DNA で苦悩する 46
おはようございます。
週末はあいにくの天気でこちらは雨です。
このまま梅雨がくるんだろうな。
憂鬱な気分は駿君も一緒かなぁ。(~_~;)
「初デートで、お互いの親と対面か。俺なら避ける」
登校してすぐに教室の机の側にやってきた蒼。
楽しかったの感想にぎこちなくうつ相槌。
怪訝そうな顔で僕を覗き込む蒼。
「なんか失敗したか?鮎川を両親に会わせたんだろう?」
失敗なんかしてない。
たぶん・・・。
この問いかけに、かいつまんで昨日の話を蒼に聞かせる。
「そっちこそどうなんだ?」
「次の約束を取り付けた」
ニンマリと嬉しさを表情に出す蒼。
「今日、放課後一緒に帰るんだ」
次のデートの約束じゃないんだ・・・。
僕もきょう学校でとしか約束できてない。
似たようなもんか。
デートから両親に会わせて、キスまではうまくいったと思う。
驚いた表情がはにかんで僕を見つめて、目を合わせられない感じで互いに逸らした視線。
勇気を出して鮎川の腕をとった。
その後はいつもの鮎川に戻ってクールな表情をうかべて、非難気味な声がすぐに明るく僕にじゃれる。
マンションの側の一角。
鮎川の親父さんに見られてなかったよな?
見られたら殴られてるかぁ・・・
頭を抱えこんで机に肘をつく。
付いたため息が机を一瞬曇らせた。
「ため息を一つ付くと一つ幸せが逃げるって知らないの?」
その声に慌てて顔を上げた。
視線の先で「おはよう」と笑顔を見せる鮎川。
「大丈夫だった?」
「なにが?」
「君の親父さん」
僕らの間に立って双方の顔を交互に見つめる興味津々の蒼をあっち行けと睨む。
「邪魔者は消える」
一言多いんだよ。
べつな級友の側に離れた蒼が振り返って僕にガッポーズを見せる。
応援はいらないぞ。
「ムスッとしてたけど、なんにも言われなかったから」
「言われないうちの自分の部屋に逃げ込んじゃったけどね」
「それでよかったの?」
「父さんと言いあいする気になれなかったから、折角のデートを嫌な感じに終わらせたくなかったんだよね」
あっ・・・。
ほんのりと頬に赤みが付く鮎川に僕もつられそうだ。
照れるのを隠す様にそそくさと視線を外す素振りで鮎川がポケットから小さい紙袋を取り出して僕に差し出す。
「昨日渡すつもりだったんだけど・・・」
開けてみてと渡された紙袋の中身は青色のイルカに男の子が乗っているストラップ。
鮎川の見せてくれた携帯にはピンクの色のイルカの同じストラップが揺れてる。
「記念だから無くさないでよね」
鮎川の目の前で直ぐに自分の携帯にもストラップをつける。
「もしかして、鮎川ってさ、昨日の水族館の入場券も大事にとっておくタイプ?」
「悪い?」
口角を上げてムッとした表情を鮎川が見せる。
拗ねてる感じがどうしようもなく僕の心の奥をくすぐる。
鮎川の見せるどんな表情も僕を楽しくさせる。
「いや、かわいいと思う」
僕の携帯で揺れるストラップを見ながらクスッと笑みが漏れた。
「呑気に言っていいの?」
「なにが?」
「父さん今週末から撮影に入るらしいよ」
あっ・・・
スッカリ忘れていた。
拍手コメント返礼
ことり 様
こちらの恋はほのぼので♪
鮎川パパがどう絡むのか!
ここで雰囲気が変わる?
廃品回収大変ですよね。
小学校の頃は年に2回ありましたね。
懐かしい~。
司はやったことないでしょうね。
つくしちゃんは家計のために廃品回収していたりして・・・(~_~;)
アーティーチョーク様
早く翔五郎さんに駿君の正体をばらしたい感じをお見受けするんですけど~。
この話ではばらさずに次の話に引っ張るつもりですよ~。
おいしいところは最後に残しとかなきゃ~(笑)
期待を裏切り申し訳ありません。(^_^;)