いくつもの嘘を重ねても 1

お待たせしました。

別館で先行公開した新作解禁します。

なんとか今日のノルマUP出来ました。(/_;)

このお話は『まれきり様』からリクエストに基づいてストーリーを考えさせて頂きました。

リクエストありがとうございました。

朝?

カーテンを通り越してうっすらと差し込む光。

はっきりと見るためには部屋の中の明かりは足りな過ぎる。

白いシーツから目を逸らす様にゆっくりと頭を起こした。

視線の先を覆う前髪を左手で掻き上げながら枕元に外して置いていた腕時計を見るために視野を細める。

見慣れない部屋は昨日の記憶を頭の中に思い起こされる。

「なんで、ナビを使って道に迷うのよ」

目的地もなく道明寺と飛び出したドライブ。

「俺が左に行きたかったんだから、いいんだよ」

文句あるかと威圧的な態度はいつものことだけど、ナビの示す場所からは徐々にずれを生じてる。

もともと行き先が決まってるわけじゃないからいいんですけど。

問題は無事に都内に今日中に帰りつけるかってところまで差し迫っている。

ナビから聞こえる声は進路が変わるたびに正しい道順教えるために右折を強調する。

ブチッ。

7インチの画面のナビが消えた。

「うるせーんだよ」

運転手に文句を言われるナビ。

機械が可愛そうだと思うのはきっと私だけだ。

そして、迷ったあげく「泊まるか」道明寺の一言で飛び込んだ海辺のホテル。

週末に空いていた部屋はツインの一般的な一室。

「こんなとこでもしょうがねェか」

すぐ目の前のベッドに車のキーをポンと道明寺が投げる。

道明寺らしくない部屋の狭さが身近に道明寺の熱を感じさせてドクンと心臓が高まった。

二人で寝てるベッドの横には整ったままのシングルのベットがそのまま残る。

あのまま寝ちゃったんだ。

10時・・・。

普段なら寝過ぎたくらいの時間なのに身体が起きてこない。

んっ・・・

気怠さのままにもう一度起こした身体をシーツの上にパタリと戻した。

体重の重みでわずかに跳ねるスプリング。

それに誘われた様に道明寺の腕が私を抱きしめるように動いて止まった。

毛先を揺らす道明寺の寝息。

その吐息がくすぐったくて動かした拍子に唇が道明寺の胸元に触れた。

数時間前まで早鐘を打つように響いていた心音。

二つの心音が重なって・・・

溶け合って・・・

弾けた感覚。

抱き締めらたまま眠りについて・・・

目が覚めたら、真っ先に会えたのが道明寺で・・・

早くおはようって言いたいのに、規則正しく聞こえる寝息は、それはまだ先だって言ってるみたいに聞こえてくる。

無防備な道明寺の寝顔が憎たらしくて、カッコよくて愛しい。

形のいい唇が私の肌をなぞって、その後をすらりとした鼻筋が触れて、道明寺に何度もしがみついてしまった夜。

その感覚を思い出させるには十分すぎる艶やかさ。

「まだ、足りなかったか?」

いきなり聞こえた声が私の唇を道明寺の胸元から遠ざける。

片目をつぶったまま向けられる悪戯な視線。

寝てるふりをしてるって意地悪。

幸せな気分は一瞬でぶっ飛んで気恥ずかしさが私から甘える気持ちを追い出してしまう。

「違うから」

自分でもかわいくないって思う声

「単に寝返り打ったら道明寺が隣にいただけでしょう」

道明寺の肌の熱を感じない位置まで身体を起こしてベットの上に座り込んだ。

クスッと笑った道明寺は肩肘を突いた手の平に頭を乗せて起こした身体を右測位に取る。

「いい眺め」

道明寺の視線は私の首から下で・・・。

「ギャッ、見るな」

シーツを胸まで隠すように引き上げた。

「もう遅せーよ。それに見慣れてる」

意地悪く上がる口角。

片手に持った白いレースの生地をぶらぶらさせて、ニンマリと笑う。

素早く取り返したブラを付けられずにシーツの中に隠す様に潜り込ませた。

何時まで嬉しそうに笑ってるんだ。

ゆったりとした緊張感のない道明寺が目の前でクツクツと笑う。

見慣れてるって言われても明るい光の下で、なにも身に付けてない素肌をさらす自信はない。

「あっ」

すぐに引き寄せられた身体は道明寺の胸元に覆いかぶさる形になった。

「あのねっ、もももう10時だから」

逃げようとする私の肩はすぐに道明寺のもう片方の手で押さえられてしまってる。

「昨日は眠れた?」

動揺して関係のない言葉を口にする。

「おかげでグッスリだ」

普段なんでもない言葉がエロくて卑猥すぎる。

んっっ・・・

お礼という言い草で塞がれた唇はすぐにこじ開けられて舌先が滑り込んできた。

ホテルのチェックアウトって何時?

