我儘な僕に我儘な君 27

告白も無事に終わり、ここからは楽しい恋バナのお話に♪

たぶんなるはず?

*

「昨日は眠れた?」

放課後ようやくすずと二人きりになれた。

朝も、休み時間もすずの側には翼がいて、私はと言うといまだに佑の顔も見れずにいる。

こんな時は男の子の方から話しかけてくれなっちゃ。

拗ねても佑は忙しそうにクラスの仕事を片付けてる。

生徒会長なんてやってるからしょうがない。

先生だけじゃなく生徒の信頼も厚い人望。

どっかに捨てて来てくれないかな。

「すずも寝不足の顔してるけど」

「眠れないよね・・・」

「で、どうだったの佑君?告白されたんでしょう?」

「翼の奴しゃべった?」

この返事で告白されたと告白してる。

「佑君が舞のこと好きなのは知ってたから、そろそろかなって思っただけだよ」

「昨日は二人の時間結構あったでしょう?」

それって・・・

翼とすずがあんに気を利かせて私たちが二人になる時間を演出したって言ってないか?

翼とすずを結びつけたのに拓が助けがあったってすずからは聞いていたからそのお返しってこと?

昨日のことを佑が自分から翼にしゃべるはずがない。

翼は浮かれてなんでもいいそうだけど、佑はそういうとこは口が堅い性格だと思う。

女の子が嫌がることは決してしないから。

お膳立てをすずがしてたとしたらバレバレだよね。

「佑君、舞ばかり見てるからわかるよ」

ず~と一緒にいて気付かない私が鈍感だというような表情をすずが見せる。

「今度もみんなでどこかデートしたいね」

素直に笑顔を向けるすずに「うん」と私も笑顔を返した。

「どけ、じゃま」

いきなり冷たい声が背中から響いた。

校内の歩道。

確かに二人で真ん中を歩いてるけど、横によけて通れば問題なく通れる道幅はある。

さっきだって余裕で反対側からやってきた生徒となんなく交差出来た。

「邪魔ってほどじゃないと思うけど」

ムッとなる声のまま腕組みをして振り向いた。

こんなところで呼び止める方が通行の邪魔だつーの!!

「邪魔だから邪魔だと言ったんだ」

最小限に唇を動かした冷たい低い声。

声を出すのも無駄な労力とでも言いたげな横柄さ。

横柄さならうちのパパで慣れてんだから。

表情も変えないまま私たちを一瞥してその男は私たちを通り過ぎるように足を前に進める。

身体をわざとらしく横にわずかに避ける仕草も忌々しい。

「ちょっと!」

「もっと、別な言い方があるでしょう!」

私を無視したままその男は歩いて消えた。

「あいつ、誰よッ」

「知らないんだ?」

「すずは、知ってるの?」

「3年生の大内先輩。3年生の中じゃダントツ人気あるんだよね」

「あれが?」

「クールさが、いいって。顔もイケメンだしね」

「翼が聞いたら嫉妬しそう」

「あくまでも一般の意見を言っただけだから」

あんなやつ二度と関わりたくない。

あいつが消えた方向に向かって思い切り舌を出してやった。

「イーッだ!!」

拍手コメント返礼

やなぎ 様

実は最初この雰囲気のままこのお話は終わらせて次の段階へ行こうと思ってたんです。

このままの甘い感じで終るよりひと波乱続けて書いた方が「我儘~」の題名が生きると思ってお話を進めて見ました。

アーティーチョーク様

ホッとさせて、転機させてます。

このままだとお話の興味が子供達からつくしの出産にだけになりそうだったので(^_^;)

ゆっくりとお話の真相は明かしていきますよ~。

ことり 様

佑君にまで女の子が登場?

この物語はオリキャラ満載なので楽しくお話が作れちゃうんですよね。

しかし4角関係までになるとややこしくなりそうだな~(^_^;)

あずきまめ 様

雲行きをあやしくさせちゃいました。(^_^;)

このまますんなりいきそうだったのに邪魔するのは司だけじゃなかったという意外な登場人物の登場で楽しんでもらえたら嬉しいです。

goemon 様

まだまだ謎の多い男の子が想像をかきたててくれると思います。

どう絡んで佑君を悩ませるのか?

悩むのは舞ちゃんかな?翼君だったりして・・・(>_<)