我儘な僕に我儘な君 7

舞ちゃんと佑君のお話も進めないとね(笑)

この二人どうなるんだろうなぁ。

「あっ、来てたんだ・・・」

「今日は父さんと母さんのお供」

佑の眺める先にはパパもママも佑の両親と仲よく談笑中。

相変らずの人目を引く華やかさ。

そこだけ空気が違う。

タキシードを着こんだ佑はいつもより大人びて見える。

佑が手に持ってるオレンジのジュースがなんとなく似合わない気がした。

「また身長伸びたんじゃない?」

「舞が伸びてないだけじゃないの?」

からかう様に佑の手のひらがポンポンと頭の上を軽くたたくように動いた。

「折角の髪が崩れるじゃん」

アップにした後ろ髪。

私の年には不相応なダイヤのイヤリングとネックレスがキラキラと光る。

これでも一番小さいやつにしたんだよね。

あんまり付けたくないのが本音。

ママなんていまだに高校の時にパパから贈られた土星のネックレスが胸元に一つのシンプルさ。

「可愛い」

「えっ?」

「ネックレスが・・・」

そう言ってクスッと佑が頬を緩める。

ドキッとなった胸が小さくため息を付く。

ネックレス?

ドキッとなった自分がバカみたいで顔が熱くなる。

「ウソ、この会場の中で一番舞が可愛いって思う」

横を通ったウエーターのトレーの上から取ったグラスを佑が私に差し出しながら腰をわずかに曲げる。

少しだけ近くなった佑との距離。

まだ十分な距離があるはずなのに、佑の息が頬に触れたような気がした。

この部屋熱くない?

グラスの持ってない左手で頬を煽いでしまっていた。

これ以上佑と目を合わせていたら体中に汗が吹き出しそうで困る。

道明寺主催のパーティーにこの人たちが揃わないはずはないんだよね。

何処かに類パパも総パパもいるはずだと佑から視線を外す様に辺りを見回す。

「ヤッパリ、あきらの息子だな」

「俺達の姫を口説こうなんて10年早い」

探すまでもなく柔らかなオーラーがふんわりと私たちの周りを包む。

えーーと、それ本気で言って欲しくない。

「10年も彼氏ができないまま26歳になるのヤダからね」

「その時は、俺が舞をもらってあげる」

小さいころから類パパに言われてる聞き慣れたセリフ。

冗談だって笑ってるのはママと私だけで、いまだにパパは難しい表情で類パパを睨む。

「俺も立候補してるぞ」

そこにちょっかい出すように総パパまで同じセリフ。

「てめえら、早く結婚しろ!!」

食いつくように叫ぶパパ。

このパターンが分っていながら相変わらずの態度しか見せないパパ。

「舞に彼氏ができたら大変だ」

ママは笑ってるけど、私は笑っていられるほど気楽じゃない。

本当に彼氏を紹介したら頭からパパにかぶりつかれそうだもの。

「誰が、舞を口説くって!」

笑いあっていた私たちの口元がピタリと固まった。

あっ・・・パパ・・・。

「佑!!」

総パパが言う前に佑は少し離れた場所で駿お兄ちゃんと翼で固まっていた。

「逃げたな」

ククッと声を漏らしてあきパパは楽しそうに笑う。

「あきら、佑に舞にちょっかい出すなって言っとけ」

「あれ、佑と翼は舞に悪い虫がつかないためのナイトをさせてたんじゃないのか?」

「そいつが、手を出したらダメだろうがぁ」

落ちついた調子のあきパパにうちのパパは軽くあしらわれてしまってる。

そのやりとりを楽しく見つめてるママ。

「あのね、パパ、手は出されてないから」

ため息交じりに呟いた。

佑はいつも私を子ども扱いする。

それが私を傷つけてるとは思っていない佑。

今日は誰のために頑張って準備したって思ってるんだろう。

恨めしく視線を移した男子3人組。

パパ達のF4に負けないくらいの艶やかな空気をまとう。

遠くから見惚れてる女子の視線は一つや二つじゃない。

3人とも予約済みなんだから!

言えない言葉をジュースと一緒に喉の奥に流し込んだ。

「佑君ならママは安心だけどな」

「そしたら、つくしちゃんと私は親戚になるのね」

「舞の姑が葵さんなら私も安心だわ」

手を合わせて盛り上がってるママと佑のママ。

「司と親戚になるのか・・・」

額を右手の指先3本で支えて眉を顰めるあきパパ

「なんだ、その悩んだ顔は!」

「牧野と舞はいいけど司がな・・・」

「てめっ!それは俺のセリフだ」

腕組みをしてあきパパからプイと顔を横に背けるパパ。

その横で「プッー」とママが声を吹き出した。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

アーティーチョーク 様

舞の場合は司が騒動を作りそうですよね。

もう少しは高校生の恋をあわ~くお届け出来たらいいかなと思っています♪

司にばれるのと内緒なのとどっちが面白いかなぁ・・・

やなぎ様

早くくっ付いて、司にばれたら、このお話の面白味が終っちゃうような気がします。(笑)

どうやって落ち着くんでしょうね。

かき回すためにもっといろいろ問題を投入してほしいような気がします。

楓さんに舞ちゃんに見合い話を持ってきてもらうとか・・・

司君より佑君が慌てたりしてね。

かーちゃん 様

二人は独身?

そこに食いついたお方が多くて・・・

今の段階では独身にさせていただきました。

何時かは変わるときがくるかもしれませんけどね。

片思いのドキドキって見てる方は歯痒さと初々しさといろいろ楽しめますよね。

ことり様

おはようございます。

元気に朝を迎える事が出来ています。

実生活での週末の忙しさの方がヘトヘトで・・・(~_~;)

子供の部活の応援で大声を出してストレス発散してきました。

その反動で今日はげっそりです。

女の子って突然父親との距離を取り出しますよね。

我が家も最近は父親はウザいみたいです。

あずきまめ 様

司とは親戚以上の深~い付き合いのF3なんだから、悩む事無いですよね。

それでもあきら君を悩ませる一番の事柄になったりして・・・

おかゆ

舞ちゃんの恋、応援隊ですね~。

私も家族の話はホッコリできて、幸せな気分にしてくれるので書いていて楽しいですよね。

気持を楽しくさせるときはこんなお話を想像するに限るんです。