Perfect dungeon 30

いよいよ30話突入です。

どこまで二人の勘違いは続く?

40話までの完結を目標にしてるんですけどね。(^_^;)

*

道明寺ホールディングス本社会議室。

100名は収容出来そうな大会議場の正面中央にドンと位置を占める革張りの椅子が主を待つ。

大型テレビに見慣れてる道明寺ホールディングスのロゴマークにも重圧を感じる。

向かい合ってU字型に並べられたテーブル。

椅子の数を目で数えて、ごくりと唾を飲みこんだ。

30名程度での参加人数だと予測はついても相手は大企業の重役だ。

なにをさせられるかわからないままの状況で落ち着けという方が無理に決まってる。

コンコンと低くひびくノックの音。

ドアが開いて現れた西田さんを見つけて潤みかけた目頭に力を入れる。

西田さんの身体が横を向いてわずかに下がる頭。

その前をコツコツとハイヒールの靴音が規則的に響く。

「今日はよろしくね」

にっこりと笑顔を作った口もととは対照的な笑ってない瞳。

「私は、なにをすればいいんですか?」

必死の思いで振るえない様にと力を必死でこめてやっとそれだけの言葉はを吐く。

「司の婚約者として私の隣りに座ってくれるだけで何も言わなくていいですから」

なんだ、座ってるだけでいいのか。

・・・って!

気が抜けるわけはない。

それはなにを言われてもただ大人しく黙って傍に坐ってなさいということ。

妊娠してることにされてるのだから、道明寺の跡取りはここにいますの意思表示の存在の役割をさせられるのだとはわかる。

道明寺が姿を現すまでの時間稼ぎの要員。

それ以外に驚くようなことないですよね!!

確認したいのに確認できない威圧感が私を抑える。

道明寺との交際を邪魔された時に、お母様に見せた反抗心は今は小さくなってしぼんでしまってる。

嫁になる立場は弱い。

お母様に嫌われてもいいと思っていた気持ちは、嫁として認めてもらいたいって気持に変わってきてる。

この違いは大きい。

10分後に始まった会議。

平均年齢50歳はいってそうなお偉いさん達の顔が並ぶ。

そしてお母様の横に場違いな私。

チラリと向けられた訝しげな視線はすぐに隠れて平常心の表情が並ぶ。

「突然集まってもらったのは、司に関する噂の件です」

波を打ったような静けさの中すべてを見渡す視線を送ってお母様が目をつぶって、深く椅子に背を預けた。

「噂は本当ですか!?」

左奥で立ち上がって発言する男性。

「代表の乗ったプライベートジェットが消息を絶ったのは本当です」

西田さんの声を合図にザワツク会議場。

絶望的だと言いたげに立ち上がっていた男性は腰が抜けたように椅子に身体がストンと落ちた。

この人はどうやら道明寺の敵じゃないらしい。

司様が代表に就任して会社の業績もこれからだというのに・・・

なんて落胆的な悲壮感が漂い始めてる。

「私の隣りに座ってるのは司の婚約者です」

いきなりの紹介に慌てて立ち上がって頭をぺこりと下げる。

「彼女のお腹の中に司の子供がいます」

「婚約者の妊娠も知らずに消息を絶った若き経営トップ、悲劇は同情を得るには十分でしょ」

えっ?

跡継ぎがいるってことで会社の乗っ取りを企んでる相手をほんろうするんじゃなかったの?

道明寺は嘘ついて姿を隠してるだけでぴんぴんしてるって知ってるんだし、同情どころの話じゃないはずだ。

「会社のイメージUPに息子さんの死をも利用するということですか?」

お母様を非難する様な憤慨の声を上げるおじさん。

この人も敵じゃない。

「司は死んだわけじゃないですよ」

ピシャリと響く威厳に満ちた声。

「このままではいろいろ心配もありますから彼女には後見人を付けようと思ってます」

お母様の声でガチャリと開いた扉。

えっ・・・?

驚きの声を上げそうになっったところで何とか踏ん張った。

花沢類に西門さんに美作さんの3人がすべての光を背負った華やかさで会議場の登場。

「ヤッ♪」

そんな軽いノリで笑顔を向けられる状況か?

「司の、子供なら僕らが守らないわけにはいかないからね」

私の椅子の背もたれに手を置いてわずかに腰を曲げた花沢類の穏やかな声が耳元に響く。

妊娠してないから!

ウソだって知ってるよね?

思わず振り返って声の出せないままに唇が震えてしまってた。

「状況によっては彼女とその3人の中の誰かと結婚ということも視野に入れてるんですか?」

結婚?

いきなりそこまで話が飛ぶのか?

ありえないツーの。

「それは彼女次第です」

「彼らじゃない場合もありって事ですか?」

席の奥でスクッと立ち上がって凛とした声を発する男性。

重役たちの中でも半分くらいの年周りの若い男性。

聞き覚えのある声に思わず眉を寄せて良く見えるようにと目を寄せる。

「あッ!」

大学でコーヒーを私に渡して近づいてきたあいつだ

小さく上げた声に「どうしたの?」と花沢類が私の顔を覗きこむ。

「・・・あの人、ほら!」

「大学で、牧野にちょっかい出してた奴だろう」

からかうような口調の先でさす様な視線を男に向ける西門さん。

普段の柔らかい落ちついた上品な物腰も今は冷ややかさを増幅させてる。

「あいつなら知ってるよ」

事もなげに花沢類の横で美作さんがにっこりと余裕の笑みを浮かべていた。

この3人はどこまで知ってるの?

私だけ何も知らない状況がだんだん面白くなくなってきたッ!!

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拍手コメント返礼

やなぎ 様

おはようございます。

こちらこそ朝から拍手コメントありがとうございます。

出勤前に読んでも大丈夫かしら?(笑)

読み返してもらえるのもうれしいなぁ。

Gods&Death 様

今日の総ちゃんは一押しですよね。

あきらに類はほかで目立っているのでたまにはいいところを総ちゃんに見せてほしいと思っちゃってます。

ことり 様

最期はカッコよく司に決めてもらって甘々?

最期に見せるのは印籠?桜吹雪か?

いやいや、素顔でしょう。(爆)

あずきまめ様

もしも・・・

F3が登場しなかったら・・・

がっくりさせちゃいましたね。

良かった♪

まめすけ様

司に騙された仕返しにF3も参戦してるはず♪

愉しくなってきてます。(笑)

敵はどう出てくるか!

あと10話内で終らせるぞ~~~~~。