我儘な僕に我儘な君 15

舞&佑 どんなデートになることやら~。

邪魔者は何時現れる!?

雨足は強くなって止む様子を見せない。

空から降る雨は佑のかけてくれたスーツを濡らしながら雨音をたてる。

前を走る佑の背中は濡れたシャツが張り付いて肌の色が透けて見えた。

見てるのが悪いような、誰かに咎められそう気持が私の視線を足元に落とす。

濡れた歩道が街灯に反射してキラキラと輝く。

そこに映りこむ嬉しそうな表情の私。

何ニヤついてるんだ。

「大丈夫か?あそこなら雨宿りできそうだ」

たどり着いたオープンな入り口に賑やかなネオン。

薄でのラフな格好の若者が楽しそうな声を上げてる。

それぞれに楽しんでるゲームセンターの入り口。

雨が防げそうな軒下に身体を入れて空を見上げた。

少し小雨になった雨は止むまであと少しの状況。

「濡れちゃったね」

「舞は濡れなかったか?」

「佑がスーツを貸してくれたから、靴は汚れたけどね」

濡れて飛び跳ねた泥汚れが付いたパンプス。

踵を上げながら呟く私の足元で佑が腰を下ろしてハンカチで足元を撫でるようにふきあげる仕草を見せた。

「いいよ、私より佑でしょ」

自分のハンカチをとりだして、佑の濡れた髪の毛に押し当てた。

「いい、自分でやるから」

何時もより慌てた声が拗ねたように聞こえる。

「人が折角、拭いてやってるのに、私より濡れてるでしよ」

「背中なんて自分じゃ拭けないわよ」

「いいって、体温でそのうち乾くから」

自分は私にいろいろ手をだしてくるくせに嫌がる態度が気に食わない。

私の動きを止めるように佑の手が手首をつかむ。

「やめろよ」

「いいから」

佑の見せる困った顔に腕に力が入る。

抵抗してた佑の動きが止まって視線が私を追い越している。

どうかした?

振り向くと周りの見知らぬ数人が私達を見てる事に気が付いた。

「ちゃいちゃしてんじゃねーぞ」

それは、私たちをからかうような声。

「誰がッ」

「舞、相手にするな」

ムッとした声に混ざった羞恥心を佑が止める冷静な声。

「だれも、イチャイチャしてないでしょ」

からかった相手に向けるわけじゃなく俯き気味に小さくなる声。

「そう見られたんなら、俺は嬉しいけどな」

えっ?

佑が私を見てるって視線は感じる。

でも・・・

顔を上げて佑を見る勇気が出ない。

嬉しいって、ホント?

そう聞けばいいだけなのに、口の中の唾液がぜんぶなくなったみたいに喉が張り付いてしまってる。

「まだ、少し雨やみそうもないな」

佑に掴まれたままにゲーム―センターの中に引きこまれる。

「舞、ゲームセンターって来たことある?」

「初めて、佑は?」

「初めてじゃないよ」

キョロキョロとあたりを見渡すとやたらカップルが目に付く。

四角い箱の中でぬいぐるみを掴もうとするゲーム。

男の子が操作して女の子が頑張れと声援をおくる。

取れなかったぬいぐるみに残念そうな声が響いた。

その横にはカーレースの画面と操縦席に並んで座るカップル。

一人で来てもたのしくはないところだって思う。

佑も、一人って事はないよね?

「誰と来たの?」

今日一番の真剣な声。

緊張で裏返りそう。

「気になるか?」

余裕のある佑の態度が私の余裕のない感情を刺激する。

「翼・・・」

あっ・・・

翼!

ホッとするより身体の緊張が一瞬でほどけた。

「これなら知ってるだろう」

大きな画面と太鼓。

太鼓をたたくバチを佑が私に渡す。

コインを入れて鳴り出す音。

太鼓の達人

同じものが家の中にあるのを佑を知っている。

これってゲームセンターにあるものなんだ。

だから、ママが無駄のもの買い込んでってパパを怒ったんだ。

それは数年前の話。

「ほら、始まるぞ」

「・・・うん」

佑に促されたバチをしっかりと握りしめて身構えた。

拍手コメント返礼

ことり様

フォーマルな装いで太鼓の達人を鬼レベルで叩いていた注目の的。

それでなくても目立つ二人だと思うのですけどね。

ゲームセンターがあきらパパの経営で支店長から即連絡が行くと想定したら・・・

邪魔が入るのか?あきらくんならほっといていいと言いそうですけどね。

この後はラブラブなプリクラ。( ..)φメモメモ

3連休は残念でしたね。

でもすぐ夏休みが来る~っ

アーティーチョーク 様

司のゲームセンターのイメージは・・・

つくしちゃんとの楽しいデートだったりして、そのイメージで不機嫌になるとかありそうな気がします。

そうなんですよね。

もう一カップルの進展が残ってるんだよなぁ・・・。

rickyberry 様

佑君ところどころで告白ポイ言動してますよね。

普通の女の子なら『私に気がある』とおもちゃうところなんでしょうけどね。

音ちゃん 様

普通の家には置けない大きさ。

テレビゲームで我慢するしかないですよね。

夏休み この時ばかり 夢見る使用人♪

字余り(^_^;)

あずきまめ 様

ワイシャツが濡れて肌に張り付く嵐のポスター♪

張り出したポスターに見物人すごかったらしいですね。

佑君に鬼レベルで太鼓に挑戦させてみます?

目立つだろうなぁ。