Perfect dungeon 16

おはようございます。

西田さんも登場♪

司はつくしの前まで行きつけるのか?

西田さんの行動も気になるところですが、司どうするのだろう・・・(^_^;)

私が悩んでどうする!!

このお話の番外編 西田さんの坊ちゃん観察日記UPしました

*

私から離れていく二つの影。

なにやら楽しげな雰囲気のマルク王子に不愛想なアルフ王子。

マルク王子の隣りに道明寺がいたらきっとこんな感じだったのかもしれない。

アルフ王子にまた道明寺を重ねてる自分に苦笑する。

今は道明寺のことを考えちゃだめだ。

私はにこやかに、朗らかに明るく道明寺の代わりを務めなければならないのに。

そう思っても頭の中から道明寺のことが追い出せない。

左手の薬指から抜き取った道明寺とお揃いのファッションリング。

今は右手の薬指にはめている。

豪華とか盗まれそうで心配とか婚約指輪にギャーギャー文句を言った私に、日本を飛び発つ前に道明寺が俺とお揃いだと渡してくれたリング。

「牧野、なにがあってもこの指輪は外すなよ」

私を抱きしめた道明寺の温もりと力強い声が今も胸の奥に残ってる。

「どうみょう・・じ・・」

呟きながら指にはめたリングをクルッと人差し指と親指が回す。

少しゆるくなっちゃったよ。

指から抜け落ちってなくしそうでリングを薬指から人差し指にはめ直した。

どんどん婚約から遠くなっちゃうね。

道明寺が無事に帰ってきたら、道明寺の手でもう一度左手にはめてもらうんだからね。

道明寺がいない不安を身体から追い出す様に空を見上げて息を吐いた。

満天の星空をどこかで道明寺も眺めてるって信じてる。

「Д ☆ ℬ 〇 ****」

英語じゃなくて、フランス語?ドイツ語?なんだ?

聞き慣れない言葉に時々混じる早口の聞き取れない英語。

肌の色も瞳の色もさまざまな私を取り囲む多国籍軍

ここに招待されてるって事はそれなりの地位のある人達のはずで、それを考えたら無碍にできない。

とはいってもこんなに男性に取り囲まれたことがないから対応に困る。

王子と一緒にいたから何処かのご令嬢とカン違いされてるとか?

一人から差し出された グラスをぎこちなく受け取って頭を下げる。

どうやって逃げ出そう・・・。

つま先をたてて辺りを見渡して逃げるタイミングを探してる。

私から離れていたはずのアルフ王子がどんどん大きくなって近付いて来るのが見えた。

どす黒い雨雲が頭上に見える。

彼を見ない方がいい。

何度か瞬きをして外そうした視線が無意識に王子を見てる。

背中に炎を背負ったように見えるのは錯覚か?

どす黒い感情が私に向けられてるはずはないからこの中にいる男の人たちが原因?

王子の機嫌を損ねるなにをこの人たちはやらかしたのだろう。

いきなり重罰とか死刑とかじゃないですよね?

私はどうすればいい?

とばっちりで今回の仕事がうまくいかなかったら・・・。

焦りと不安でうまく呼吸も出来なくなってる。

近付いていたはずの王子が私の視界から消えた。

紺のスーツが目の前をおおう。

その後ろ姿は見覚えがある。

ピンと背筋の伸びた姿勢の良さ。

「昔、バレエを少々」

「冗談です」

表情を変えずに頭を下げた西田さんに笑えなかった記憶。

西田さんーーーーッ。

思わず抱き着きたくなるような存在感。

ツカツカと王子の前に進み出て西田さんが頭を下げる。

その間から見えた王子に気まずそうな表情が読み取れる気がした。

一国の王子にかも煙たがられる西田さんって凄い。

この場を離れるなら今!

「すいません」

頭を周りの男性に下げた西田さんを追う。

「西田さん、来てたんですね」

「御疲れではないですか?」

王子と私の間に立つように西田さんが立ち位置を変える。

「つくし様を連れて帰る様に会長から申し付けられましたので探していました」

「それでは、アルフ王子。私たちはこれで失礼させていただきます」

落ちついた物腰で軽く西田さんは王子に頭を下げる。

身動き一つしない王子が大きく息を一つ付いた。

西田さんに促されて王子の横を通りすぎる手前で私も頭を下げる。

ヒャッ!

慣れないヒールのかかとがグラッとしてガクンと崩れ落ちそうになる身体。

目の前に迫るプールの水面。

落ちるッ・・・。

バシャンと上がる水音とずぶ濡れの自分を覚悟してガシッと瞼をつぶった。

バシャ・・・の音も、冷たさも何も感じない。

感じるのは胸元を押さえつける力強さ。

「大丈夫か?」と聞こえた声。

よろけた私をアルフ王子の片腕で支えられていた。

それもムネッ・・・。

それなりにはあるふくらみがしっかり王子の腕の上に乗っかってる。

背中から回された腕がしっかりと私を抱き寄せてすぐに私をたたせると離れていく。

王子の腕の中の温もりが道明寺に抱き締められてるみたいでドクンと心臓が鳴った。

「気を付けるんだな」

道明寺・・・

不愛想な声は「バカ」とか、「たくッ、目が離せない」とか続かないの?

だからこの人は王子だって!

言い聞かせても王子と道明寺が重なって、道明寺に思えて胸が熱くなる。

「道明寺・・・?」

呟いた声は小さすぎて、自分でも聞き取れない弱さ。

そのままと何もなかったように歩き出す王子に胸がキュンとなる。

だから道明寺じゃないって!

思い直すたびにドキドキと高鳴る心音。

壊れそうだ。

身体が熱くなるのを感じて手の平が触れた頬。

熱い・・・。

なんでこんなに王子にドキドキするのッ!

道明寺に似てるって思ってるだけだから。

「アルフ」

数メートル先でアルフ王子の腕に親しげに腕をまわす女性。

身体のラインを強調するような艶やかなドレス。

一瞬で周りの視線が二人に集まってる。

二人の姿に胸の奥がザワツク。

道明寺に似てるってだけだ。

なのに、心が落ち着かない。

自分の感情が、心が、自分じゃどうしようもないところでイラついてる。

これって・・・

王子が気になってるって事?

嫉妬?

違うってッ!!

私は道明寺が一番好きなんだから。

お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

aimi 様

うれしいです。

そんなに楽しみにしていただいて(/_;)。

なるべくメインでUPしていきますね。

ほかのお話が~~~~~~~~。

早く甘々な二人まであとなん話でしょう?

そう遠くはないと思ってます。

おかゆ

アルフ王子にドキドキしてるつくしちゃん悩んでるでしょうね。

それをしったら司はどうするんでしょう?

やっぱ嫉妬するんでしょうか?するでしょうね(笑)

はるちゃん様

私も何気ないコメントのやり取りを楽しませてもらってます。

ちょっとしたつながりが持てることがうれしいのです。

西田さんが加われば未来は明るい!!

かな?(^_^;)

司には試練かもしれませんけどね。(笑)