秘書西田の坊ちゃん観察日記  (Perfect dungeon 番外編5)

Perfect dungeon のお話は西田さんの存在抜きでは語れなくなりました。

要所、要所で存在感を示す有能秘書。

司が勝てる日がいつかは来るのだろうか・・・。

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今回の出来事はきっと一生忘れられないと思います。

道明寺の邸宅につくし様を送り届けてようやく安堵のため息が漏れた。

本当に今回の坊ちゃんの策略には驚かせしまいました。

自作自演だと確信が持てるまで心配をさせられたのは言うまでもありません。

実在しないマルク王子の弟の存在を掴んでアルフ王子をこの目で見るまでどれほどの心労があったことか。

もう二度とごめんですからね。

アルフ王子を司様だと気が付かずに敵だと思うつくし様の鈍さには私も少々驚きました。

それも司様にはいいクスリと放っておきましたが、アルフ王子をつくし様が敵だと認識された時は、さすがに司様が哀れに思えたものです。

「常務を脅す」

「あいつは気が小さい小心者だから罪の意識に耐えられなくなるぞ」

脅す内容が顔から血を流して幽霊で脅す計画を聞いた時は、は本気ですかと確認したくなった。

内心子供じみて無理だと思ったものです。

就業時間の過ぎた常務室。

常務が一人でいる時間を狙って窓に移しだされる。ずぶ濡れの姿の頭から血を流す代表。

冷たく凄む目つき。

罪の意識がなくても驚かす能力は有ると認めました。

腰を抜かした常務がこの仕掛けで全部白状したのは予想外の展開。

司様を脅すには100年過ぎてもまだ早い小物で助かりました。

自分の部屋にいるつくし様と一晩過ごされたら明日の朝は足の底が地上につかない状態での出勤ではないのだろうか?

見た目は平常心でお願いしたいと願いながらエントランスの前で待つ午前9時。

現れた代表は爽快なすっきりとした表情を浮かべる。

こんなに露骨に感情が分かりやすいのもつくし様のことに限ってのこと。

つくし様の存在は司様の扱いにくい性格に扱いやすい部分をいくらか作り出してくれている。

私が行動しやすくなっているのは間違いなく司様の愛情を独り占めしてるつくし様の存在。

自分中心の感情がつくし様中心に変わっていることを坊ちゃんは気が付いているのだろか・・・。

つくし様と過ごす時間が坊ちゃんの人間らしい感情を徐々に引き出してくれていると感じてる。

「・・・代表だ」

「行方不明じゃ、なかったんだ」

「やっぱり私の道明寺司様は不死身なのよ」

「何時から代表があなたのモノになったの」

「婚約者が妊娠したというのは本当かしら?」

何時もより遠慮なく代表に注がれる社員視線。

「西田、俺の噂をどこまで流したんだ」

社員の妊娠に敏感に反応してふて腐れ気味の声。

威圧的な感情ではなく拗ね気味の声がなんとも心地いい。

妊娠に敏感に反応を見せるのも、それがどれほど坊ちゃんが心を痛めたかはが想像できる。

そのくらいの仕返しで済んで良かったんですよ。

一瞬でも司様の安否を心配した楓様と私とつくし様の気持にはまだ届いてないのですから。

「つくし様が妊娠してるという噂が一番重要でしたから」

すげなく言った私に不満げに唇を鳴らす坊ちゃんは、それでも久しぶりに見せる機嫌のよさを見せる。

「いいことがあったようですね?」

「おう」

機嫌のよさがそのまま張り付いた笑顔

「おはようございます」と聞こえた女子社員の声にその笑顔のままに振りかえって「おはよう」と代表が声を返した。

何時もと違い過ぎです!

