Perfect dungeon 17
今のところアルフ王子の正体に気が付いてない鈍感なつくしちゃんに助けられてます。
司は内心「気がつけ!!」と思ってたりしてね。
*「離れろ」
右腕にまとわりつく腕を振り払う様に身体を大きく横に振る。
派手なネールの色が七色の線になって離されない様にシルクの生地にまとわりつく。
香水の匂いがどうしようもなくイラつかせる。
何もかも気に障ってしかたない。
西田の理解しすぎた澄ました顔も・・・。
俺に抱きとめられてほんのりと頬を染めた牧野。
肌で感じるあいつの息遣い。
ここまで接近すれば・・・
何か感じるところがあるんじゃねェのかよ。
腕に感じた牧野の柔らかい弾力。
両手でこのまま抱きしめたいと感じた欲望。
押しとどめたのは西田の鋭い視線。
俺のSPより迫力を感じた。
右腕に全ての牧野を感じ取って甘く切ない感情が体中を駆け巡る。
今日は右腕を抱きしめて、牧野を感じながら眠ろう。
そう思っていた矢先に押し付けられた牧野よりは一回りは大きく感じるふくらみ。
折角の牧野が汚される。
俺に触れるな!
折角の牧野が・・・
逃げた。
「冷たい態度を取られるのも好きなの」
俺の不機嫌さを気にも留めない顔で微笑むマルクの妹 べラ。
こいつも牧野とは違った意味で鈍感。
「俺はお前には興味がない」
「そんなこと言わないでよ、お兄様」
甘える様な表情を向けられてもなんの感情もわかねェ。
これが牧野ならどうしようもなくうれしくて我慢できなくて、幸せな微笑みを浮かべてギュッとあいつを抱きしめてる。
「道明寺」
嬉しそうに微笑んで名前を呼ぶ声。
思い出すだけで自然と口もとがほころびそうになる。
「嬉しそうにしてる」
俺を下から覗きこんでクスッと満足そうに笑ったベラ。
今は一応は妹の設定だと自分に言い聞かせる。
「お前に笑ったんじゃねェよ」
「照れなくてもいいから」
「勘違いすんな」
伸びてきた手につかまれない様に数歩飛んで逃げた。
チラリと視線が捉えた牧野。
見られてねェか?
そのまま踵を返して小さくなる背中。
肩をイカらして歩いてる。
怒ってる?
俺とべラを見て嫉妬?
俺のこと気が付いてんじゃねェか!
ヘタな演技しやがって。
いつも牧野を抱いてる腕で抱きとめた。
とっさに助けようと自然に出た腕。
ホッっと表情が俺を見つめて、どうしようもなくかけた声。
あいつが愛してる俺のことに気がつくのは時間の問題。
やっぱ、だよな?
俺が騙したのを、怒って気が付かない振りをしてるとか?
ここは、「心配したんだから」って涙でクシャッとなって俺に飛び込め。
「ごめん」
謝って牧野を慰めるように髪を撫でて落とすキス。
そのまま甘い余韻が二人を包みこむ。
これ、どうだ!
「司の婚約者って彼女なんだ」
俺の後ろから覗き込むようにべラが牧野に視線を送る。
「見るな」
「私は気にしないから大丈夫よ」
さっきより甘ったるい声で嬉しそうな笑みを見せる。
こいつ・・・
牧野を見て傷ついた自分を俺が気にかけてると過大解釈してねェか?
「俺にこれ以上近づくな」
べラを置き去りに牧野の消えた方向に早足で向かった。
抱きしめて、牧野が許すまで言い訳するから戻って来い。
俺らしくない気持ちを胸に秘めながら牧野の姿を求めて追いかけた。
どこにいるんだッ!!
相変らず逃げ足が早ぇんだよ。
お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
Gods&Death 様
おはようございます。
陰謀はどうなってるのよ~
そこですよね。
結局どんな悪事も司が俺さまで押さつけそうですけどね。
ここ数日寒いですね。
早く体調が戻るといいですね。
お大事に。
私も気をつけなくては。
aimi 様
二段構えの不意打ち。
たま~にありますのでお見逃しなく♪
よろこんでもらえて頑張った甲斐があります!
司はつくしを掴まえることが出来るのでしょうか?
あい様
全ての話で楽しんでもらえるとうれしいです。
はるちゃん様
べラちゃんの役割は?
スパイスになるのか!
司が全然相手にしないってことが分ってるから楽しめるんですけどね。
西田さんに激ラブ!
司: 「主人公を差し置いて、いい気になるなよな」
西田:「日記では私が主人公ですから」
司: 「もう絶対書かせねぇ」
西田:「それは坊ちゃんが決めることではありません」
こんな会話があったとか、ないとか・・・(^_^;)