DNA で苦悩する 36
最近駿くんの影が薄い・・・。
パパとママの大学時代のドタバタに気を取られ過ぎの感が・・・(^_^;)
今日は気分を変えて!!
気持はパーファエクトダンジョンに80%取られている私です。
*優雅に尾ひれを揺らしてゆっくりと水槽の中を巨大なサメが泳ぐ。
少し離れたところで小魚の大群の鱗が光りを受けてキラキラと輝く。
広大な海の中を縮小した世界。
隠れたところで繰り返される弱肉強食の自然の摂理はこの中では壊れてる。
平和な世界。
今の僕はきっとこの水族館の中の一匹と大して変わらない時間を過ごしさせてもらってると思ってる。
管理されるのが嫌で飛び出したはずの世界は、結局、父さんの手の内の中だ。
制限された範囲の中でも自分なりに楽しめる空間が作れることを鮎川や蒼といると感じ取れる。
サメの横で忙しく身体を左右に動かしてついて回る魚。
どこの世界にも媚びるやつはいるもんだなって改めて思う。
会社で部下を引き連れて横柄に指示を出す父さんを思い浮かべてしまった。
あの父さんならサメも寄り付かないかもしれない。
「駿、おまえんちってバカデカい水槽置いてそうだよな」
考えが水族館からちょっと飛びそうな僕に、片腕を僕の肩に回しながら横から蒼に顔を覗きこまれた。
「道明寺君て熱帯魚とかに興味あるの?」
ここで僕のプロフィールを知らない橘が興味ありげに呟く。
「さすがにそれはない」
魚が飼いたいなんて言ったら母さんの反対を押し切って庭先に水族館が出現する。
それくらいのこと難なくやるんだよ。
うちの親!!
少し興味を持って言ったことがどれだけ大きくなるか予測不可能な親を持つと子供は何も言えなくなる。
ゆっくりと通路の順に進む人の流れに押されながら僕らも足を運ぶ。
蒼が橘の腕をとって足早に動いた。
彼女らは気が付いてないつーか、見られてない隙をついて、『じゃーな』と軽めに動いた蒼の口元。
「離れちゃうよ」
前を行く二人に気が付いた鮎川が僕のシャツの裾を掴んで引っ張った。
「少し、二人でいたいんだけど」
鮎川に掴まれたシャツの裾から熱が伝わってシャツが焼けそうな錯覚。
自分御の言葉に照れて急に頬が暑くなる。
薄暗いライトの明かりじゃ鮎川に見られる心配はない。
その余裕で鮎川の腕をとって列を抜け出す様に足を一歩後ろに引いた。
「別な通路から進まないか?」
わずかに触れた指先から思い切って力を入れた指が鮎川の手を握る。
鮎川の表情なんて見る余裕なんてなくなってそのまま強引に蒼達と違う方向に歩いた。
抗うそぶりの見せない鮎川に足早になる僕。
「愛結に文句を言われたら君のせいだからね」
僕の歩みを止めるように鮎川の足が止まって踏み出した足を後ろに引き戻された。
「鮎川以外なら恨まれても文句を言われてもどうってことない」
僕をまじまじと見つめたその頬がわずかにほんのりと変わった。
いつの間にか水槽を離れて明るいロービーのライトの下。
きっと鮎川を見つめてる僕も照れくさい表情を見られてるはずで・・・
やばっ・・・。
鮎川とつないでた手のひらが汗で湿り気を帯びてる。
その中でキュッと鮎川の指先が僕の手のひらを握り返してくれていた。
ここから僕は、魚を鑑賞する気にもなれず、鮎川の表情を追ってしまってる。
イルカやペンギンにラッコ、何を見てもかわいいと目を細める鮎川の方が目を引く。
時々僕に同意を求めるように送られてくる無邪気な表情。
君の素直なうれしそうに微笑む表情の方が可愛いって思う。
今の鮎川を誰にも見せたくないって、確かにそう思った。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
まめすけ 様
ちらちらと司のDNAが~見え隠れ♪
タイムマシーンでいってPerfect dungeonを読み切りたいって、私も見たい!
そしたら今日にでも終了できますよ~♪
おかゆ様
久々にお届け出来ました。
つかつくにはない恋模様のお話で~♪
あさみ様
>駿君って容姿は司君、性格はつくしちゃんそっくりって思ってたけど、やってることは(強引・威圧以外)司君の学生時代と同じだ。
私もそう思います。
駿君んも一筋になるのかなぁ・・・。