秘書西田の坊ちゃん観察日記  (Perfect dungeon 番外編2)

月に2回目の西田さん日記は久し振りです。

Perfect dungeon が、ただいま拙宅の人気1番なのでいろいろ書きたくなるんですよね。

新しい構想のお話はいつ発表できるのだろう・・・。(^_^;)

このお話は Perfect dungeon 16の番外編 となります。

「司が我慢できるうちにつくしさんを連れて帰った方が無難だわね」

「私もそう思います」

楓会長に指示を受けた10分後・・・。

男性に取り囲まれたつくし様にめがけて、猪突猛進的なアルフ王子に変装中の代表を目撃。

俺の牧野に手をだすなとか・・・。

話すな!触るな!近づくな!

坊ちゃんの嫉妬の中身は大体こんなこと。

自分が蒔いた種ですよ。

シッカリと実を付けてから刈り取っていただきたいものだ。

つくし様を背中で隠す様に司様の進路に立つ。

西田、なんでおまえが!

・・・と、言いたげな驚きの表情はまるでハトが豆鉄砲食らったよう。

司様にハトは似合いませんが・・・。

会長がご存知なら私へばれてることは想像はつくはずです。

「何か、ご用でも」

軽く腰を折って、ちらりとつくし様を視線を向けて坊ちゃんと対峙。

「お前がしっかり牧野についてねェからだろうが」

ふて腐れた表情がサングラスの奥に見えるよう。

怒りをあらわにしないところは成長されたと認めます。

「おかしなことをおっしゃいますね」

「アルフ王子が司様の婚約者に気を留めていただくことはないと思いますが」

あくまでも司様ではなくアルフ王子として対応する。

「俺だと気が付いてるんなら、俺のムカつきをどうにかしろ」

「つくし様が相手にしませんよ」

「バカ、あいつは自分がナンパされてるって気が付かねェよ」

私と会話を交わす間もそわそわと坊ちゃんの視線はつくし様に注がれる。

「それが、人に物を頼む態度ですか?」

サングラスの奥で坊ちゃんはどんな表情を浮かべてるのか・・・。

「このままだと知らないうちにお酒を飲まされてどこかにつくし様が消えるということも・・・」

「西田ッ。お前さっき言ってたことと違うだろうがぁッ」

唇を噛んだのは悔しさの表れか?

今回私をのけ者にしたことを反省していただきたいものだ。

「頼む」

相変らずの尊大さは残したままにつぶやく声。

「そんなに愛想良く頼まれてはしかたないですね」

これくらいの皮肉はご容赦いただきたい。

ぼっちゃんに背中を向けて男性の輪の中におぼれかけてるつくし様に向かう。

強張る表情で坊ちゃんの見つめるつくし様の視線を遮る様に身体を入れた。

これ以上つくし様がアルフ王子を凝視して、その正体に気が付かれたらそれこそ大変ですから。

そして、初めての様にアルフ王子と対峙する。

中々の演技者だとわれながら思う。

「これ以上つくし様に近づいたらばれますよ」

坊ちゃん・・・、アルフ王子に釘を刺してる途中でコツコツと近づいてくるパンプスの靴音。

「西田さん、来てたんですね」

「御疲れではないですか?」

ぼっちゃんとつくし様の間に立つように立ち位置を変えてつくし様に声をかけた。

男性陣から逃れてホッとしたような表情を浮かべるつくし様は、やはりかわいらしいお方だ。

「つくし様を連れて帰る様に会長から申し付けられましたので探していました」

「それでは、アルフ王子。私たちはこれで失礼させていただきます」

下げた頭を上げる途中で聞こえた坊ちゃんのため息。

それは自分の押し殺した感情を逃がすように思える。

サングラスの奥で光る瞳はどれだけの悔しさを秘めてるのか・・・。

それを表に出せずに押し込める坊ちゃんのエネルギー。

大変でしょうね。

私に心配させた罪はまだ足りませんよ。

この年で眠れぬ夜を過ごすのは身に染みるんです。

体調が戻るのに3日はかかるんですから。

先に行くようにつくし様を促した私の目の前でつくし様が視界から消えた。

パンプスに足を取られて倒れて坊ちゃんに助けられる偶然。

そうあるもんじゃない。

べつな男性に助けられるつくし様を坊ちゃんが目撃するよりは平和だと分かる。

この流れでこの展開を見せるのはこの二人のつながりの深さなのだろうか。

出来過ぎでしょう。

これでばれたらどうするんですか!

「大丈夫か?」

聞こえた坊ちゃんの声。

少し低めの声色。

これ以上しゃべらないでいただきたい。

ドクンと心臓が跳ねる。

「気を付けるんだな」

つくし様を抱き起して聞こえた二度目の声

坊ちゃん・・・

あなたはバカですか?

自分でどうしてそんなに傷口を広げるのか・・・

横には通訳もいるというのに!

この状況で通訳を使うというのもおかしな話ですが、それくらいの機転が利く坊ちゃんなら私も苦労はしない。

坊ちゃんを見つめるつくし様の熱い視線。

いくら鈍感なつくし様だとしてもここは愛する坊ちゃんのはずで・・・。

「道明寺・・・?」

かすかに聞こえたか弱い響き。

バレタカ・・・。

この後のフォローは・・・

つくし様が何か言う前にここから連れ出して、理由を話すしかない。

「つくし様・・・」

呼びかけた声はつくし様の耳に聞こえてない。

坊ちゃんに早く立去る様に目くばせして追い払う。

坊ちゃんが歩いて行ったその数メートル先で女性が坊ちゃんの腕にまとわりつくのが見えた。

チラリと見えたつくし様の頬がわずかに高揚するのが分かる。

ここまでか・・・

「だから、道明寺じゃないって!」

自分に言い聞かせるように聞こえたつくし様の声。

この状況でばれてない・・・。

純粋なのか・・・鈍感なのか・・・。

奇跡だ。

可愛い方だ。

アルフ王子を坊ちゃんだと心は気が付いてるはずなのに頭はそれを必死で否定してる。

動揺は体中からとめどなく零れてる。

今日一日でどれだけの心の格闘が繰り広げられてるのか。

ぼっちゃん、あなたは幸せ者です。

わずかに緩んだ頬をキュッと上にあげるように頬に力を込めた。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

はるちゃん 様

ココはやっぱり西田さん日記!の熱い期待を感じるんですよね。

西田さんがさりげなく事がうまくいくように司をフォロ♪

今回はすこし意地悪ですがこれにも愛を感じちゃうんですけどいかかでしょう?

続き早々にUPできるように頑張ります。

ままる 様

つくしちゃんには西田さんがお似合いかも・・・

「えっ!」

強張るつくしちゃんを思い浮かべちゃいました(笑)

司は「いい年したおっさんが俺のに手を出すんじゃねェ」とすごみそう。

それに顔色を変えないで西田は対応できるんだろうなぁ。