いくつもの嘘を重ねても 9

さあーいよいよつくしと司の再会。

司君はやる気持ちはグッと押さえて行こうぜ！

無理だろうなぁ・・・(^_^;)

『Sp物語　スピンオフ』　UPしました。

ベンチに腰かけた牧野の膝の上には小さな子供。

向かい合いって笑顔を浮かべる牧野の頬を小さな手のひらが頬に触れるように下から伸びてくる。

子供を見つめる瞳はキラキラ輝いて、優しげな表情を作る。

助けられたあとに、子供に情が移って帰るに帰れない・・・。

牧野ならあり得る。

事故に遭って倒れてるうちの一人を連れ帰るってふつうあり得ねェぞ。

裏があるとか考えるだろうがぁ。

べつべつな病院に運ばれて治療を受けたとかの説明を受けてるとか？

それでも、俺に連絡がないのはおかしいよな。

お前が一番俺のことを気にかけてくれるはずなのだから。

牧野との距離が近付くたびにうれしさと不愉快さが入れ混じる。

俺に早く気がつけよ。

公園の周りには警備を張り巡らせて俺たち以外の侵入を許さないように配備させた。

この公園の中には俺と牧野の2人っきり。

赤ん坊が一人混じってるのは人数には数えてねェけど。

かさっ。

表情の読み取れる位置で枯葉を踏んだ音が俺の足を止めた。

子供から顔を上げて俺を見上がる視線。

「あっ・・・」

大きく見開いた瞳は俺の顔一点に注がれる。

「道明寺・・・」

俺の名を呼んだ声は思った以上に小さくて驚いた表情を浮かべる。

笑顔を浮かべると思っていた表情は不思議そうに俺を見つめた。

「なにしてる？」

「えっ？あっ・・・、子供と散歩に来てるんです」

他人行儀な口調。

俺と距離を置くような態度を見せる牧野。

そっけない態度で吃音を上げる子供に牧野の興味が移った。

無視する気か？

むかつくのは俺の方だぞ。

早く迎えに来なかったからって、怒んなよ。

連絡をくれないお前が悪いんだからな。

荒々しい足取りで牧野の隣りに腰を下ろす。

戸惑った表情で俺をちらりと盗み見するように牧野の視線が動く。

「盗み見なんかしないで、俺を見ろよ。遠慮すんな」

牧野の肩のうしろ、ベンチの背もたれの上に腕を広げる。

「遠慮なんかしてませんから！」

重なった視線。

見つめあった瞳の奥に強気な性格が顔を表す。

お前の瞳の中に写る自分を見るのは好きだ。

今のお前の瞳の中には俺だけが映し出されてる。

甘ったるい気分じゃなくて、怒の色あいが強いのが癪だけどな。

少しは嬉しさをみせろよ。

「腹立つな」

「えっ？」

「なんだよ、その他人行儀な口調は」

強く閉じてた唇がわずかに緩んで、なにを言われてるのか理解できてないというような顔が俺を見つめる。

たぶん数秒の沈黙。

冷たい空気が流れて、俺たちの間の時間が止まる。

「会ったの・・・初めてですよね？」

こいつ・・・

なにを言ってる・・・。

俺にムカついてるってしてもこれはひど過ぎだろうが。

事故でお前だけが行方不明になって、必死で探してやっとたどり着いた。

真面目な視線に不安が牧野の顔いっぱいに広がる。

「俺のこと、道明寺って言ったよな？」

「有名ですから」

そうじゃねぇだろう。

おまえは俺の一番近くでなんども道明寺って呼ぶだろうがぁ。

怒った口調で、嬉しそうに笑って、いつも俺の名を呼ぶ。

事故の前は甘ったるく、けだるそうに、そして熱い吐息の中で何度も道明寺って俺を呼んだんだ。

「指輪・・・」

「えっ？これ」

俺の視線を追って牧野が自分の左手の薬指を少し上げて視線を落とす。

「結婚指輪ですけど・・・」

結婚指輪をはめてるわけがねェだろう。

当たり前みたいに牧野がつぶやくことに胸がグッと掴まれて叫び声を上げそうになった。

「実感ないんですけどね」

「結婚した記憶も子供を産んだ記憶もないのに・・・」

ふっとため息を付いて淋しげな表情。

「・・・あの、私のこと・・・もしかして知ってます？」

俺の表情を覗き込む牧野が俺の胸元近くに身体を近づける。

何かを期待する様な視線。

クルクル変わる目の表情に、一つ一つ見せる仕草。

久し振りに感じる牧野の息遣い。

「俺のこと・・・忘れてるのか？」

口の中の唾液がすべて枯れて、舌が口内に張り付いてうまく声が出ない。

「おい、牧野！！」

牧野の肩を掴んで数度揺さぶる。

「真央」

後ろから聞こえた声に同時に二人で振りかえった。

会えたけど、記憶はとりもどしていないんですよね。

3人が顔を揃えてところで続きはどうなる？

他の話よりこの続きをお願いしますの応援のプチをよろしくお願いします。

あっ・・・明日は子どもの日・・・

家族日記のリクエストも受けてたんだった。(^_^;)

　

拍手コメント返礼

いの様

再会しましたよ～。

ここでどう司君が答えるのかってところで邪魔者登場。

がんばれ～としっかり声援は送ってるのですが、司君には届くかな・・・。

Gods&Death 様

水戸黄門ばりの印籠の懲らしめ方！！

ばっさばっさと切りまくって明朗解決！なるかな・・・(^_^;)

やなぎ 様

つくしちゃんの状況を把握してもここは強引に行って欲しいですよね。

奪うなら今だぞ！！！

つくしの行動が問題なんですけどね。

記憶失ってるからなぁ～。

どう動く？

あずきまめ 様

司ならつくしちゃんにたくさんの刺激を与えられますよね。

頑張れ～と声援しながら裏でこそこそやってる私です。(^_^;)

一人突っ込み見たかったなぁ～（笑）

ココﾁｬﾝ 様

昔の子供のリクエストは『いくつもの～』( ..)φメモメモ（笑）

頑張って2話書き上げたい気分です。

まい2 様

つくしの置かれてる状況にやっと納得できても不満でしょうね。

見つけたら、指輪してるし、子供はいるし、一応そう思ってるつくし。

おまえは俺んだぞ！と叫ばせたいのが本音です。

ここから3人そろってどうなるんでしょうね。

今日かきあがるかな・・・(^_^;)

ちょっと心配です。