パズルゲーム 42
豪華な大人買い♪
代われるものなら代わって欲しい。
司の金銭感覚につくしちゃんついていけるようになるまで何年かかるのかしら?
余計な心配をしちゃいました。(^_^;)
*
「おまえの夫をだれだと思ってる。一度袖を通したやつをまた着せれるわけねェだろう」
突然テレもせず鼻で笑った整った顔立ち。
クッキリとした目鼻立ちは自信に満ちて艶やかさを増す。
言われた私の方がかなり動揺してる。
この部屋には私達だけじゃないんだからねッ。
熱がでそう・・・。
日本語で良かった。
周りの店員は気にも留めずに次々と服を運ぶのに専念中。
服を運び出された後でパタンと閉まるドア。
上質な革張りのソファーの冷たさが高まる身体の熱にはヒンヤリとして心地いい。
「お前を俺の女だって見せびらかせてやりてぇし」
傲慢さを打ち消すスエードの響きを持つ声で囁かれると落ちつけなくなる。
ベッドの中で私の名前を呼ぶ道明寺を思い出してしまうから。
分ってるわよ。
自分の夫が誰なのか!
道明寺司と書いて傲慢!我儘!横柄!って読んでやる!
道明寺の上から目線の不敵な笑みを思い浮かべなきゃ、ここがお店の中だって忘れそうだ。
綺麗な手入れの行き届いた爪。
しなやかな指先はそのまま私の顎に触れて道明寺のキスをしやすい角度に変えられた。
されるがままに目を閉じて待つ私の唇に触れる道明寺の息。
「触れたら我慢できなくなりそうだ」
唇の触れ合う一歩手前で悪戯ぽく口角を上げる道明寺が見えた。
「期待してたろう?」
目を閉じて道明寺の唇を待っていた次点で反論できなくなってしまってる。
「たまには焦らされるのもいいだろう?」
「いつも俺ばかり夢中になってるのは癪だからな」
道明寺司と書いて傲慢!我儘!横柄!に意地悪が抜けていた。
「なんなら、この部屋に誰も近づかせないようにすることもできるが、どうする?」
主導権を握って満足な笑み。
意地悪くて、スケベで、それでいて目が離せない艶。
「どうするって聞かなくても返事は決まってるでしょう!」
眉を吊り上げて睨んでみても、腕に抱かれた幸福感と熱の記憶の中に吸い込まれてしまいたくなる欲情。
道明寺に教えられた刺激は確かに私の中に別物の感覚を植え付けてしまってる。
道明寺が欲しいのは否定しないけど、それは今じゃないから。
「それじゃ、鍵かけるか」
ちッち、ちがうッ!
立ち上がった道明寺の上着の端を前かがみになりそうにして掴んだ。
「転ぶなよな」
道明寺の腕に助けられた身体をすぐに自分で支えるように立つ。
「これ以上、傷つけるなよな」
歩くたびに膝の擦り傷の痛みがかすかに響く。
薄まって忘れかけていた朝の襲われた衝撃が再びよみがえってきた。
ホント怖かったんだから。
「わりっ、思い出させたか?」
「えっ?」
爪が手の平に食い込みそうな力で道明寺のスーツを握りしめていた。
その手を開かせて道明寺が私の手のひらを包み込む。
「怖い目に合わせたから気分転換させようと思ってたんだけど、少しも喜んでねェからよ」
「それに震えてるし・・・」
「お前を誰にも傷つけさせないから」
道明寺のしなやかな腕が私を包み込むように背中に回った。
「俺が守る」
耳元で繰り返す声。
道明寺が私のことを思ってくれてる事に嘘はなくて・・・。
今回のことも私を守るために付いた嘘で・・・。
気を遣うなんて苦手な道明寺が、私のために割いてくれた時間。
それは特別で大事な時間。
やり方は強引だったけど、道明寺が一番に私を大事にしてくれてるって事は疑いようもない。
「触れたら、我慢できなくなるんじゃなかったの?」
泣きそうになってる事を道明寺に知られたくなって堪えた声はそれでも少し潤んでしまっていた。
「短時間で終る自信がないから、これで我慢する」
しっとりと塞がれた唇。
道明寺の身体から漂ってくるスパイシーな香りが鼻腔をくすぐる。
息継ぎの仕方を忘れるよな長いキス。
チュッと音をたてて離れた口唇。
その合間に呼吸をするために口唇を開くと舌先が入り込んで逃げるなと執拗に追い込まれる。
舌が絡み合うたびに心地よく感じてしまう。
情熱的なキスは強烈に刺激的で全てを奪われてしまったような錯覚に陥りそうだ。
頭に霞がかかったような状況に追い込まれて離された口唇。
道明寺はキスの余韻を楽しむように、私の火照った頬やこめかみ、目じりにと触れるだけの軽いキスを落とした。
心臓の鼓動は鼓膜にうるさいほどに響いて、道明寺に抱きとめられていなければ身体が浮き上がってしまいそうだ。
「この後は、しっかり身体を磨けよ」
道明寺の言葉の意味も理解できないまま私はうなずいた気がする。
って!!!!
仰向けで、素裸をさらして、皇潤な香りに包まれた中でいくつもの指先で好き放題に触られてる。
エステも慣れてきたけど、ここでまた一人でこれ?
道明寺が磨けって言った意味を理解するの遅すぎッ。
身体に、爪に、髪にって今からやられることを思うと気が重くなる。
大体この後って苦手なパーティーとかのパターンだ。
そんなに急いで参加しなくてもいいじゃないのッ。
「7時に迎えに来るから」
私との二人の時間を過ごすんじゃなかったのッ!
道明寺司と書いて傲慢!我儘!横柄!意地悪る!自己中!強引!の高慢ちき!
欠点を全部言ってもキリがない。
それでも好きで好きでたまらない自分。
道明寺に振りまわされても好きだという気持ちは一生捨てられなんだと思う。
・・・とにもっ!
どれだけ愛しちゃってんのよ。
危ない目にあっても・・・
普通じゃ経験できないようなことを経験させられても・・・
私の行動を見張られても・・・
これは少し引くけど、それでも、道明寺と結婚したこと後悔してないから。
そんなことを考えながら、エステの気持ちよさと、寝不足気味の身体は、睡魔に襲われてそのまま寝入ってしまってた。
司だけじゃなくたまにはつくしちゃんにも本音を言ってもらいましょうと書いてみました♪
新婚の設定だしまだこれくらいじゃ足らないかなぁ~(^_^;)
拍手コメント返礼
あずきまめ 様
私も意地悪な司が好きです!
宣言しても何もないのがさびしいいですが・・・
このまま何事もなくラブラブ突入編と行きたいところです。
アーティーチョーク様
どんな手を打ってきてもどうにもできませんよね。。
つくしちゃんを介入した方がどれだけ簡単に事は進むのか。
無駄なことだと気がつくのはそう時間はかからないものと思います。