いくつもの嘘を重ねても 16

映画のアクション並みの脱出劇!!

司ならカッコよく決めてくれそうなんですけどね。

ド派手に颯爽と緊張と緊迫に艶やかさを盛り込んでつくしをさらう司君。

頭の中に映像は浮かぶんですが私の表現能力がついて行けるかどうかが問題。

邸の中をつくしに彷徨わせてしまってます。

別館更新しました。

「とにかく、ここで待って!!」

牧野の腕が伸びてきてギュッと俺の腕を掴んだ。

ジッと俺を見つめる視線は熱くて潤んだように見えた。

「命令されるの好きじゃないんだ」

おまえは特別だという様に俺の腕を掴んでいる牧野の手に自分の手を添える。

瞬きの多くなった瞳。

開いた瞼の奥の瞳は逃げることなくじっと俺を見つめてる。

意志の強い生命力の強さを印象付ける真直ぐな黒色の瞳。

その輝きは記憶を無くしても牧野のもので、牧野らしくて俺を喜ばせる。

誰が、違うと言い張ってもこいつは牧野以外の何者でもない。

早く俺のこと思い出せよ。

時折見せる頼り無い表情。

それでいて信頼してる素振りを見せて俺を浮かれさせる。

意識的じゃなく俺を喜ばせる態度。

本当は記憶もどってんじゃねぇのか?

そんな猜疑心まで心の奥に浮かんでくる。

「見返りは?」

「何も持ってないし、お金もないし・・・」

俺がお前からお金をもらってどうするんだ。

考え込んだ牧野とは対照的に俺の喉の奥から笑みが漏れた。

やっぱ、記憶は戻ってねェか。

戻ってたら、俺が押し倒すのを警戒して逃げの体勢を取るもんな。

お金の心配より、俺に無駄遣いするなって説教を始める珍獣。

「これで、我慢してやるよ」

華奢な体は抵抗するまもなく俺の方へと引き寄せられる。

いつもなら「やだ」と「なにする」とか無駄に騒ぎ立てるのに声も出せずにされるがままの牧野。

物足りなさを感じてる俺はどれだけ牧野に慣らされてるのか。

触れた頬が牧野の熱を直に俺に伝えてくる。

もう、離せそうもねェ・・・。

コツンと肩にもたれ掛った牧野の頭。

愛しさのままに感情が動いて牧野の頭を腕が抱き込んでしまってた。

確かめるようになぞる頭。

指先が髪の中に滑り込む。

指先にまとわりつく毛先。

梳くように動かした指先からシャンプーの香りが鼻先をくすぐる。

「・・・牧野ッ」

俺の声に反応するように牧野の腕が動いて手のひらが俺の胸を押した。

頭一つ分離れた距離。

唇が触れあう距離に近づきそうになったとき拒むように牧野の唇が横に逃げた。

真っ赤になった頬に戸惑いを浮かべた表情。

「とにかく、ちょっと見てくるから」

逃げるように俺の腕から離れた身体。

そのまま部屋を飛びだした牧野はパタンとドアをしめた。

照れくさそうに初心に見せた表情。

どうしようもなく気になって、気が付くと牧野の姿を探していた俺。

惚れて、初めて抱きしめた瞬間の高揚を思いだす。

俺に見せた純な反応はあの頃のまま。

牧野の姿を追う様にわずかに開いたドアから視野を広げる。

階段をゆっくりと慎重に降りる牧野の姿が見えた。

「あっ・・・」

小さくつぶやいた牧野が動きを止めた。

「めずらしいね。こんな時間に部屋から出てくるの?」

俺からは姿も表情さえも見えない位置から聞こえた錦織の声。

窓から飛び出した方が問題なかったんじゃねぇのか?

あいつの言うこと聞くんじゃなかった。

ややこしくするのは牧野の特権だった。

クソッ!

飛出したい衝動を抑えながら息を殺す。

「喉が渇いたから何か飲もうかと・・・」

動揺を隠す様にゆっくりと牧野が声を絞り出す。

「少し話さないか」

その声に促されるように牧野は階段を下りて俺の視界から姿を消した。

ぎゃーーーーッ。

今日は書き上げた瞬間にキーを打ち間違えて一瞬で文章がすべて消えました。

書き直しの羽目に・・・(/_;)

最初に書いたのが出来が良かっただけに残念。

今日は2話UPするつもりだったのに意気消沈。

楽しみいただけたら応援のプチをよろしくお願いします。!(^^)!

 ブログランキング・にほんブログ村へ

拍手コメント返礼

あずきまめ 様

年に1度はやってますね。(^_^;)

サーバーが不安定でUPできないことは今までも何度かあったんですけどね。

自分のミスで消したのは初めてでショックでした。

すぐに立ち直ってましたけどね。(笑)

こら!省吾いいとこで出てくるなよ!

叫びたくなりますよね。

つくしちゃんをどうするの~

続きはゆっくりとUP~ ← 意地悪?

やなぎ 様

司の性格じゃすぐに飛びだすでしょう。

それじゃ面白くないんですよね。

ここはぐっと頑張って耐えてもらって・・・

司君には似合わないなぁ(^_^;)

ねぼ 様

想像がつかないとコメントいただけるとそれだけでうれしくなっちゃいます。

私のほうもぼわっと想像してる状態でここからどう進めるか模索中なんですよね。

記憶がなくても司を直感で感じてるつくしちゃん。

どう絡まっても結び目はほどけるのでしょうけど、それをどうほどいていくかがこれからのお話になると思います。