パズルゲーム 8

寝る間を惜しんで働く坊ちゃん。

「身体を壊しますよ」

珍しく西田さんが心配したりして・・・(^_^;)

チラリと想像して楽しんでいます。

昨日UPした『Perfect dungeon 27』最後まで私の頭の中で争った二者択一のストーリーがありました。

ボツにしたお話は別館UP中

この艶やかさは半端じゃない。

艶やかって、普通女性に対する形容詞じゃないのか?

艶やかだと評されるのは源氏物語の中の光の君と頭の中将の舞。

もう一人足らないところは頭の中で誤魔化す。

一人あぶれても3人は笑ってくれるに違いない。

平安絵巻の中でもきっとこの人たちは色あせることなく輝いてるって思う。

魂を抜かれたように見惚れてる表情が並ぶ花沢物産本社エントランス。

平安時代の宮廷内で御上の前で披露される舞のごとく一点集中。

なんか頭の中に聞いたことも見たこともないはずの縦笛と鼓と琴の音まで響いてきた。

「久し振りにみんなで食事でもしよう」

軽く言って私の肩を抱いた美作さん。

葵さんに言いつけるぞ!

そんな私の視線をモノともせずにさわやかに笑みを作る美作さん。

私が考え過ぎだと思わせる余裕の表情。

「葵も呼ぶから」

私の気持ちを軽くさせる気遣いの言葉。

当たり前の様に自然と場の雰囲気をなごませるのは天下一品。

葵さんがいれば確かに私一人より心は軽くなる。

それより!

今!

問題は今でしょっ!

冷たかった秘書の視線は嫉妬の熱を隠さずに私を見送った。

この視線とあと何回対峙することになるのだろう。

そう思うといつもはテンションを上げれるおいしい食事も役に立たない。

先頭で並ぶ西門総二郎と美作あきら。

そしてその後ろに花沢類が私の並んで歩く。

3人と並ぶ私は高校生に見える幼さで、誰だと値踏みされてる視線が付きまとう。

せめて・・・

スーツを着て弁護士バッチをつけてれば仕事関係だって思ってもらえるからまだいい。

軽いファッションは全部占めても1万円ちょっと。

身体にあったオーダースーツを無難に着こなす貴人感をばっちり漂わせてるこの輪の中で別の意味で目立ってしまう。

何で若く見られる恰好に素直に従ってしまったのか・・・。

10代に見られる幼さが恨めしい。

しばらくは花沢類に呼ばれても絶対このビルには近づかないから!!

私が連れて行かれたのは、半年先まで予約がいっぱいと聞いたことがあるフレンチレストラン。

入り口を過ぎると個室まで他人に会うことなく通されるVIP待遇。

この特別あつかいも道明寺と付きあって結婚した今では驚かなくなった。

これが、慣れというものだろうけど、私としては開放的に居酒屋のザワツキの方が落ち着ける。

この人たちといると別な意味で落着けなくなるからこれもしょうがない。

他人が聞いたら贅沢な悩みだと一蹴されてしまうのだろうと分かってはいるけど・・・

はぁ・・・。

ため息が出た。

席について、メニューを広げて横文字を視線で追う。

フランス語の上にはカタカナで書かれた小さな文字。

日本語で書け!と言いたくなる瞬間。

私が見ても何が何だか分かんない品目。

「牧野の好物は分ってるから俺が頼んでいい?」

メニューに悩みこむ私の横でクスッと柔らかいほほえみを花沢類が浮かべる。

「牧野は好き嫌いないだろう」

「食事は何でも感謝して食べないとダメなんだからね」

悪戯ぽく笑う西門さんは私の声にハイハイと軽めに相槌を打つ。

道明寺なら・・・

「感謝されるのは俺だろう!」

この程度の反論は帰ってきそうなところ。

遊ばれているようでも3人のそれぞれの雰囲気は和やかな空気で部屋いっぱいを包んでる。

ブル~ッ

膝に置いたままのカバンから伝わる携帯の振動。

手に取った携帯の画面が道明寺からの着信を告げる。

ニューヨークと日本の時差を考えれば今はあっちは夜中のはずで・・・

「もしもし・・・」

「俺だ」

少し疲れたような声。

数時間前に聞いた声にドキッと胸が高鳴ってしまってる。

こんな時にかかってきた電話なのに動揺するよりも、道明寺の声が耳元で触れる感触がうれしくてしょうがない。

横からぬるっと伸びてきた手が私から携帯を奪って耳に当てる。

「司、元気か、今、牧野が一人でさびしいだろうからってみんなで慰めてるところ」

私が立ち上がるのを静止したまま西門さんは立ち上がって携帯を私から遠ざける。

「内緒にしてても司の場合、牧野のことになると野生の感で直ぐに異変を関知するからな」

落ちつけって言うみたいに美作さんが私のグラスにワインを注ぐ。

「この電話もなにか感じて夜中に起き出したってとこかもね」

「ウソつくと後が怖い」

私に最大のうそをつかせている花沢類のキュンとなりそうな微笑み。

そんな人を魅せる笑顔を作ってる場面じゃない!

キュンとなってる私も、そんな場合じゃない事は頭では分かってる。

緊張感が薄いのは道明寺との離れた距離が数時間じゃ戻れないと知ってるから。

「司、葵も来るから心配するなよ」

西門さんが美作さんの声を拾う素振りで携帯を耳から離して私たちに向ける。

「てぇめっ!!」

怒号の様な声が返されて来ると思った私の意表のつく携帯の沈黙。

それが一番怖いっ・・・。

「そう言う事だから、牧野のことは心配するな」

西門さんがそういって、切った携帯を私に戻した。

葵も来るからって・・・

それは今はまだ葵さんが来てないってことを何気に道明寺に匂わせてないか?

どうせななら今一緒にいるって設定にしてほしかった。

牧野のことは心配するなって・・・

心配しなくても不機嫌になってることは想像がつく。

音をたてない携帯がいつ振動し出すかと握りしめたままの手のひらがじんわりと汗をかく。

花沢類の彼女の役してるってバレタラ、この三人はどうしてくれるんだ!

「司が帰ってくるのが先か、類の件が片付くのが先か・・・」

西門さんと美作さんがグラスをコツンと合わせながら楽しげに微笑みを浮かべて私を見つめてる。

本当にこの二人がかかわるとどうしていつもこうなる。

フォークで前菜の料理を串刺しに口の中に放り込んだ。

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拍手コメント返礼

ことり 様

どのタイミングで帰ってくるか!

そこでお話の内容が変わると思います。

どこで司君を帰国させようかな~

西田さんが裏でいろんな手を打っていたりして・・・(^_^;)

娘さん良かったですね。

発熱だけでも大変なのにこれにかゆみが加わると親の方も体力消耗しますよね。

御疲れ様でした。

まめすけ 様

確かに、類にはごねてほしい(笑)

最後の「どうぞ、どうぞ」をわざと出さないF3も面白いかも~♪

葵ちゃんの登場と司の沈黙に期待してます?

あははは、どうなんでしょう~~~~~~。