批難しようにも深くなるキスに唇は吐息を漏らす。

だから、ダメなんだって。

昨日から幾度も訪れる理性が身体を裏切る瞬間。

道明寺の熱で私の身体を自由に開らかれて、そして我儘になる自分を知る。

道明寺のキスも指先で送り出される甘い刺激も、それ以上のものが欲しくて拒めなくなる。

されるがままの道明寺に翻弄されたまま、私の腕は道明寺の背中にしがみついてしまっていた。

「だからダメって言ったのに」

「お前もその気になってただろう」

悪びれずにニンマリとした不敵な笑み。

否定できない自分が恨めしい。

「それは道明寺のせいだから」

言った私に勝ち誇った表情が鼻さきに近づいてきた。

「俺の責任だけじゃないと思うけどな」

殴ろうとした腕は簡単に道明寺に捉えられるホテルのフロント前。

「またのお越しをお待ちしてます」

道明寺のクレジットカードを差し出しながら角度をつけてお辞儀をするフロント係。

表情の変わらない対応に私の方が気まずくなってる。

道明寺がカードを受け取る前にさっさと背を向けてその場から離れた。

「おい待て!」

フロントから離れた道明寺が私の横に並ぶ。

「朝食も食べ損ねた」

「今から食べたら昼食だな」

私の嫌みにも気が付いてない。

今、すごく、私は恥ずかしいんだからね。

このホテルが道明寺経営の系列じゃなかっただけまだましだ。

オープンカーのシルバーのベンツ。

海辺の風はまだ少し冷たくて心地よく頬をなぞる。

髪を掻き上げるたびに塩の香りが鼻先をくすぐる。

浜辺で波と追いかけっことか、貝殻を拾って遊ぶとか・・・

道明寺の柄じゃないかぁ・・・。

「金のかからないデートとか考えてるんじゃねぇだろうな」

「お金をかけなくても楽しめるものは有るでしょう」

「確かに、ベットの中じゃいらないよな」

だからッ!そこに結びつけるな。

今太陽は頭のてっぺんから日差しを注いでる。

真昼間!!

「機嫌直せ」

「久し振りのデートなのに、もう昼過ぎだよ」

「俺はあのままホテルの部屋に籠ったままで良かったんだけど」

「あのねっ!」

サングラスで隠れた瞳。

整った顔立ちをサングラスが引きたてて似合いすぎるほど似合っていてる。

道明寺なら女性も選び放題で、きれいすぎる顔立ちが時々私を卑屈にする。

エッチだけが目的なのって反論は飲み込んだ。

「おっ、静かになったな」

口をつぐんだのはこのまま続けたらケンカになりそうだから。

寝ていてくれた方が心が素直になるのはどうしてだろう。

「道明寺!!」

横に顔を向けて閉じていた瞼を開く。

海岸線の緩やかなカーブひらけて目の前に太陽の光がキラキラと反射する海が広がる。

続くはずの道が途切れた。

「あぁっ?」

「前ッーーーーー!」

「わぁぁぁッ」

道明寺の叫び声を遠くで聞いた気がした。

映画では大型トラックとぶつかる寸前の場面がありましたけどね。

今回は無事ではいられない展開が待ってます。

うっ・・・司君ごめんね(/_;)

お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

ことり様

体調いかがですか?

こんなに甘々なのになんて意地悪なんだろう(/_;)

ラストはモチ!!ですよ♪

始まったばかりで最後の展開を考える私・・・(^_^;)

リーガルハイSp録画して見ます。

まだ見れてませんが、公平とつくしの対決!!

公平もいいキャラなんですよね。

いの 様

は~い今回は切ない系です♪ ← なぜ♪マークをつける(笑)

大まかな話の構想は別館で公開してます。

4月が過ぎるまでなかなか落ち着けそうもありません。

今日は昼から中学校の参観日です。

ここでまた一つ学校でのPTAでの役員が決まるんですよね。

憂鬱・・・

あずきまめ 様

今連載中のお話もまだ序盤なんですけどね、ついに公開しちゃいました。(^_^;)

後悔の文字も頭にちらほら。(笑)

今回は読者をジーンとさせたい!と目論んでいます。

無事は無事なんですけどね。

たくかずめぐ 様

今回のお話あ司君の苦悩がメインに!!

F3の絡みは!!

ここからはゆっくりとお話を進めます♪

おかゆ

早速2話でお話が暗転する予定です。

お楽しみに♪

コスモス様

別館の件わかりました♪

お知らせありがとうございます。

ねぼすけ様

二回目ありがとうございます。

いや~読み返すとダメだ~

つい書きなおしたくなるのです。(^_^;)

結婚の噂本当だったら嬉しいですね。

映画館でこのまま結婚しちゃえと思うぐらいいい雰囲気だったんですよね。