Perfect dungeon 38

朝から書く話じゃ…(^_^;)

今回は☆を付ける手前までのお話です。

引っ張るなぁ~。

*

最上階会議室から右手に向っていくつかのドアの前を歩く。

重役以外の姿は滅多に見かけない廊下でSPに囲まれたままの俺とマルクを中心に向かう執務室。

「無事に片付いたみたいだな」

「礼は言わないからな」

今回マルクがいなければ日本にばれないように帰るのも簡単に行かなかった。

一国の治外法権は絶大な威力を発揮したのは気に食わねェが、時間短縮のためには不満も言えない。

「司に礼を言われたら、それこそ悪夢を見そうな気がする」

堂々と俺の横を肩を並べて歩くマルクが楽しげな笑みを浮かべる。

「お前、わざとだろ」

俺の問いかけに白を切る様なとぼけた表情をマルクが浮かべる。

牧野の前でべラの事をついでの様に話題に出す必要がどこにある!

「べラのことか・・・」

「司がいなくなってべラが騒動していたからな」

思案気に顎を指先で擦りながらマルクは思案気な表情を執務室の奥に向けるように注ぐ。

まさか、べラも来てんじゃねェよな!

牧野が見たらやべじゃねぇかーーーッ

今回の最大の難問を残してるぞ!

速攻で排除!

マルクを追い越して執務室に飛び込む。

誰もいない・・・

後ろでギョッとした雰囲気の気配を感じる。

「代表・・・?」

小さく遠慮がちに聞こえた声は西田の部下の秘書課の女子社員3名。

「何でもない」

気を張る様に喉の奥から低い声を絞ります。

「プッーーー」

堪える口元から吹き出すマルク。

「司の弱点はやっぱり彼女か」

「お前が、ここに来たのは俺はからかいに来たのか、仕事に来たのかどっちだ」

憎々しげに睨み付け俺に許せと言った唇がまた笑みを作る。

「べラには司はあきらめろと言っておくから気にするな」

「別に最初から気にしちゃいない」

「俺の妹だぞ」

初めてマルクが不満そうな声を漏らす。

「お前みたいな奴は初めてだ」

マルクが豪快に笑い声をあげて右手を俺の前に差し出す。

「これで仕事も成立だな」

マルクの右手を握って握手を交わした。

急いで戻った会議室は暗闇の中にぽっかりと浮かぶ。

牧野?

帰った?

どこに?

こざこざとした仕事の片付けに費やした2時間。

そのくらい待ってられなかったのかと感じる不満。

「代表」

さっきまでいなかった西田の声がうしろから聞こえた。

「なんだ」

「つくし様は自宅まで送らせてもらいました」

牧野はあの貧乏社宅に帰ったか。

関係修復のために俺と食事とか・・・食事とか・・・・食事とか・・・の時間をセッティングがなぜできない!

その後の流れが作れないだろうがぁ!

久々の再会を感動的に演出!

牧野に殴られて時点で夢と消えた。

俺の切望する牧野との関係を進める期待は今度いつできるかわかんねェンだぞ!

出来るじゃねェ !会えるだ!

西田ーーーッ!

