Perfect dungeon 15
司君どうするんでしょう?
楓さんだけじゃなく西田さんも目を光らせて復讐?できる機会を狙ってる?
ぜひ狙って欲しいような気もするんですけどね。
シリアスはどうなってる!
*「母親は騙せなかったか」
俺に腕を掴まれたままのマルクが予想はついてたというような顔でニコリと笑顔を見せる。
「そんなことはどうでもいい、さっきなにしてたッ」
人の婚約者に!!
と言いたい追加の言葉は一応周りを意識して喉の奥に押し込んだ。
「どうでもいいのか?」
威圧的に光るマルクの鋭い目つき。
「どうでもいいわけじゃねェけど・・・」
憮然と言って唇を噛む。
機密漏えいに横領まがいの不明なお金の流れ。
全てはニューヨークの支社長が、かかわってる。
この奥に行きつかない間に先手を打たれる格好で俺の命が狙われた。
これで、俺がいなくなって、得する奴が首謀者だと白状したようなもの。
日本に居る誰か・・・。
浮かぶ顔はみんな一癖ある。
消息不明の事実は少しずつ上層部には噂となって流れてるはずで、ここで誰が最初に動くのか見極めるのが肝要。
まだ俺は消息不明じゃなきゃならない。
おふくろならうまく演技できるだろうが牧野はダメだ。
すぐ顔に出るに決まってる。
俺の婚約者を公に公表してるわけじゃないが会社の重役たちは少なからず知っている。
その重役の一人を怪しんでる俺。
牧野の人を疑うことの知らないお人よしの性格じゃ、接点をもたれたら一瞬で俺の計画が泡となる可能性があり過ぎだ。
「これ以上手を出すな」
「手を出すなって、アルフには関係ない女性だろ?」
「私の友の司の婚約者だ。丁寧に対応しないと司に面目が立たない」
「今のお前には無理だろう」
肩にポンと軽く手を置いてマルクが俺の耳に唇を寄せて小さくささやく。
振り払って握りしめた拳を肩まで上げる。
パンチに変わるところでガタイの大きな奴らが目の前で壁を作られた。
さすがに厳重。
「心配するな、ただの兄弟げんかだ」
アルフの声に促された波が引く様に鋭いオーラを放つ男たちはパーティー客の中に紛れ込む。
そいつら以外は誰も気が付かない睨みあい。
「心配するな、俺の好みはもっとボディーが、こう・・・」
両手で体の形を凹凸に作る手の動き。
やらしい~んだよッ。
「プッ」
吹き出した口元で好みが違うぞとつぶやく。
それはそれで牧野を卑下されたようで気に食わない。
「俺にとっては最高の女だ」
まじまじと顔を近付けてマルクが目を丸くする。
これ以上牧野のことをなんか言ったら今度は必ず一発殴る。
「心配なんか必要ない」
大人びた微笑を浮かべる落ちついたトーンのマルク。
そんなことは分ってる。
心配なんかしてねェ。
普段と違う牧野の雰囲気が・・・
牧野を騙してる罪悪感が・・・
一人で夜枕を濡らしてる牧野を想像して俺の胸を締め付ける。
あいつの横にいるのは俺のはずで・・・
振るえる肩を抱くのも俺の腕のはずで・・・
牧野を巻き込む必要なんてなかったはずで・・・
おふくろがすぐに牧野に連絡を取るなんて思わなくて・・・・
それが誤算。
本当に殴りたいのはマルクじゃなく牧野を悲しませてる自分だ。
「私がエスコートした方が安全だと思わないか?」
マルクが持っていたグラスの手をまえに動かして俺に示す視線の先で、男性数人に取り囲まれてる牧野が見えた。
「彼女は美人じゃないが、チャーミングだ。日本人女性は外国人男性には人気があるからな」
俺を安心させたいのか、煽りたいのか・・・。
マルクの目は楽しげに笑ってる。
「ばれなきゃいいんだよな」
吐き捨てて、通訳を呼んで牧野の側に向う。
クスッと苦笑気味のマルクを視線の先でとらえた。
「・・・マルク殿下?」
側近の怪訝な声。
「何でもない」
そして遠慮ない笑い声に変わる。
俺よりマルク、お前の方がおかしいんじゃないかって心配されるぞ。
マルクが俺を止めないことに生まれる余裕。
その俺を阻むように現れる影。
深々と45度に下がった頭。
整髪料でがっちり固めた短い髪の毛。
風が吹いても乱れないのは何事にも動じない無表情とガッツリの四つに組む。
下げた頭を上げる途中で銀縁眼鏡の奥がきらりと光る。
逆光の影響か?
ギクッとさせんじゃねッ!
西田!
思わず叫びそうになった。
お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
はるちゃん 様
コメントありがとうございます。
携帯メールもお返事ありがとうございました。
ココは西田さんの活躍に期待って♪
司君暴れそうじゃないですか。
「期待するなら俺にだろうがぁぁぁぁぁ!!」なんてね。
でもその気持ちわかるわ。
同窓会いかがでした?
同じ九州なんですね。
福岡の方は多いですよ。
おかゆ様
つくしちゃんに早く気が付いてほしい気持ちと司に焦らせたい気持ち
どっちが勝つ!!
競争じゃないですよね。
このハラハラ感をもう少し味合いたいのです。