パズルゲーム 44

F4も登場してそろそろ最終話が近づいてきました。

区切り良く45話終わりとできればいいのですが・・・(^_^;)

久し振りのF4+つくしコンビの楽しい会話でお楽しみください。

「みんな忙しいんじゃなかったの?」

西門さんは茶道普及のためにヨーロッパを講演で周る予定の3か月の半分のはず。

美作さんも日本よりアジアにいる方が多いはずで・・・

日本にいるはずの私と花沢類は道明寺に無理やりNYに連れられた来られたようなもの。

「まさか、西門さん達も道明寺に呼び出されたの?」

申し訳なさを貼り付けた声が思わず出た。

「こいつ等を呼ぶ必要がどこにある!」

美作さんと西門さんが並ぶ方向を指を指して道明寺が叫ぶ。

確かに・・・

逆に花沢類だけじゃなく西門さんに美作さんまで登場して、人目を引く男性に囲まれたら、どんな無責任な噂の中に投げ込まれるかわかったものじゃない。

ここは道明寺との仲の良さをアピールできれば十分。

今の状況は話をややこしくする恐れもある。

「また、浮気とか書かれちゃったら大変だよね」

私の言葉に西門さんと美作さんの目が点になった。

あっさりとした単純な線で、細かい部分を省略したキャラクターの絵の表情を作る。

「濃艶な男を手玉に取る悪女」

「牧野の実物を見てそう思う男いると思う?」

どうせ短足、寸胴、くびれナシ、色気なしの幼児体型ですよ。

だからって少しは配慮して言ってくれてもいいじゃないか。

上半身を後ろに引いて顎を指で撫でながら足の先から頭の先まで審査する様な視線で見るな!

西門 総二郎―――ッ!!

「牧野は清純、可憐でかわいいから」

花沢類の輝く瞳がキラキラと見つめてドキッとする。

私を可愛いと言葉にしてくれるのは花沢類だけだもの。

「類の言葉を言い変えれば、初心すぎて、男を知らないって感じの印象を与えるよな」

「牧野は男を知らな過ぎだろう。実際に司しか知らないだろうし・・・」

美作さん!わざわざ言い換えなくていい!

最近婚約したばかりの美作さの彼女の葵さんも私と似たタイプじゃないか!!

葵さんに告げ口しちゃうぞ。

「外国人には小学生に見えるんじゃないか?」

美作さんにすぐに乗っかる西門さん。

この二人はッ!

なんのためにここに来たんだ!!

「牧野、怒ってる?」

腰を屈めて花沢類の顔が鼻先20センチに降りてくる。

「類ッ!近づくなッ」

不服そうな顔立ちも美を引き立てる要素の一つ。

羨ましい顔立ちがぬっと動いて花沢類と私の間に入り込んできた。

「お前も、お前だ!鼻の下伸ばすな!」

「なんのためにわざわざ着飾ざらせてここに連れてきたと思ってる」

道明寺とケンカするためじゃないことは分ってる。

誰も鼻の下伸ばしてないし・・・

普通鼻の下を伸ばすのは男性に使う表現でしょうッ!

花沢類に見つめられてドキッとなるのは条件反射なんだからね。

自分じゃコントロールできない感情というものがあるの。

「おい、口げんかする暇はないんじゃないか?」

美作さんの声にぶつかっていた道明寺との視線をテープを剥がす様に左右対象にゆっくりと動かした。

注目を浴びてる視線とぶつかって作る苦笑い。

ニッコリと笑顔を返されても頬は強張るばかりだ。

「優雅に笑え」

道明寺の声に反応して頬を動かす。

腰に回された道明寺の腕がギュッと私を強く抱きしめてくれた。

俺がついてると私に寄り添ってくれる安心感を心の奥で感じる。

左側半分で感じる道明寺の温もり。

密着度は私の身体に道明寺の熱を伝えてきて、別な意味の余裕を奪う。

近すぎッ!

熱すぎッ!

知らない相手より道明寺のことが気になってしょうがない。

腰のあたりでもぞっと指先を動かすなッ。

ぎこちない笑顔しか作れてない状況をわざと作って楽しんでないか?

道明寺の歩調に合わせる様に腰に回された腕が私を押して動かす。

ガクッと足を取られそうになった私に気がついて道明寺が支えてくれた。

「もっと身体を預けていいから、倒れるなよな」

力強い腕とは対照的な意地悪な微笑。

そこから・・・

覚えられないくらいの多くの人に妻だと紹介する道明寺の横顔を黙って見つめてる事しか出来なくなっていた。