Perfect dungeon 41 (完)
最終話で~す♪
書きすすめるうちにどんどん楽しくなる充実感は久しぶりでした。
F3との絡みを最後の番外編を近いうちにUPする予定ではいます。
「楽しみにしてもらえるかな?」
「いいとも~♪」 ← 自分で返事したら意味ないですよね(^_^;)
御付き合いありがとうございました。
*「・・・代表だ」
「行方不明じゃ、なかったんだ」
「やっぱり私の道明寺司様は不死身なのよ」
「何時から代表があなたのモノになったの」
「婚約者が妊娠したというのは本当かしら?」
エントランスに足を踏み入れた時から何時もより視線を感じる。
「西田、俺の噂をどこまで流したんだ?」
「つくし様が妊娠してるという噂が一番重要でしたから」
事もなげに呟く表情のない声。
その噂のためにどれだけ俺が悩んだことか知ってるだろうがぁぁぁ。
でもまあなぁッ。
昨晩の俺と牧野ならそのうち噂が本当になる可能性もある。
「いいことがあったようですね?」
「おう」
音符付きの声で頬が緩む。
「おはようございます」
頭を90度、数メートル離れたところで下げる女子社員に「おはよう」とニッコリ笑うサービスが俺らしくない。
無表情のはずの西田がククッと笑ったような錯覚。
眼鏡の縁を二本の指先で挟んで鼻の上の位置を直す仕草はどう取ればいいのだろ。
お前の感情をどうとらえるべきかで俺を悩ませるな。
「挨拶が帰ってきた・・」
女子社員の前を通りすぎる俺を信じられないとでも言いたげな表情が見つめて3つ並ぶ。
「あのさわやかさはなに?」
「瞳が優しく笑ってたわよね?」
「クールな代表もいいけど、あの色気ただ漏れってなんなのよッーーー」
俺より、俺を取り囲んでるSPの千葉が顔を真っ赤にしてる。
俺の視線を避けるように目が泳いだ。
背中に感じる強い視線。
「今日は100馬力で頑張れるんじゃないですか?」
「姿を隠した間の仕事も溜まってますからね」
一歩大きく足を動かして俺に並んだ横で西田がつぶやく。
それは今日の決定事項のスケジュールだといい放つ強制力。
「つくし様を御邸にお連れした甲斐がありました」
スタスタと俺を追い越した西田がエレベーターに乗り込んでドアを開けたまま俺を待つ。
すげームカつく。
俺を操れると思うなよ。
エレベータにズカズカと乗り込んでcloseのボタンを壊す勢いで押した。
執務室の中央奥に置かれた使い慣れたデスク。
チーク調の広いデスクは照り輝いて俺がいない間も塵一つ落ちてない快適な空間を保っている。
いつもなら、革張りの椅子に座ると一気に仕事モードが高まるのに、そうじゃない。
デスクに映りこむ自分の緩んでる表情を見つけて大きく息をついた。
今まで経験したことの快感。
それは牧野でしか味合えないって思う。
もっと早く押し倒して置けばよかった。
俺、男でよかった。
こんなこと面と向かってあいつに言ったらきっと真っ赤になって拗ねるだろうけどな。
そしてまた頬が緩むのが自分でもわかる。
今日の朝、牧野の声で起こされて向かい合ってとった朝食。
「冷静になると、やっぱり、恥ずかしいね」
照れくささを隠す様に俺から外れた視線は俯いてサラダの野菜をもてあそぶように動くフォークを見つめてる。
V字の襟元から白く覗く肌に俺の付けたはずの紅い痕が見えた。
朝までの残像を思い浮かばせてまた身体が熱くなる。
ベッドサイドのテーブルの避妊具を取り出した後の袋の残骸。
それさえもくすぐったく思えてしょうがなかった。
「なぁ、牧野・・・襟元隠した方がいいぞ」
「えっ?」
「赤くなってるから」
牧野の視線が指先から胸元に移動する。
「こんなとこに付けたの!」
ばかー、たぶんお前の身体のいたるところについてるはず。
俺のものだって付けた印。
服についた汚れでも落とす様に牧野の指が後を幾度もなぞる。
それも色気のねェ力いっぱいの指先が動く。
指でこすっても消えるわけねェだろう。
牧野の声も、仕草も、反応も全てが俺を蕩けさせる。
今日の牧野はかわいすぎる。
もう二度と離さない。
左の人差し指につけた牧野とお揃いのファッションリング。
大学を卒業したあいつの左手の指にはこれとは違ったリングがはまってるはず。
自分の指のリングも愛しくて、そのリングに唇を落とす。
完璧に俺は牧野に落ちてる。
それも幸せだと思えた。
「代表・・・」
余韻を破る西田の俺を呼ぶ声。
「なんだよ」
「お前、何時からそこにいた?」
今ほど西田が邪魔だと思ったことは無い。
「代表の百面相は見てませんから」
最初からいたって事じゃねェか!
