身を引いて筋肉を硬くする。

ごめんなさい!

なにがなんだかわからないままに謝る言葉を叫びそうになってる。

私の横をシュンと一方に風が動く。

アルフ王子の手はマルク王子の腕を掴んでドスドスと地響きを立てるようにプールサイドの反対側に歩いて行った。

アルフ王子の不機嫌を向けた相手は私じゃなくマルク王子?

ホッと息を吐くよりは息を殺す様に呆然と二人を見送ってしまっていた。

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拍手コメント返礼

aimi 様

続きが気になって気になって♪

嬉しいコメントありがとうございます。

私もじつはこれ1本で書きたい気分なんです。(笑)

まだまだ気になるところは満載ですがこれがなくなっちゃうと面白くないですからね。

小出しにしていきます♪

yoppy 様

司と忍耐、似合わない組み合わせですが(^_^;)

何時も忍耐させられるのはつくしちゃんすからね。

娘は1年生です。

とうとう一年生にもインフルエンザが出たらしくて、戦々恐々。

受験生はもっと大変でしょうね。

頑張れ~~~~~。