いくつもの嘘を重ねても 14

気分が落ち着いたところで更新です。

今週の週末は娘の部活の大会で土日二日間朝から応援です。

予約投稿ができればいいのですが、今回の件でまだ作品が出来上がってないんです。

あと二日でどれだけ作れるのか・・・

土日UPができてなくても心配しないでくださいね。

娘の大会の応援のせいですから。

お知らせでした。

ぜひF3のお話を~♪

リクに浮かれて本編が進む前にちょこっと寄り道です。

「今はまだ牧野を混乱させるから本当の事は言うな」

錦織の屋敷に向うヘリの中でそう言ってあきらは司の肩を掴んだ。

「動揺を与えることがどういう結果を生むか考えながら行動しろ!」

追い打ちをかける様な総二郎の口調。

司は何とも思っちゃいないだろうけどね。

今も昔も考えるより先に行動する性格。

牧野のことになるとなおさらだって誰よりも俺たちは気が付いてる。

そして・・・

司と牧野のつながりの深さは俺たちが一番知っている。

司が記憶を無くした時、牧野がどれだけ必死になったか傍で俺は見ていたんだ。

歯痒くて、見てるこっちがつらくなるほどの牧野。

羨ましいくらいに必死になって頑張って、冷たい司に落ち込んで、耐えていた牧野。

それ以上に苦しんでる司を今回、目の前にした俺達。

きっと牧野は記憶を取り戻せると俺たちも信じてる。

「司と牧野が会うことは刺激になると思うけどね」

司が久しぶりに嬉しそうな笑顔を浮かべてみせた。

「司、気をつけろよ」

ヘリの下にぶら下がる縄梯子をつたって降りてギリギリのところでぶら下がった司に声をかけた。

バラバラと頭上高くで回転するプロペラの音は暗闇に響いたまま目的の場所まで近づいた。

「俺を誰だと思ってる」

余裕で浮かべる笑み。

そんな余裕ない方がいいんじゃない?

言いそうになった言葉を飲み込んで頑張れと小さくつぶやく。

「おまえら早く消えろよ。うるさくて邪魔だ」

「ハイハイ」

苦笑するあきらが総二郎にチラリと視線をあわせる。

俺達の会話はヘリのプロペラの音にかき消されていく。

司に言われなくても一か所に長くいられるはずがない。

騒音が暗闇の静けさをかき乱す。

ヘリの音でバレタラ計画は崩れる。

その心配はこの屋敷の防音を考えれば大丈夫らしい。

家の設計図を示しながらあきらがそう答えたのは1時間前。

短時間で相手の屋敷の設計図まで手に入れる用意周到さはあきらじゃなきゃできない芸当。

べランダに飛び降りた司を確認しながらヘリは上昇を始めた。

窓に張り付いていた司が吸い込まれるように部屋の中に姿を隠す。

「順調だな」

「あぁ」

「しかしこの措置すごいな」

「体温を関知して居場所を知らせるって、普通、使うとこねェよな?」

「俺に聞くな」

タブレットの画面の中で二つ重なって点滅する赤い光。

もう一つの点滅は遠く離れた部屋で小さく点滅を繰り返す。

「簡単に部屋の中に入れてもらえるとは思わなかったな」

「ふつう、黒服の男が2階の窓に張り付いていたら悲鳴あげるぞ」

さっき見た光景をホッとしながら笑みが漏れる。

「牧野・・・記憶が戻ったわけじゃないよな・・・」

見えない二人を見つめるように投げかけた視線。

ヘリの窓から見える夜景がキラキラと真下に見える。

「記憶が戻ってたら、そのまま司が牧野を連れ去るだろう」

「ぐずぐずせずにな」

司を焦られることを言ったのはこの二人。

けしかけながら、落ちつけって司に言えるやつはそうはいない。

「結婚してて、子供を産んでると牧野は思ってるわけだろう?」

「一緒の部屋で並んで寝てたらどうする?」

そう言うあきらの手の持ったタブレットの点滅はべつべつな部屋の位置を示す。

「牧野がそんなに簡単になびくわけねぇだろう」

「俺がどれだけ大変だったか、おまえら知ってるじゃねェか」

緊張していた司の表情は焦りと不機嫌さで頬の緊張が解けていくのが分かる。

「司が消えてから10分か・・・」

あきらが袖口をまくって腕時計で経過した時間を確かめる。

ゆっくりと旋回したヘリはもう一度錦織の屋敷の上まで近づいていた。

オレンジ色の明かりの漏れる窓が開いて顔を出す司が双眼鏡から見えた。

それに続く牧野らしき人影。

「あいつら、二階のベランダから庭に飛び降りるつもりか!」

「空からの侵入には警戒して無いだろうけど、庭の警戒はどうなってる?」

「一応遠隔操作で切ってあるはずだ」

タブレットのキーを叩くあきらの指先がせわしく動き出した。

「おい司!返事しろ」

つながってるはずの司にマイクから呼びかける。

「くっ・・・司の奴!」

「屋敷を出るときは連絡寄こせって言ってたのに!!」

「牧野に会って俺たちの存在わすれたんじゃない?」

「司!司!」

司を呼びかけるあきらの声が焦りに変わっていた。

楽しみいただけたら応援のプチをよろしくお願いします。!(^^)!

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拍手コメント返礼

やなぎ 様

ハイもしかしなくても一悶着♪

簡単にはつくしが手に入らないほうが面白いかと・・・

いや手にれるのかな?司君ですしね。

あずきまめ様

なんだか今回はスリリング~。

脱出♪

脱出♪

してほしいようなしてほしくないような・・・

どっち!!

Gods&Death様

司君♪暴走しちゃだめよ~

なんとなく親心。

庭に何か仕掛けが・・・

あると面白いなぁ。

もものこ 様

更新楽しみにしてもらえて嬉しいです。

司応援隊増殖中ですよ♪