パズルゲーム 38

忘れかけてた頃に再登場した二人。

名前なんだっけ?と思った私でした。

自分が名前をつけた登場人物もうっかりすると、さっぱり頭から抜け落ちる無責任な管理人です。

だから時々やるんですよね。名前の間違い。(/_;)

この二人は敵か味方か、さあ、どっちだ~♪

「偶然ですね」

人懐こい笑顔を向けられても素直に笑顔を返せるはずがない。

本当に偶然?待ち伏せじゃなく?

一度も二度もそんな偶然がこの大都会であるものだろうか?

数年前・・・

私も確かに偶然に出会った。

遠距離に離れたあいつに会いに来た初めてのNY。

私を見つけて立ち止まった道明寺の驚きと苦悩の表情の陰り。

喜んでくれないんだ。

嬉しさを奥に押しやる道明寺の姿が印象的だった街角。

運命があればつながるもの。

って!

この二人に私とのつながりがあるとは思えない。

「今から、どこに行くんですか?」

表情の強張る私は関知してないみたいに、まとわりつく河合さん。

それはまるで永い間留守番していた犬が大好きな飼い主にが帰ってきたと飛びついてくる忙しさ。

「時間があるから、ぶらっとしようかと・・・」

私も、なに正直に話してるのよッ。

ここは忙しいので、じゃ、と手を振れば終わりじゃないか。

そんな単純な動作ができないのは愛犬が見つめる従順な瞳。

甘える瞳が拒否する言葉を閉じ込めてしまってる。

「私たちも、ぶらっとしてるだけだから、一緒にどうですか?」

「邪魔しちゃ悪いから」

チラリと赤西さんを盗み見る。

車と人の波を追う様に見つめる視線が私の視線に気が付いたように顔が動く。

「人数は多い方が楽しいと思いますよ」

一人で、静かな孤独の雰囲気が似合いそうな赤西さん。

河合さんが横にいるのもうるさいと邪魔に思っているように見えるんですけど・・・。

この二人・・・

恋人だったはずで・・・

この際、男同士でも女同士でも関係なく考えよう。

久し振りに会ったにしては、ちょっと雰囲気が恋人のそれじゃない。

そのくらい私にもわかる。

友達というより姉妹というか、兄と妹?

我儘な妹に渋々付き合ってる兄の構図だ。

嫌だと返事をする間もなく強引気味に河合さんに腕を捕まれて歩道を引っ張られて歩く。

「私!用事を思い出した!」

「そんなのいいから!」

いいって!

いい訳ない!

少しスピードが上がる河合さん。

どうした?

振り返った河合さんの表情がハッと驚きに変わる。

えっ?

ウッ!

一瞬にして路上の冷たい感触が頬に触れる。

悲鳴を上げる間もなく押し付けられた身体を何かが覆う。

なに?

「大丈夫?」

身体を押さえつけた重みが取れて、差し出された手を掴んで起き上がった。

何があった?

急に路上に転がされて視界が急転した。

石畳にキスしそうになった数秒前。

一体何が起こったのか頭の中を急速に動かしても現状を分析できる冷静さがあるわけがない。

「怪我は?」

確かめるように赤西さんの手のひらが私の身体に触れて服のゴミを払う。

「えっ・・・まあ」

路上に転がった拍子に破れたスストッキング、膝にわずかに血がにじむ。

さすがに恥ずかしい。

道行く人の怪訝な表情。

異国の中に取り残されたただ一人の異邦人になった。

この注目の的から逃れたい。

両肘にも強打の痕が残る。

痛いはずなのにその痛みが感じないほど動揺してる。

1メートル先に転がってる長身の男。

その男を馬乗りになって押さえつけてる河合さん。

私の足元に落ちているサバイバルナイフが怪しく光る。

もしかして・・・

私、狙われていた?

そんなこと確かに道明寺が言っていた。

そうさせないために花沢類と恋人のフリしてたんじゃないの?

「怪我はないみたいですね」

私を自分の身体を挺して赤西さんが守ってくれたんだと気が付いた。

ふらっとした身体を赤西さんの腕が支えてくれる。

ジャケットの裏の胸元に忍ばせている黒い拳銃が見えた。

この人っていったい何者?

拳銃ってアメリカじゃ所持していても違法じゃないんだろうけど・・・。

「確保しました!」

男を押さえつけながら勇敢な颯爽とした声。

ヘッ?

河合さん?

さっきと違い過ぎるキリリとした表情。

「あなたに、知られない様に警護するのが私達の役目だったんです」

すいませんと私の頭を下げる河合さんと赤西さん。

二人のおかげで、助かったんだからそれはそれで、感謝はしても怒る気にはなれない。

パラパラと何処からともなく飛び出してきたダークスーツ。

その中には千葉さんと相葉さんの二人もいた。

いるなら早く出てきてよ。

この二人がいないことを最初から不思議だと疑うべきだった。

ということは・・・

道明寺の仕業?

私に内緒にしてるのは花沢類との恋人のふりだけじゃなかったって事!

一体いくつ私を騙してるのよーーーーーッ。

もう!怒った!

拍手コメント返礼

あずきまめ様

つくしちゃんをお守りする人は千葉君と相葉さんだけじゃなかった!

二人だけじゃ心配だったのかしら?(笑)

つくしちゃんの本気モードの怒りを鎮められるのか!

今朝まではラブラブだったから良しとしときましょう。

やなぎ様

流石司!と言いたいところですが、つくしちゃん怒ってますよ~。

どうなだめるんでしょうね(^_^;)

りよん様

もう!怒った!

司に怒りをぶちまけられるのはつくしちゃんしかいませんからね。(笑)

ドラミちゃん仕様で爆発したらどうなるのぉ~。