St. Valentine's day (手作りチョコ)

バレンタインのお話を一つ。

明治チョコの友チョコ篇バージョン。

どう見てもこれはつかつくにしたら雰囲気は絶対に違う。

ヤッパリ駿君と舞ちゃんですね。

つかつく篇ならどうなるか!?それもたのしいような気がします。

*

部屋のドアを開いた隙間から零れる甘ったるい匂い。

ボールを抱えてかき回してる舞が見えた。

舞の真剣な表情を久々に見た気がする。

「えーと」

レシピを探す視線。

「ほら」

レシピを舞が見やすいように開いて持つ。

「ありがとう」

視線の先が俺の持った料理の本の文字を追う。

「お前ちゃんと作るんだな」

照れくさそうに笑った顔でちらりと俺を見つめた視線が蕩けたチョコに移る。

「いつも一緒にいるけど伝わんないから」

ゆっくりとチョコを混ぜながら誰のことを想ってるのか幸せそうな笑み。

舞もいつのまにそんな表情を浮かべるようになったのか。

成長する妹にお兄ちゃんは少しさびしいぞ。

「だからチョコがあるんだよ、きっと」

それでも舞が女の子らしい雰囲気を見せるのは嫌いじゃない。

「お兄ちゃんは今年もいっぱいもらうんじゃないの?」

照れくさそうに顔を上げないままの舞。

「直接もらうのは全部断ってるぞ」

「鮎川さんのを除けばでしょ?」

からかうように軽い笑いを口元に浮かべる舞。

「誰に、チョコを贈るのか当てようか?」

対抗するようにからかい気味に舞のおでこを指ではじく。

最近佑の名前が出るだけで落ち着くを無くす舞。

佑が遊びに来るとわざと無視するような態度。

それなのに視線は佑を探してる。

わが妹ながらわかりやすいやつ。

目の前の顔が眉を眉間に寄せてガシッと目をつぶったままべろを出す。

「味見」

ボールに指を入れてすくったチョコを舐める。

「やめてよね」

ボールを隠す様に舞が身体を半回転させた。

「味はいい」

クスッと笑う俺に「ホント?」と舞が覗き込む。

「佑も悦ぶんじゃないの?」

「違うもん」

真っ赤になったまま膨れる頬で強く否定しても説得力なし。

「そうか」

笑いながら舞の頭をクシャっと撫でた。

「ハイ、お兄ちゃん」

バレンタインの朝、期待してたものは渡されることなく素通りされた。

手伝ってやっただろう!

去年までは俺にも翼にも父さんにもあったよな?

急いで舞がチョコを作っていた部屋に行く。

清潔に片付けられた部屋。

「俺にはないの?」

探してがっかりしてる自分に苦笑。

窓からスキップしながら制服で車に乗り込む舞が見えた。

父さんだけにはチョコを贈れよ。

そうじゃないとあの人は本気で拗ねるぞ。

今年の俺のチョコは菜花と母さんの二つだけ・・・。

舞、頑張れよ。

あーーーこんなお兄ちゃんいたら彼氏なんていらないよ~~~。

と思った私。

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拍手コメント返礼

アーティーチョーク 様

舞ちゃんのチョコは一つだけ?

つくしの子供ならこっそりと駿君の部屋にチョコが隠してあるかも♪

司には手渡しで~

この後のお話も一つできそうですよ。