パズルゲーム 40
いよいよこのお話も終わりに近づいてます。
西田さん日記のリクエストも39話のUPのあと頂いてます。
今回は意外に司が~と思わせて、今度も西田さんの手腕が発揮されるお話だったんだなぁ・・・と、しみじみ思っております。
*
何時も見慣れてる背中は頑丈な壁。
それは鉄壁の冷たさと威圧感を発散させてエントランスの中央に大きく道を開かせる。
社員を脅してどうするッ!
道明寺の右手は私の腕を捉えぐいぐいと引っ張りながら歩く。
こけないようについていくことに必死で声も出ない私。
左手に握られた携帯。
「類か、もう茶番はいいから」
「ああ、カタはついた」
電話の相手は花沢類らしい。
ものの数秒で会話は終った。
もっと相手を労わる言葉はないのか!
つっけんどんで、横柄で、傲慢さがにじみ出てる低い声。
花沢類に迷惑をかけるだけかけたんじゃないの?
でも・・・。
考えたら私は花沢類にも騙されていたんだよね。
道明寺に内緒にするのにどれだけ神経を削ったと思ってるのか。
高校の制服は着せられるし、花沢類の見合い相手には睨まれるし・・・
気苦労ばかり増えて行った気がする。
NYまでついてきた秘書はどうなってるのか?
もしかして!あの秘書も・・・
仕込ってこと!
あり得る?
厭味ったらしく私を蔑んでみていたあの秘書も赤西さんたちみたいな役だったとしたら・・・
見合いを断る口実の恋人役を私は受けただろうか?
良く考えたら出来過ぎな感がある。
興味を示さない花沢類にわざわざNYまでついてきたいきさつも容易に推察できる。
道明寺と花沢類との携帯でのやり取りもあまりに簡単だった。
もう私に内緒のことはないよね?
チラリと盗み見た道明寺となぜか視線がぶつかった。
え?
おっ?
あっ・・・
視線が絡みとられて離せなくなった。
フッと頬が緩んでほころんだ口元。
真直ぐに私を見つめアーモンドアイの瞳を縁どる長い睫毛。
輝きを放つその奥に写る私。
愛おしそうに見つめられるから、照れくささと甘酸っぱさが口の中に広がる。
「甘えろよ」
「えっ?」
「冷たくした分、今からの俺の時間をお前にやる」
「なにしたい?どこか行きたいとこあるか?」
何時も強引な道明寺だから、私に意見を求める道明寺はレア。
垣間見える道明寺の優しさ。
それだけで十分な感激。
傲慢、我儘、横柄、一方的な命令口調、俺様の道明寺の姿が今は見えない。
「まだ、どこも観光してないんだよね」
タイムズスクエアに、自由の女神、セントラルパーク、メトロポリタン美術館
観光にショッピングに美術館巡りにミュージカル鑑賞。
一日じゃ足らない。
「旅行者のツアー観光に行きたいとか言うなよな」
浮かれるなと訝しく眉を吊りあげた顔が私を見下ろす。
「観光客の多い場所に行っても今までの不仲は払しょくできないからな」
「ちょっ・・・」
腰に回された腕が、強引に抱きかかえるようにして私を車の後部席に投げ込んだ。
道明寺の合図で動き出す車。
これなら私にどこに行きたいとか聞く必要ないじゃないか!
優しいと思ったのは撤回。
道明寺はやっぱり道明寺だ!
「なに、膨れてる?」
悪びれてない顔が私の鼻先に近づく。
鼻腔に流れ込むコロンの香り。
車の外でフラッシュの光が見えた気がした。
拍手コメント返礼
あずきまめ様
どこに行きたいと聞いてこの態度!
司らしいと言えばらしいですけどね(笑)
パズルあと少しで完成です。
残りは数ピース♪
大きな額を用意しなきゃいけません。(*^_^*)
もみじ 様
最終話に向ってますのでフラッシュはそんなに気にしなくていいですよ~(^_^;)
ここでまた何か起こると終わらなくなっちゃいますからね。