いくつもの嘘を重ねても 21

台風の影響はいかかでしょうか?

それほど強い雨も風もなく、台風が本当に近づいてるのかと疑うような状況です。

さて、今までお騒がせした件は無事になかった事にしていただきました。

詳しくは別館記事に記載してあります。

私の載せたこの件に関する記事は削除しましたのでお知らせいたします。

このたびはご心配と、温かな励ましたくさんいただき感謝いたします。

ここから気分よく執筆に専念出来ることを願いながら・・・

あっ・・・

台風で昼には子供が帰ってくるんだったよ(/_;)

連れ戻した牧野をベットに横たえる。

何時の間にか振り出した雨は窓ガラスに水滴を垂らす。

窓ガラスに映し出される牧野はまだ寝入ったままで、どこに連れてこられたかもわからない状況のはず。

この部屋をこいつは覚えてるのだろうか。

このベットの上で抱き合った夜。

なんどとなく抱き寄せて唇を合わせたことを。

ベットの端に腰を下ろした重さでわずかに沈むマット。

ギシッと軋むベットの音が牧野の吐く息と重なった。

腕を伸ばして背伸びをしたまま華奢な身体の横に自分の身体を投げ出して息を一つ吐く。

思いっきり弾みをつけて転がって見ても、牧野は気が付かない様に寝返りをうつだけ。

背中を向けられてしまった。

しかたなく窓ガラスに映し出された牧野の顔を見つめてる俺。

「やっと、戻って来たな」

だらしなく顔が緩む。

触れれば届く距離の相手を窓ガラスで確認してる俺って・・・

触れたくて、伸ばした指先は牧野がわずかに身体を動かすだけで近づいた距離をまた元に戻す。

触るに触れないドキとする感情。

子供が悪戯する前のような緊張感。

俺は、ガキか。

付き合い始めたころの甘酸っぱさ。

なかなか手が出なかったんだよな。

「う~ん、どうみょうじっ・・・」

寝苦しそうに寝返りをうった牧野の吐く息が胸元に触れる。

すっぽりと入りこんでき身体。

牧野と俺の間に入りこんできた牧野の指先。

そのままキュッと俺のシャツを掴んだ。

たぶん無意識。

まだ眠ってる状況。

目覚めても記憶は無くなってるままのはずで・・・。

目を開いて最初に俺を見たら記憶が戻ったなんて展開をわずかに期待してる。

それならバンバンザイなんだが、無謀な願い。

小さく口元を動かした寝顔は聞き取れない言葉を残したままクスッと笑う。

無邪気というか・・・

手が出せない無防備さを見せつけられてしまって苦笑するしかない。

俺は自分の腕をどう動かすべきなのだろう。

離れろ!

心は叫んでみても腕は勝手に動いて牧野の身体に回してしまった。

「たく、相変らず警戒心のないやつ」

クスリで眠らされてるからしょうがねェけどな。

肩肘をついて頭を支えていた腕を牧野の首下に滑り込ませる。

懐かしい重みと温もりから伝わる安らぎ。

気が付くと牧野を抱きしめたまま眠ってしまっていた。

懐かしい温もりと香り

なんだか安心で、居心地がよくって身体を預けてしまってる。

目を覚ますと自分はどこか別な場所にいるんじゃないかとか、自分か誰か思い出さない不安に押しつぶされそうで怖かった。

今は、多々、この腕が気持ちいい。

ぬっ?

腕?

パチリと開けた眼の前に広がる白いシャツのはだけた中に見える肌色。

胸?

それも男の胸ッ!

へっ?

誰?

身体に巻きつけるように回された腕で身動きが取れない。

まさか、省吾さん?

あのあと眠くなってどうしたっけ?

やっと動いた首を持ち上げて相手を探る。

長い睫毛が縁どる瞳。

目覚めてなくてもクッキリとした大きな瞳だと解かる。

すーと通った鼻筋に引き締まった口元。

道明寺・・・?

えっ・・・?

思わず視線を外して俯く。

ウッ・・・

外した視線の先には道明寺の胸元。

鼻先に触れる肌。

目のやり場に困るじゃないかぁぁぁぁぁ。

思わず目をつぶってしまった。

どうして道明寺と一緒なんだ?

省吾さんと話してて、眠くなって・・・

そう言えば道明寺の声が聞こえたような気がしてきた。

「こっちは片付いたぞ」

ガチャリと開いたドアから入りこんだ3つの人影。

「なんだまだ司は寝てたんだ」

私を見ていた視線はすぐに私を抱きしめたままの道明寺をクスリと笑って眺めてる。

「牧野、記憶戻ったの?」

真直ぐに見つめられた瞳に身体中が熱を持つように熱くなってきた。

「戻ってない!」

言葉に弾みをつけるように力いっぱい腕に力を入れて道明寺の胸を押しやった。

ごろり反転させて離れた身体から抜け出して、速攻でベッドの上に起き上がって正座ですわり直す。

チラリベッドの上に見えた顔は平和そうな寝息を立てている。

この状況で良く寝てられるよねッ!

どう説明すればいいのか、私もまだこの状況が把握できていない。

「司の奴、間抜けな顔してるぞ」

「なんか、笑ってるし・・・」

「牧野の夢でも見てるんじゃない?」

「人に後片付けをまかせて、自分はさっさっと牧野とベットに寝てるとわね」

「起こすとやべぇかな?」

横で聞いてる私が恥ずかしくてしょうがない。

「起きろ!!」

偶然手に触れた枕を掴んで上から道明寺の身体めがけて振り下ろしていた。

拍手コメント返礼

あずきまめ 様

記憶を戻さなくてもたのしいことが起きそうな気がしてるんです。

それじゃ、司が怒るでしょうけどね。

ミントン 様

お心遣い感謝。

御手数おかけしますが宜しくお願いします。

やなぎ様

気になるのはつくしの記憶とその後の省吾さんですよね。

うんうん。

私もです。(笑)

ポチタマ 様

確かにいろんな角度から見る楽しみがこのお話にはありますね。

ちょっとドキドキしてます。

もものこ様

テンション上げてもらってうれしです。

まだまだ甘々まで行き着きませんが、きっと遠くにはあると思います。(^_^;)

かえまま 様

いつも応援ありがとうございます。

記憶喪失と言えばリターズ最終話ですよね。

抱き合うシーン私も好きです。

わぁぁぁ見たくなっちゃったじゃないですか。

佳扇 様

この後も、ひと波乱あるのか、ないのか・・・

どちらでしょう?

ひと波乱の方がオモシロそうなんですけどね。

ゆきうさぎ様

無事に元に戻りました。

省吾さんあまりにもあっさりですが、道明寺だけじゃなくF3まで出てくれば、対抗しきれないでしょう。

でももうちょっと抵抗させたかったというのもあります。

サスペンス調でつくしの居場所が分からなくなるとかね。

この後はつくしの記憶を取り戻してラブを目指せ!

楽にはいかせないですけどね(笑)