俺が睨み付けても表情を変えない数少ないやつ。

どうにかうまく立ち回ってくれてもいいだろう。

俺をうまく動かす為にはアメを用意してんじゃねぇのかよ。

愚痴を言って肩を落とす。

「坊ちゃんの部屋でつくし様は御待ちになってますから」

西田のつく溜息とともに俺の表情から怒の力が抜ける。

「紛らわしい言い方すんじゃねぇぞ」

落ち込んだのが損した気分だ。

「帰る」

すぐさま車に乗り込んで帰宅。

西田に笑われてるみたいに思えて顔を逸らしたまま無言で車から降りた。

明日まで無視だ。

「それでは、私はこれで」

俺のことなら何でも分かってるという態度が癪に障る。

が、今回は大目に見てやるよ。

音をたてないように自分の部屋のドアノブをまわす。

他人の家に入るコソ泥の気分。

自分の家でなにこそこそしてるのか・・・。

牧野がいなかったら・・・。

その不安が俺を慎重にさせる。

窓辺で牧野の吐く息が窓ガラスを白く染めるのを眺めてホッと息を吐いた。

俺が部屋に戻ったことも気が付かないままに憂いの帯びた横顔。

俯く様に伏せた睫毛が微妙に振るえてる。

パーティ―で見かけた儚げな姿が浮かんで俺を切なくさせる。

心配かけて、正体が明かせずに抱きしめられなかった歯痒い思い。

今手を伸ばせばすぐに手にいられらる温もり。

まきの・・・

「悪かったな」

押しとどめられない吹き出した感情。

愛しさのままに背中から抱きしめた。

唇が触れた肌から熱が速攻で体中に伝わる。

牧野が俺を許してると伝えるよう胸の前に位置する指先をギュッと掴んだ。

「もう、二度目はないからね」

頭をもたげた牧野の瞳の中に映りこむ俺。

角度を変えるように指先で牧野の顎を押し上げる。

唇が触れあう瞬間に牧野が目を閉じた。

「んっ・・・」

紙一枚分くらいの隔たりから漏れた牧野の唇から俺の口内に流れ込んでくる牧野の吐息。

吐息に誘い込まれるように差し込む舌先。

唇を軽く噛むようなキスから牧野を追い求めるキスに変わる。

ピクンとなった牧野から焦った感情が伝わる。

逃げんなッ。

逃れようとする舌先を深く追って絡めとる。

「ヤ・・・ッ」

息の継ぎまで離れた唇から熱を逃がす様に牧野の声が零れる。

「ヤじぇねェよな?」

「だって、こんなキス・・・したの初めてだし・・・」

動揺と焦りをすべて注出した焦りの表情。

俺を攻めるように見つめる瞳だけは熱を帯びて俺にせがんでるようにしか見えねェ艶を持つ。

か細い力が俺のスーツのえりぐちにしがみつく。

牧野を欲する感情の留め金を外してんのはお前だからな。

「あんなこと教えるのお前じゃなかったのか?」

「なんで、そんなことばかり覚えてるのよ」

しかめっ面も今は無性にかわいくてしょうがねェ。

くすっとなる唇を軽く合わせるキス。

「なっ・・・」

予想外に軽めのキスにさっきとは違った動揺を見せる。

「シャワー・・・浴びてもいい?」

「もう待てない」

「ちょっ!」

「キャッ」

抱き上げた牧野を覗き込む俺。

「逃げんなよ」

どう返事をするのか迷ったまま牧野が唇をキュッと噛む。

緊張をとる様に舌先がピンクの唇をチラリと舐める。

ドクンと心臓が跳ね上がった。

やっぱ

もう待てねぇつッーーー。

限界はとうに飛び越えてしまってた。

拍手コメント返礼

ことり様

限界を超えても無理矢理はダメだよ~ ← ここに来て寸止めって地獄ですよね。

つくしの為なら我慢できるでしょう!

どこまで意地悪~というのは冗談です(笑)

自転車頑張ってください~♪

成功をお祈りいたします。

あずきまめ 様

デレクターズ版見れるといいですね。

春休みなんですよね。

明日も休みだし・・・(^_^;)

となると・・・

甘々突入は今日を逃がすとしばらく無理ということになるかも・・・

「あんなこと~」発言は司にしたらおいしいですよね。

情報だけはしっかり二人ともインプットできてるだろうしねぇ。

全く知識がない状態ならどうなるんだろう?

それはないか・・・

いの 様

休憩室で☆マーク・・・

いいのかしら?(~_~;)

でも書いちゃいたいしなぁ。

まめすけ様

「ソラノカナタ」懐かしいな。

そう言えばこれにも王子様登場させたんだった。

この時の王子様のイメージは銀河英雄伝説に出てくるラインハルトとキルヒアイス

もう20年も前に夢中になって読んだ小説とアニメでしたね。

このお話は最初に☆マークをつける初の試みも取り入れた記念すべき作品ですよ~。

べラ王女の気持ちはどうなんでしょうね。

つくしばかりモテても不公平ですからね。

この後のお話も少しは考えてるんですよね。

日の目を見るかどうかは出来次第です。<(_ _)>