いくつもの嘘を重ねても 12
二日続けて更新がないとそろそろしびれが切れたころではと思いUPです。
予定では「DNA」だったんですけどね。
明日はどっちになるかなぁ・・・。
すんなりつくしを帰すなんて司らしくない!
ごもっともです。(^_^;)
ここは嫌がろうと暴れようとお前は俺のものだと強引な司君でいきたい気持ちはあったんですけどね。
どうも我が家の司ッちはつくしにはすご~く優しくて・・・
何でだろう?
「大丈夫ですか?」
「このくらいたいしたはことない」
親指で切れた左の唇の傷を確かめるように触れる。
痛みにわずかに顔を顰めたのが見えた。
「ごめんなさい」
「どうして君が謝るの?」
「えっ?」
なんでだろう。
なんだかこんな場面があったような気がする。
イラついた背中を見つめながらその後ろで頭を下げる私。
省吾さんは暴力を振るうようなタイプには見えない。
落ち着きがあって、穏やかで、そして大人だ。
なんでよ。
そんな気持ちでイラついた背中を見ていた記憶。
それは省吾さんとの記憶のものじゃないと分かる。
「なに笑ってるの?」
「いえ…なんでもなくて」
ちょっと記憶の破片が見えたことを言えなくて言葉が途切れる。
「ごめん・・・」
落ち込んだ様な切ない声。
「どうして省吾さんが謝るの?」
「バカなことをやってるって思ってる」
小さく独り言のように聞こえた声。
動いた右腕が私の左手を掴んで、手のひらを握った指先はそっと左の薬指のリングをなぞる。
「ごめん」
リングを見つめながらもう一度つぶやく声。
それは私にじゃなく、リングに語り掛けてるように思えた。
誰に謝ってるのか、なんに謝ってるのか・・・
考えようとすると頭が重くなって、気分まで重くなる。
私の感情は省吾さんより道明寺司に、ドクンとなって、懐かしくて・・・
「こいつは、真央じゃなく、牧野だ!」
叫ばれた瞬間に何か思い出せそうな気がした。
なのに省吾さんに殴りかかった瞬間に怖いイメージが頭に浮かんで身体が震えていた。
「どけッ」
「やめて」
これ以上、彼に殴らせたらダメだ。
庇ったのは省吾さんじゃなく彼の方なのかもしれない。
時間が経過して落ち着いたらなぜだかそう思えて仕方がない。
「そいつを庇うのか?」
不機嫌な声に相反するやるせない瞳。
「今は、なにを、どうすればいいか、信じていいのか、わかんないの!」
私が求めてるのは省吾さんじゃなくこの人なのかも。
私、結婚してるんだよ。
なのにどうして、省吾さんじゃなく、この人が懐かしくて、抱きしめてもらいたいって思うんだろう。
彼を好きだったのは結婚前?後?
何か理由があってわかれたとか?
結婚前の旧姓が牧野なら、不倫じゃない。
でも私の気持ちが省吾さんに無いのだとしたら・・・
私が省吾さんを裏切ってる事には変わりがない。
道明寺司。
私との関係を省吾さんは知ってるのだろか・・・
今は何も聞けそうもなくて、ため息を付いて飲み込む。
食事の後に、まだ仕事が残ってると書斎に籠る省吾さんを残して寝室に向った。
ず~と考えてるのは道明寺司のことで、思い出せない記憶が歯がゆくて泣きたくなる。
どうして思い出せないんだろう。
自分のことも何一つ思い出せてはいないのに、気になるのは乱暴な口調と行動には似合わない優しくて熱く見つめるあいつの瞳。
眠れそうにないじゃない。
ベッドに入って頭から布団をかぶる。
それでもあいつの印象は強くて頭の中から出ていきそうもなかった。
「牧野!」
「おい、牧野!」
聞こえる声は乱暴に、横暴に、嬉しそうに声色を次々に変える。
牧野真央なのかな私?
しっくりこないんだけど・・・
コン!
なに?
カタッ!
なんだ?泥棒?
恐る恐る布団の中から顔を出して音のした方向に視線を向ける。
コンコン。
ガラスを打つ拳が見えた。
えっ・・・?
道明寺・・・・?
思わずベッドの上に座り直して目を凝らす。
見間違いじゃない・・・
クルクルのクセッ毛と整い過ぎた顔立ちがぶにゅっと崩れて窓に張り付いてる。
もう、バカなんだから。
その姿にクスッと頬が緩むのが自分でもわかった。
応援のプチをよろしくお願いします。♪
拍手コメント返礼
やなぎ様
殺気?
書かなきゃいけないと思ったのはそうだったか・・・(笑)
このお話への食いつきが違うんですよね。
他の作品より楽しみにしてもらってるのを感じます。
喜んでいいのかしら?
部屋に押し掛ける!
司ならやりそうでしょ?
これが一番いいと思っちゃったんですよね。
あずきまめ 様
慰めるなら省吾より、、司がいいかなぁ。
「失せろ」と言われそうですけどね。(^_^;)
司君そう来ました♪
しかし思い出しそうで思い出せないのって凄いジレンマですよね。
ストレスたまりそうじゃないですか?
つくしって自分で考え込んで自分で解決しようというタイプですからね。
そこにつけこむ司。なんて芸当はないだろうなぁ。
かーちゃん 様
ドラマではやってましたね。
司が記憶を無くした時にいろいろと再現♪
海が出てきてややこしかったですが、冬山の遭難を思いだします。
といことはここでも何処かに閉じ込めて・・・(^_^;)おいおい
ぶたご様
不法侵入なんて言葉は司にはないでしょうね。
俺は行きたいところに行く。
邪魔すんな。
邪魔できないと分ってるF3は裏方に回る。
たぶんそんな舞台裏。
おかゆ様
夜這いさせました♪
してないから・・・(^_^;)
コスモス様
二日ぶりの更新お待たせしました♪
早めにと行きたいところですが、週末なので邪魔者が~、時間の都合で分かんないんですよね。
これが悲しい(/_;)
もものこ 様
はじめまして、気に入って頂けてエネルギーUp出来ました。
ほぼ毎日更新を目指して頑張ってます。
応援ありがとうございます。
たぶん、最後はつかつく甘々になると思います。
まい2様
つくしちゃん、本当は気が付いてるんですよね。
それでも確信が持てない記憶。
それを押さえつける結婚の言葉。
記憶を失って目の前に現れた見ず知らずの夫。
ハンサムで優しかったら一応はついていきますよね。
そこに司君が現れて~
強引にアプローチ開始。
どこまでつくしちゃんはついて行けるんでしょうね。
逃げるかなぁ・・・。