いくつもの嘘を重ねても 22
おはようございます。
今日も朝一で申請メールの返信作業をしてました。
昨日申請していただいた分は返信してます。
「なんで、おまえらがここにいるんだよ」
顔に乗っかってる枕を手でのけながら目覚めた頭の中に飛び込んできた類!総二郎!あきら!の見たくもねェ顔。
目覚めで見たかった牧野の顔は俺の横で真っ赤になって頬を膨らませてる。
そんなに目をつり上げて俺を見るな。
まぁ、それが牧野らしいと言えばらしいんだか。
「その言い方はないだろう」
「やりたくもない後片付けをしてやったんだぞ」
「その間に司、おまえは牧野と楽しんだんじゃねェよな?」
「これが、楽しんだように見えるか!」
俺も、牧野もしっかりと服を着込んだ状態。
どう見ても情事の情の字も浮かんでこねェだろうがぁぁぁ。
横から感じる微妙な熱。
握りしめてる拳が牧野の膝の上でわなわなと振るえてる。
俺に向って飛んできそうな拳に警戒するように体の筋肉が緊張した。
「それより、あいつはどうした」
「道明寺だけでなく俺たちまで出てきたら、意気消沈するのが普通だろ」
「牧野を連れ去った事実があるからね」
「これ以上自分の妻だと言い切ることには無理があるだろうしね」
簡単に片付いたと自慢げに悪友が口をそろえる。
「牧野を連れ去ったのは偶然の成り行きだったらしいぞ」
意識がもうろうとしてる牧野を運んだのは錦織が経営する病院。
口裏を合わせて錦織の妻だと牧野に信じ込ませたのは牧野の記憶喪失で思いついたことだったらしい。
ある会場で見せたたわいもない牧野との口論。
俺らにしてみればなんでもない、日常のやり取り。
牧野は素直じゃなくて、俺をムカつかせる名人だ。
牧野と俺のケンカの言い合い。
錦織は牧野に強く押し付ける様な一方的な俺の言い方を耳にして、自分が入り込める隙があると思ったらしい。
あいつは自分の妻にそっくりな牧野に興味を示しただけで牧野の本質を分っちゃいなかった。
妻だと言われてそれをスンなり認めて受け入れるタイプじゃない。
言われたことに確信が持てるまで、納得できるまで、とことん戦うタイプだと俺は思ってる。
牧野の記憶が戻れば一瞬で壊れるもろい状況に錦織も危うさを感じていたはずだ。
「牧野が司と会って、自分は見せなかった柔らかい表情の牧野を目撃して、もう無理だって錦織は思ったらしい」
「あのまま眠らせた牧野を今度はどこかで別な場所に連れて行くことを目論んでいた」
「俺達が今日のその日に行動を起こしたのは予想外で、すんでのところで阻止で来たってわけだ」
お俺たちのおかげだぞとでも言いたげな恩着せがましい総二郎の表情。
「錦織の親族には連絡入れといたから、ただじゃすまないと思うけどな」
「なんらかの落とし前がないと俺ら4人と事を構える事になると匂わせるだけで十分だろう」
不敵な表情を浮かべたあきらはここ一番の貫録を見せる。
「後は、牧野の記憶が戻るだけだね」
当たり前のように牧野の頭を手で撫でる類はニッコリを笑みを浮かべる。
照れくさそうな笑みではにかむ牧野。
記憶がなくてもここは同じ反応かよ。
俺をムカッとさせる類と牧野の関係は記憶がなくても健在らしい。
「俺達の事は覚えてないよね?」
「記憶はないけど、顔と名前は知ってるし、信頼は出来るって分る」
牧野の機嫌のいい笑顔。
「ところで、ここはどこ?」
くるりと部屋を見渡して牧野が俺をジーと見つめる。
「お前、何度もここに泊まった事あるんだぞ」
「このベッドにもいつも一緒に寝てたしな! ンップ」
俺の声を止めるように顔に枕を押し付けられた。
「息ができねーだろうがぁ」
ポロリと落ちた枕で開けた視界。
牧野・・・
さっきより機嫌悪くなってねェか?
「ぶははは」
ベットの脇で遠慮なく高笑いする三者三様の声が聞こえた。
拍手コメント返礼
もみじ 様
後はつくしちゃんの記憶を取り戻すだけなんですけどね。
我慢大会になったら司どこまで我慢できるのでしょうか?
ことり様
以前の記憶喪失の時は最後にムフフで記憶が、戻ったんですよね。
そのことを司が覚えていたら・・・
まあ、あのお話とはつながりはないんですけどね。
喉の調子大丈夫ですか?
鼻からスコープを挿入するのってきついですよね。
吐きそうになるしなぁ。
早く良くなるといいですね。
コスモス 様
そう簡単にはねェ~
もうひと波乱!!
すぐに記憶が戻ったら、このお話早く終れるかな?
あずきまめ 様
ようやくみんな揃いましたね。
賑やかで和やかな雰囲気なんだろうなぁ~
ゴキゲン斜めのつくしちゃんの機嫌を取るような態度は司はしませんよね。
どうするんだろう・・・← 他人事♪