DNA で苦悩する 37
初デートからなかなか話が進まないんですけど・・・。
そろそろ展開を絡めていかないと終わりが見えなくなりそうな気がします。
気がつけばこのお話40話が目前に迫ってきました。
いつ終わるの~~~~~~(/_;)
*このまま二人で過ごしたい。
その方が蒼もいいに決まってる。
自分にこんな強引な部分が有るなんて思わなかった。
衝動が全てを動かしている。
「行こう」
鮎川の掴んだ手首を引っ張って出口を目指す。
「待って、蒼君たちどうするの?」
ためらいを見せるように鮎川が足を止めて戸惑った表情を僕に向けた。
「蒼も僕達がいた方が邪魔だって思うよ」
本音を言うなら僕も蒼達といるより鮎川と二人でいたいって思ってる。
「蒼には連絡入れとくから」
まだ悩んでる風の鮎川を押し切る様にさっきまで電源を切っていた携帯のスイッチを入れる。
ピカピカと留守電を告げるライトの点滅。
いくつかの留守電の記録は蒼からじゃなくて父さんと美作のおじさんからだった。
悪い予感。
蒼からひっきりなしの着信歴のほうがまだ無視できる。
「あーーーーっ、いた」
聞こえてきたのは蒼の声。
「もう少しで迷子の呼び出ししてもらおうって思ってたんだから」
橘が頬を膨らませてそしてにっこりと笑う。
「道明寺 駿なんて名前を館内放送されたら、どこかでお前のことに気が付くやつがいたら困るだろって、思って、愛結ちゃんを止めるの大変だったんだからな」
わざとらしく蒼が息をゼーゼーと鳴らしながら耳元で小声でつぶやく。
感謝しろうよと言いたげな視線を向けんな。
「道明寺駿ちゃん、お友達が探してます。なんて放送されたら・・・」
鮎川がクスッと楽しげに声を上げた。
見つかって少しは落胆の色を浮かべるとかできないのだろうか。
一抹の寂しさが不満を漏らしてる。
「僕じゃなく鮎川の名前を放送されたかもしれないだろう」
鮎川の笑った表情が受け流せずに拗ねた自分の声が気まずい。
「いや、道明寺の方がインパクトあるからそっちの方がすぐわかるんじゃねェの」
蒼!僕の正体がばれるのを危ぶんだんじゃないのか!
僕と鮎川の間に入って肩からだらりと回した腕を垂れて軽く体重をかけられてしまってる。
今の僕は蒼に助けられてるってこいつは気が付いているのだろうか。
「重いだろうが、それに鮎川に触るな」
大げさに蒼の腕を振りほどいて身体をまわして鮎川と蒼との距離を作る。
「・・・もしかして、菜花と道明寺君って・・・、付きあってるの?」
不安と不満が入れ混じったような橘の声。
「えっ・・・まあ・・・そうなるかな」
少し頬を赤くして頭を書く仕草を蒼が見せながらつぶやく。
何でお前が僕の代わりに照れるの?
「何時から?」
「何時からって、これが初デートだよな?」
なんか・・・僕らを無視して蒼と橘が二人で話を進めてる。
そして、僕に確かめるように蒼が僕に視線を送った。
「蒼の言う通りだけど、ちょっと待って、僕らを無視して進める話じゃないと思う」
橘に迫られるのは蒼じゃなくて僕の方だ。
「私の事遊びだったの?」
えっ・・・・?
遊びって?何?
「私をデートに誘そったのって好きだからじゃなかったの?」
「愛結は嬉しかくて、昨日の夜は眠れなかったんだから」
泣く仕草で胸元に橘の頭が迫る。
えーーーッ
ちょっと待てっくれよ~。
焦ったまま橘の両肩を抑えて鮎川に違うからって言い訳じみた視線を送ってしまっていた。
「ブッ――― ハハハッ」
「あ~、腹いてッ」
前のめりに腹を押さえながら声を吹き出す蒼。
橘の泣き顔がそのまま舌を出す。
「菜花と道明寺君を見ていてなんとなく分かっちゃったから。蒼君に聞いちゃった」
「愛結、ごめん」
「謝んないでよね」
つかみどころのないと思っていた橘は気の良さそうな笑顔を鮎川に向けて両手を握り合ってる。
憎めない笑顔。
「愛結ちゃんが落ち込んだのを、もち直させたのは俺だからな」
鼻から息を吹き出すドヤ顔を蒼が浮かべる。
「蒼、うまくいくといいな」
エールを送るつもりでポンと肩をたたく。
「おっ!」
少し上ずった蒼の声に笑いそうになった。
ホッとしたところで携帯の着信が響く。
父さんが一番出たくないかも、できれば美作のおじさん辺りがいいかな・・・。
父さんの場合は威圧的な拒否のできない要求が多い。
美作のおじさんならデートならその後でいいって融通を利かせてくれそうだしね。
ため息を付きながら携帯を握りしめる。
母さん?
画面に表示された意外性を付く表示名。
今は一番ほっと出来る名前だと思いながら通話のボタンを押した。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
ことり 様
二人きりはまだ早い~ ← 意地悪?
気になりますよね電話の内容。
次回のお楽しみですよ~。
やなぎ様
司くんにつくしちゃんにあきらくんまで出てくるとなれば・・・
意外に別々の内容だったりして・・・というオチは?(笑)
まめすけ様
蒼君は確かにあきらくんと同じ匂いがするんですよね。
あはは
ここで続くだと気になりますよね。
なんなの~、ここでどういう展開になる?と思っていただけたらしめたもの♪
なるべく早いうちにupしますね。
アーティーチョーク 様
道明寺家の総領息子。しっかり行動把握されてそうですよね。
楓さんだったら当たり前でしょうけどつくしちゃんならそこまでしないような気がします。
司は分んないけど~。
道明寺家にみんなを連れて行くところまでは考えてないんですよね。(^_^;)