いくつもの嘘を重ねても 10

一気に10話まできちゃいました。

この調子ではきっと後から開始したお話なのに前作より先に終わっちゃうかもです。

とはいっても、終わりはまだ遠いんですけどね。(^_^;)

子供の日のお話となんとか2話Ｕｐできました。

ホッ

道明寺司・・・

画面の中での華やかな印象。

一度見たら絶対忘れない存在感そのままに突然私の目の前に現れた。

公共の公園だから誰が来てもいいんだけど、珍しく人気のない公園が一瞬で艶やかな空気に変わる。

実物は画面の中よりオーラが輝いて目が離せなくなった。

「なにしてる？」

画面から流れたままの声。

なにしてるって・・・

子供連れで公園に来て、こんな質問されるなんて思いもしない。

平凡な私とはやっぱり何かが違うのだろうか。

それでなくて有名人が目の前に現れて、緊張してるみたいで、さっきからドキドキと心音がうるさくてしょうがない。

「えっ？あっ・・・、子供と散歩に来てるんです」

しどろもどろの私。

散歩って言って今私はベンチに座って亜美ちゃんをあやしてる状態だ。

このまま、この人を見ていたら可笑しくなりそうで視線を子供に移して、亜美ちゃんの指を握ってあやす振りで逃れる。

私を熱く見つめる瞳に吸い込まれそうで怖い。

ギョッ

それなのに当たり前のようにさらっと私の隣りに腰を下ろされた。

落ちつかない様に腰を数度上げて落とす仕草を繰り返して肩の触れあいそうな位置を取る。

触れあってるみたいに肌が熱い。

気になってチラリと視線を移す。

整った横顔、くせっけの髪。

この人ならどんな格好をしても品があるって思える洗練された容姿。

女の子なら誰でもトキメクて思える。

スターだわ。

「盗み見なんかしないで、俺を見ろよ。遠慮すんな」

背中に回された腕。

肩を抱かれるんじゃないかって思って身が硬くなった。

わぁぁぁぁ。

右手の指が右肩に触れそうで触れてない。

「遠慮なんかしてませんから！」

自分のドキッとした気持ちを誤魔化す様に口調が強くなる。

振り向いて見上げた先にキラキラと輝く瞳が私を映し出す。

えっ・・・

なに・・・

優しく愛しげな瞳にドクンとまた心音が早まる。

「腹立つな」

「えっ？」

「なんだよ、その他人行儀な口調は」

横柄な口調がなんだか懐かしくって、ホッとしてる。

これはなんだ？

省吾さんは穏やかで、周りの使用人さんたちも遠慮がちな口調でしか話さない。

聞き慣れない荒い口調がホッとするなんてどうなんだろう。

ずっと聞いていたいって思うのはこの人だからなのだろうか。

「会ったの・・・初めてですよね？」

聞かずにいれなかった。

初めてじゃない。

私を知ってると言ってもらいたい。

縋るような想い。

省吾さんの話だけじゃ安心できない自分。

私は本当に省吾さんと結婚してるってこの人に証明してほしいのだろうか。

「俺のこと、道明寺って言ったよな？」

「有名ですから」

不愉快な表情はそのまま不安げな表情で私を見つめる。

「指輪・・・」

彼の視線が私の左の薬指をじっと見つめて苦痛そうに呟く。

その表情がなぜか私を不安にさせた。

「えっ？これ」

なにか、見つけられたくないものを見つけられたみたいで、秘密がばれて泣きそうな子供の気分だ。

「結婚指輪ですけど・・・」

指輪を隠す様に右手を重ねる。

「実感ないんですけどね」

「結婚した記憶も子供を産んだ記憶もないのに・・・」

言い訳する必要なんてないのに・・・

今の自分の立場を受け入れられない本音の声。

この人に告白したのはなぜなんだろうと心がザワツク。

「・・・あの、私のこと・・・もしかして知ってます？」

確かめたくって食い入るように詰め寄って、胸元にしがみつきたい衝動。

頼れそうな感覚は省吾さんにもわかなかった感情。

「俺のこと・・・忘れてるのか？」

絞りだすような声が胸を締め付ける。

私とのこの人の関係ってなに？

ただの知り合いって思えない。

もしかして・・・好きだったとか・・・

結婚していてこの感情ってイケないことだよね。

目の前の彼から答えを聞くのが怖い気がしてきた。

「おい、牧野！！」

肩を掴んで大きく揺さぶられる。

牧野って・・・

私？

わたしは錦織のはずで・・・

もしかして偽名？

偽名まで使って私はこの人と会っていたって事？

「真央」

後ろから聞こえた声にビクンと背中い緊張が走る。

「省吾さん!!」

ベンチから立ち上がって大声を上げていた。

つくしちゃん、凄い思い違いに走ってしまいましたが・・・

記憶を想い出したら笑い話になるはずだよ～。

まだそうは思えないですよね(~_~;)

続きの催促はお手柔らかにお願いします。

　

拍手コメント返礼

さよらぶ様

記憶がないからまた波乱の起きそうな方向へ、自ら持って行くのはつくしちゃん♪

ワクワクしてもらえるのは嬉しいですね。

先に話を進めないと私の頭の中も持ちそうにありません。!(^^)!

やなぎ様

バーベーキューはいかがでしたか？

我が家も昨日から旦那の実家に帰ってバーベキューでした。

先ほど帰宅♪

休日最終日がなぜか忙しいです。

あり得そうな勘違い。

つくしちゃんがそう思ってるなんて周りは思わないでしょうね。

あずきまめ様

記憶を取り戻したら・・・

誰にも言えそうもないカン違い

つくし＝不倫

きっとF４　「ありえねぇー」と連発しそうじゃないですか？

思い出した後のことを思うと笑えるんですけどね。

Gods&Death 様

そうですよ～

2話UPしてました。

必死で頑張ってUPしたんですから～

今日はまだUPできてないですけどね。(^_^;)

可愛そうなのは亜美ちゃん。

今ならつくしと離れてもたぶん記憶には残らないでしょうけどね。