エイプリルフール の仕掛け人 パート3

最終話です♪

どうせなら楓さんに椿おねェ様タマさんに桜子に滋、オールキャスト登場と私を悩ますリクもいただいたのですが、これ以上考えると頭から花男が飛び出してなくなりそうなのでべつなお話に取っておくことにしました。

って・・・

次回にどんな話を書く気だッ!

「やっ、ここにいたんだ」

ニッコリと俺達の前で笑みを浮かべる類に気が付いて牧野が朗らかに笑みを浮かべる。

俺以外の奴を見て嬉しそうにすんじゃねェよ。

たとえそれが類でもだ。

類だから余計俺がムカつくってことをいい加減分れつーんだ。

総二郎とあきらときて類。

次はどんな嘘で来る。

さすがに俺も、もう騙されない。

「なにか、用か」

身構える声。

俺の横で嫌そうに眉を牧野が寄せた。

お前もうすうす分ってんじゃねぇの?

「大学の外に司の秘書が待っていたよ。探してたみたいだったけど」

ばーか、

今日は俺の予定は真っ白なんだよ。

西田が来るはずがない。

用事があれば出たくもない携帯の着信がなるはずだ。

一番バレバレじゃねェか。

フンッ

鼻で笑って口角を上げる。

「携帯の電源切ってるでしょ。牧野にも連絡取ろうとしたけどつながらなかったってぼやいてたよ」

「どこか二人で電波の届かないところにもぐりこまれたらつかまりませんねとか、言っていたけど・・・」

二人で、もぐりって・・・

電波お届かない地下とか密室とか想像。

牧野に俺の逞しい想像がばれたらどうすんだ。

類の澄ました顔で言われると微妙に変な気分になる。

「ギャー」

わぁぁっ。

いきなり俺の横で悲鳴をあげた声に慌てて飛び出しそうになった声を口から吐く寸前で飲み込んだ。

驚かすんじゃねぇよ。

「電池が切れてた・・・」

取り出した携帯を俺に見せて確認する仕草。

ごそごそとポケットを探って取り出した俺の携帯。

あっ、電源切っていた。

つーことは・・・

類が言ってることは嘘じゃないって事?

まじまじと類の顔を眺める。

早く連絡を取った方がいいんじゃない

類の表情がそう俺に告げている。

「俺だ」、なんか用か」

携帯の電源を入れて西田につなぐ。

「用がなければ私は不機嫌となると分かっていて大学までお迎えに上がりません」

「至急本社の方にお戻りいただきたい」

相変らずの高揚のない機会じみた声。

本当にすまないとか、おどおどした態度が見えれば俺も楽しめるのに面白くないやつ。

「俺、今熱があるんだわ、吐き気もするし、無理だわ」

「ついでに腹痛、下痢も付け加えますか?」

「そうだ、重症」

「それじゃ、急いで御邸に戻った方がよろしいですね」

聞こえた声はあくまでも冷静。

「私がそう答えると本気では思ってらっしゃいませんよね?」

数秒の無言の後に聞こえた西田の声。

「子供でも、もっとそれらしい嘘がつけます。エイプリルフールにしても面白くありません」

「お待ちしてます」

勝手に携帯が切れた。

面白味がないのはお前だろうがぁ! 西田!

無言の携帯に毒を吐く俺。

「牧野付きあって」

「えっ?」

「だから俺と」

俺の横でなに口説いてんだよ。

キョトンとなった顔がわずかに染まる。

なに照れてんだよ。

類お前も何考えてる。

あっ、そうか、俺が仕事をしなきゃいけいから一人になる牧野を気にしてるのか。

気が利くな。

思うわけねぇだろう。

「類ッ!」

「なに?」

呑気な表情を浮かべて「司は、少し黙っていて」

命令しやがった。

「付き合ってどこに?」

俺と類の間に割って入る様に牧野が答える。

そこは付きあわないって言えばいんだ。

「おい」

声を出す途中で聞こえた類の声。

「付き合うって場所じゃないよ。司のことは忘れて俺と付きあうってどう?」

それってクスッと微笑んで言うことじゃねェだろう。

「まさか、類、お前まだ牧野のことを」

「好きに決まってるでしょ」

「そんなにすぐに忘れられるなら、それは初めから恋じゃない」

怒りを通り越して動揺が隠せない。

経緯を考えれば牧野に類が惚れてる事も知ってる。

牧野をあきらめてくれと土下座までしたのは俺の方。

そして牧野は俺のことをスキだと言ってくれた。

プロポーズもしてるんだぞ!

今さらそれを蒸し返す気か!

「花沢類・・・」

神妙に聞こえた牧野の声。

分ったとか聞こえてきたらどうする。

牧野がそう返事するわけねぇ。

分っていても心臓が早鐘の様に鳴り響く。

「もうッ」

ケラケラと笑う牧野

えっ?

「なに、3人で企んでるのよ」

「道明寺が死にそうな顔してるんだけど」

西田のことじゃなくこの付きあってが、類のエイプリルフール?

エイプリルフールのことが抜け落ちたとこで本題に入ったって手法か?

類まで屈託ない笑みを浮かべてる。

俺だけ笑えねッ。

「司、俺が本気だったら困るでしょ」

「お前の嘘が一番性質(たち)が悪い」

類が牧野を諦めたのは俺への友情。

分ってるから俺は未だに心が落ち着けなく。

未だに気になってるんだ類の牧野への対する想い。

確認したくても確認できない感情。

「牧野が幸せならそれでいい」

類の答えは分ってるから。

類の悪びれない態度が、ウソが、俺の気持ちを軽くする。

たくっ。

遊び過ぎだろ。

「行くぞ」

牧野の腕をとって正門を目指す。

あっ・・・

あの先には西田か・・・

笑えねぇッ。

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拍手コメント返礼

いの 様

貴重な休日の時間を割いていただきうれしいです。

休みのときってすることいっぱいあるんですよね。

私は来週の家庭訪問に向けて年末の大掃除の様に掃除をし始めてます。

類の嘘が一番司が敏感になるような気がします。

どんな気持ちで類がこの嘘をついてるのか。

そこ考えると切ないですよね。

それでも類に新しい恋を上げられないんですよね。

ぷりん様

類らしさを演出するウソって・・・

いや~難しかったです。

さらりと司がドキッとする嘘でありながら司が類のことを想いやれる展開を考えて書いてみました。

ドキッとしてもらえて良かった♪

あさみ 様

西田さんの仕事がエイプリルフールの嘘なら喜ぶだろうな。

「今日中には仕事は終わらないかもしれません」

「ウソです。今夜中に片付けていただきたい」

こんなものでしょうか?(笑)

そしてきっとおいしいアメは準備してることを切望。

キャー―ッ。