クール。

何事にも動じない冷めた視線。

・・・が・・・。

人が変わったように穏やかな柔らかい笑みに女子社員が蕩けそうな表情を浮かべる。

つくし様の前ならもっと魅了する表情になるのだろか・・・。

坊ちゃんのしあわせそうな笑顔を見れるのは私も幸せです。

「今日は100馬力で頑張れるんじゃないですか?」

「姿を隠した間の仕事も溜まってますからね」

ギクッとなった坊ちゃんの表情。

意地悪く言った自分がおかしくてしょうがない。

「つくし様を御邸にお連れした甲斐がありました」

何か言いたげな坊ちゃんを追い越してエレベーターに乗り込んだ。

エレベータにズカズカと乗り込んでテレを隠す様にcloseのボタンを押す坊ちゃん。

笑をこらえるのは限界が近付いている。

執務室の中央デスク。

正面に背を向ける坊ちゃん。

照れくさく笑ったと思ったら何とも言えない恍惚の表情を浮かべる。

どこで声をかけるべきか・・・。

ヘタのところで声をかけたら機嫌を損ねる可能性もある。

坊ちゃんの想像の区切りがいいところを見つけるのは骨が折れる。

「ふー」

ため息が聞こえたところで「代表」と声をかけた。

空港でのマルク王子の見送り。

今回の提携の締めのパフォーマンス。

一国との提携は道明寺フォールディングスにとって有益な事業となるるはず。

マルク王子との友情の抱擁に司様に熱い視線を送るのは報道のカメラだけじゃなくべラ王女の視線も含む。

アメリカの生活の長いべラ王女のスキャンダラスな写真は事欠かないセレブの一人。

世間を賑わすハリウッドスターとのキスの写真に抱きあう写真。

一つ二つじゃないのは把握済み。

強引に引き寄せられた代表の唇に触れる王女のキス。

別れの挨拶もスクープ写真として世界を駆け巡る。

呆然とした代表の表情。

きっと頭の中はつくし様への言い訳に占領されてるに違いない。

「某国王女に道明寺ホールディングス 代表、熱烈なキス、この文字が載らない事を祈りましょう」

表情を壊さない様に頬に力を入れた。

「西田、俺じゃなく、キスしてきたのはあの女の方だ!」

「王女からより代表からの方がインパクトがあると思いますが・・・」

「記事を止めろ!」

「記事を止めても、今はすぐにネットに流れますから」

慌てる代表を見ながらまだ、今回の仕返しを楽しんでしまってる。

すいません。

楽しんでしまってます。

つくし様へのフォローはしっかりさせてもらいますから。

代表に不安なく仕事をしてもらうために。

緩みそうになる頬にキュッと力を入れて代表に背中を向けた。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

ことり 様

幽霊のお話も何とか挿入できるように頑張りましたよ♪

西田さんも内心は表情を崩さない様に必死でしょうね。

それに気が付いてるのは楓さんだけだったりして。

王子、王女バージョン。

これで終わりにするのは確かにもったいないとは思ってるんですけどね。(^_^;)

庶民デートも面白いですよね。

カラオケかぁ。書いてなかったな。

Gods&Death 様

客観的にそして冷静に司君を分析できるのは西田さんですよね♪

根本には愛情がしっかりありますからね。

楓さんの嫁に対する嫉妬も織り込んだお話。

何時かは・・・(^_^;)

やなぎ様

西田さん抜きでは語れない我が家のつかつく♪

原作よりドラマより重要?需要?人物になっちゃってます。

あずきまめ様

つかつくの側で西田さんもアンドロイドから人間の心をしっかり取り戻していますよね。

ただ表情に現れないだけで~。

ピクッと一ミリは表情が動いていそうですけどね。

b-moka

雨で桜が散るのは淋しですよね。

西田さんがいるから二人が何をやらかしても安心して動かせるんですよね。

西田さんがいなかったら・・・。

話の幅が狭まる気がします。

いの様

原作ではほぼ楓さんの金魚のフンですものね。

存在が完全に楓さんの引き立て役。

ドラマでは楓さんの指示を実行しながら司君をサポートする存在。

これがどんどん成長して我が家の西田さん言繋がってるんですけどね。

ラビ西田に感謝してます。