「マルク王子がご帰国されるのでお見送りの予定がこの後入ってます」
「別に俺が行かなくてもいいだろうがぁ」
「今回の件の陰の功労者で、今後の大きな取引の相手ですよ」
「それに、べラ王女のたってのご希望です」
「ほっとけ」
「代表が見送りをしてくれないと日本に残るとマルク王子を困らせてるようですので、お願いしますマルク王子からの頼みです」
あのマルクが俺に頭を下げたと思うと気分はいい。
「しょうがねェから行ってやるか」
2時間後見送りのために空港にやってきた俺。
人目に付く出発ロビーで握手を交わすのは広告の意味があると準備された設定。
大人しくプライベートジェットの専用ロビーでやればいいのに手が込んでる。
マルクと抱きあって固く握手を交わす俺。
一斉にたかれるフラッシュ。
人気のある外国の俳優が来てるような取材陣の数。
テレビカメラだけで数十台は俺たちを狙う。
「司、あなたが会いに来てくれるのを待ってるから」
行く予定なんてねえよ。
本意じゃないが軽くべラとも握手を交わす。
大人の対応の必要性は身に付けてる。
つーか、ここ1年程度だけどな。
グッと腕を引いたのはべラ。
バランスが崩れて前のめりのなる俺の唇に生温かな感触。
さっきより激しいフラッシュの光が俺の視覚を遮る。
「約束よ」
思考の止まった耳元でつぶやくべラの声。
それに重なるフラッシュの音が鼓膜を刺激する。
今日の夕刊には特ダネ扱いで載るぞ。
「某国王女に道明寺ホールディングス 代表、熱烈なキス、この文字が載らない事を祈りましょう」
胸に十字を切るような西田の言い草。
頭のてっぺんが剥げたザビエルの自画像より笑えるぞ。
祈ってなんかねェだろうッ!
「西田、俺じゃなく、キスしてきたのはあの女の方だ!」
「王女からより代表からの方がインパクトがあると思いますが・・・」
そんな問題じゃねェ!
「記事を止めろ!」
「記事を止めても、今はすぐにネットに流れますから」
西田の首を絞める勢いの俺に向けられてるのは一般人の携帯カメラ。
牧野にばれる・・・ッ。
天国から地獄。
どう言い訳する!!。
しばらくは一緒に寝てくれねェかも。
もう会わないとか言い出すか?
ガクッと肩が落ちる落胆。
「なかなか、うまくいかないものですね」
西田のため息がわざとらしく感じる。
今回の仕返しのとどめはこれだったりして・・・。
もう二度と西田をのけ者にはできないと理解できた。
クソッ!
お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
ことり 様
いいとも~
ありがとうございます。
F4が揃って賑やかな話になると思います。
内心穏やかなじゃないのはつくしちゃんだけだったりして・・・(^_^;)
やなぎ 様
最期に西田さんの仕返しがあるなんて愉快だぁ~と思って書いちゃいました。
司君ごめんよ~
どうしても後ろからドS倶楽部の会員様のお声が聞こえたもので~
花男の再放送を私も一緒に見たいです♪
歩美 様
初コメありがとうございます。
この後が気になりますよね。
いろんな楽しい想像しちゃいますよね。
司がどうつくしに取り繕うのか考えるだけで私は楽しんでいられるんですよね。
番外編は近いうちにお届けできると思います。
まめすけ様
いいとも♪
お返事ありがとうございます。
このお話で連載に追いついたんですね。
わぁぁぁぁ、ここまで追いつくのって大変だったのでは?
時々どう読んだらいいんですかとメールをもらうことがるんですよね。
1話、2話と数字をつけてる間は楽だったんですけどね。
今はカテゴリーが増えすぎて大変だと思います。
西田さんなんてことを!
本当にエグイ(笑)
台湾行ってらっしゃいませ。
楽しい旅行を~♪
お土産話も待ってますね。
あずきまめ様
ありがとうございます。
年を越ししまいましたが完結出来ました。
なかなかうまく仕上がったと思っています。
千葉さんは登場させましたが相葉君が抜けていたなぁ(笑)
番外編には登場するかな・・・(^_^;)
プンちゃんのママ 様
最期までお付き合いありがとうございました。
Jでの百面相みたいですね。
想像するだけでも楽しくて仕方なんですよね。
コスモス様
温かいコメントありがとうございます。
癒されるなんて言ってもらえるだけで涙が・・・。
二次ってほぼ自己満足の世界ですから楽しんでもらえてると分かるとうれしいんですよね。
そしてコメントをいただくことが何よりも励みになります。
お仕事忙しそうですね。
次回のお話も疲れが取れる元気な内容でお届けしたいと思います。
いの 様
まさかの大どんでん返しで司君ピンチ!
ここで話を終らせる私って・・・(^_^;)
番外編書きますって言ってなかったらどうなったかと怖いものがあります。
西田さんはどこまで計画を練っていたのでしょか?
これも気になりますよね。
西田さん日記も楽しそうですけど・・・。
書くべきか書かざるべきか・・・。
春休みに来週からなるんですよね。<(_ _)>