永遠のラビリンス 13

司君、キャラが変わったと思われえなきゃいいんですけどね。

遠慮して目撃した人は気が付かない振りをするのかな?

ふて腐れた態度の自分を見るのはあまり気持ちのいいもんじゃない。

大学の友達の前じゃ絶対に取らない私の態度を目の前で見てる。

私の中身が道明寺なら機嫌はこんなもの?

私の中にいるあいつが機嫌が良くなる状況であるはずがない。

公平を睨みつけてるよ。

普段から異性にちょこっとあいさつしただけで嫉妬丸出しで「浮気すんな」とか「色目使うな」とか私を詰ってくるんだから、見た目は私の道明寺の目の前に、にこやかに座ってる公平を道明寺がどう見ているのか・・・

その心情は手に取るようにわかる。

いきなり椅子から立ち上がって公平の胸ぐらをつかむような真似だけはしないでよ!

皆のテーブルに脚が近づくたびに心に湧き上がる不安で心臓がドクドクと音をたてる。

「きゃー、来たよ、つくしどうするの?」

聞こえてきた興奮気味の法学部の女子仲間。

普段でも、道明寺との事を興味本位に聞きだしにかかられる。

ケンカしたとか、人の予定は無視されるとか色気のない話なのに、道明寺様と1回、1秒でも付き合えるならケンカでもいいっという反応が返される。

その実物が突然迫ってくるのだからうっとりとした表情を浮かべるのも予測内。

何時も見慣れてる光景も、外から『またか』と見てるんじゃなく自分に向けられていることには慣れない感じが微妙な違和感を生む。

今は私が道明寺。

先手を打って不機嫌に私の道明寺を連れ帰るのが得策。

なにしてる!

何のつもりだ!

迎えに来てやったぞ!

突然現れた道明寺の今までの態度を頭に思い浮かべる。

バリエーションは対して無い事に気が付いた。

だいたい私の返事を待つより、押さえつける言葉で有無を言わせない横柄な態度が多いんだから。

「ごくり・・・」

私の道明寺を見つめながら緊張が喉を鳴らす。

「ここにいて、なにするつもり・・・だ」

背中から私の道明寺を覆う様にテーブルに両手をついて上から眺めた。

ここはぶっきらぼうに、横柄に見せる!!

注意点はこの一点!。

一呼吸を置いて付け加え『だ』

少し変だったかな?

慣れないセリフで舌を噛みそうになった。

「講義のレポートをまとめてるだけですから」

私の道明寺より先に公平が代わりに答えた。

私を守るような態度を見せるのは公平の男気。

自分の背中に私を守る様に隠す態度を見せる。

今はそれはいらない。

変に道明寺が誤解したら困るんだから!

他の学生みたいに視線を逸らして目を合わせない様にしてほしいツーの。

「知ってる」

公平ごめん。

心の痛みを感じながらチラリと一瞥してお前に聞いてないって態度をとる。

たぶん道明寺ならそんな態度をとるはずだから。

視線の先でとらえた私の道明寺。

その・・・無理すんな的な余裕な笑みはなんなのよッ!

「来い」

なんだか道明寺の真似をしてることが恥ずかしくなってきた。

焦りを隠す様に腕を伸ばして私の道明寺の腕をつかむ。

「イタッ」

私にはいつもこれ以上の力を押し付けてくるんだから、我慢しろ!

「嫉妬する様なことじゃないでしょう」

横から伸びてきた手が道明寺の私の腕を掴む。

別に嫉妬してるわけじゃ・・・ないんですけど・・・

批難する視線が私の道明寺に突き刺さる。そして、大丈夫かといたわる視線を私の道明寺に向けてる公平。

友達思いも度を過ぎると私を追い込む結果を招く恐れがある。

このまま公平が側にいたら本当にヤバイ。

道明寺の私じゃなく私の道明寺が嫉妬丸出しになったらどうする。

「・・・」

道明寺の私から掴んでいたい腕を外す。

ここは悪びれずに道明寺の私を引き寄せた方が道明寺らしかった。

そう思っても離した腕をもう一度伸ばす勇気は私にはない。

乱暴ですね」

ひゃ~

公平の蔑む視線がイタイ。

乱暴って、普通・・・」

何時の道明寺より穏やかな対応なんだから。乱暴なんてことはない!と、思う。

公平に説明してもわかるわけがない。

早くここを立去りたいよ。

「此奴は、俺んだからいいんだ」

「他人が口出すな」

心を強くしてもう一度私は道明寺だと自分に何度も言い聞かせた。

「連れて帰らせて もらう」

椅子に座る道明寺の私を椅子から引き話す様に腕を引っ張った。

「帰る必要ない」

へっ?

道明寺の口調の横柄な私の声。

なんで、ここで抵抗するのよ!

ここにいたらどんなことになるか分かんないんだから。

何考えてるの!

道明寺の危機感の無さにムカムカしてきた。

「このまま置いておく訳にはいかないでしょう!!!」

ヒステリックな道明寺の声に発声した自分が一番驚いてる。

「ガシャ」

後ろを通りすぎようとしたウエイターのトレーの上でガラスのぶつかる音が聞こえた。

え・・・と・・・。

どうしよう。

視線をどこに向けていいのかわからないままに私の道明寺と視線がぶつかった。

てめっ。

ガシッと睨まれてる。

えっ?

ヘッ?

私の道明寺の腕が伸びてタイを掴んでグッと引き寄せる。

ななななに?

柔らかい感触が唇を覆う。

頭の中ですべての感覚が消えて真っ白。

道明寺・・・何やってる?

「これで、さっきの印象は薄くなったんじゃねェ?」

離れた唇がニンマリと笑った。

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拍手コメント返礼

かえまま 様

おはようございます。

振替休日の移送がしい中のご訪問ありがとうございます。

『幸せの一歩手前』

このお話を書いてるときはもう頭の中でファイナルの後の2人が動き回っていましたね。

懐かしいな。

私も読み直して来よう♪

公平はつくしの違いに気が付くでしょうか?

やなぎ様

私も予想外の進展になりました。

つくしからのキス~(中身は司♪)

すぐに返ってくれるかどうかは怪しいですけどね。(笑)

あずきまめ 様

大胆なつくし♪

柄じゃないですよね。

オカマの道明寺に思われてる方がまし!

つくしちゃんがそう思ったら話はややこしくなりそうで~。

Gods&Death 様

司のつくしがとった行動。

公平君の反応は気になるところですよね。

うんうん。

次回で~す。

キャサリン

入れ替わったままなら大変でしょうけどね。(笑)