パズルゲーム 45(完)
華やかなF4に囲まれたつくしちゃん♪
どれだけのオーラーが出ているのでしょう。
花男リタンーズの最終話に映画のワンシーンに負けないような映像を頭の中に変換してます。
みんな大人になったなぁ(/_;)
*
類にエスコートされて会場につくしが現れた。
本当なら類の場所には俺がいるはずだったんだ。
クソッ!
「怖い顔をするな」
「余裕の笑みをここは浮かべるとこだろう?」
俺の左右に付く総二郎とあきらの2人が余裕の笑みを浮かべて、人の感情を軽く逆なでして楽しんでやがる。
「てめらに心配してもらう必要はねェ」
俺の選んだドレスにくつ。
ネックレスにイヤリング。
あどけなさを少し残した清純な装い。
あいつらしい輝きで俺の目を引きつける。
「意外と目を引くな」
「磨けば輝るとは思ってたからな」
意外とはなんだ!
俺が惚れた女だぞ。
「俺が本気になればこんなもんだ」
もっとも俺以外の奴の目を引き過ぎても困るけど。
「司じゃなくて、牧野がだろう?」
「俺がいるからつくしは輝くって事だろうがッ!」
なにか言いかけた総二郎に、あきらが言わせとけ目くばせする。
そこで苦笑するな!
西田に呼び戻された執務室に、こいつ等のアホ面を観た時は絶句。
3人で一足早く会場入りした俺たちは今、あいつらを待っている。
「類様だけではベタな噂になりがちですが、さすがにこれだけのメンツが揃えば、浮気の噂も払拭されるでしょう」
「つくし様も喜んで下されると思います」
類とにこやかに談笑して、つくしとの仲を見せつけることには自信がある。
俺を信用してねぇのか!西田!
俺に睨まれることを『へ』とも思わない西田の余裕な態度。
俺が知らないところで類とも連絡を取って、SPに見られないSPを付ける手の込みよう。
ここに来て総二郎やあきらまで用意してるとは思わなかったぞ。
世話を焼き過ぎだろうが。
どいつもこいつも俺とつくしの為なら何を置いても駆けつけてくれる。
つーか、お前らも暇だよな。
どんな悪態をついても、俺らしいって、笑って聞き流すんだろうけどな。
「みんな忙しいんじゃなかったの?」
俺を見つけた時より嬉しそうな、はしゃいだ声。
飛び跳ねそうな感じは20過ぎに見えねぇぞ。
「まさか、西門さん達も道明寺に呼び出されたの?」
俺には非難する視線を向けて、こいつ等には申し訳ないって表情を作る。
「こいつ等を呼ぶ必要がどこにある!」
こいつ等を仕込んだのは俺じゃなく西田だ!
今ここに西田がいたらぶん殴りたい気分。
「また、浮気とか書かれちゃったら大変だよね」
誰が書かせるか!
類だけでも気分が悪かったんだからな。
つくしの声に変なこと聞いたような表情で総二郎とあきらが顔を見合わせる。
「濃艶な男を手玉に取る悪女」
「牧野の実物を見てそう思う男いると思う?」
濃艶とはほど遠いが、違う魅力がつくしにはある。
だから、お前らだってつくしを放っておけねぇで世話を焼いてるだろうがぁぁぁ。
そして、わざわざ来なくてもいいNYに顔をだしてるんだろうがぁ!
「牧野は清純、可憐でかわいいから」
類ッ!こいつが一番俺の神経を逆なでしやがる。
こいつ等の中にいつまでもつくしを置いておけるか!
「類ッ!近づくなッ」
ほんのりと頬に色を付ける横顔。
いまここで写真を撮られたら完璧にカン違いされそうな表情を作ってんじゃねぇよ!
「お前も、お前だ!鼻の下伸ばすな!」
「なんのためにわざわざ着飾ざらせてここに連れてきたと思ってる」
ムカつく声しかでねェ。
「おい、口げんかする暇はないんじゃないか?」
冷静なあきらの声にいつもの俺を取り戻す。
ここはアツアツな新婚らしいアピールをする絶好な機会。
俺達夫婦のNYデビューの舞台。
「優雅に笑え」
つくしがギュッと俺のスーツの裾を指で握る。
指先から伝わるつくしの緊張感。
頼られてるのはまんざらでもない。
守る様につくしの腰に腕を回す。
腕にかかる身体の重量は軽くて甘いしびれを腕から心臓につたえる。
胸に感じるくすぐったさが心地い。
つくしの身体のラインが俺のラインとぴったりと重なって心臓の音まで一緒にまじりあう。
緊張感はそのままつくしの平衡感覚をあやふやにさせるようで危なっかしい歩みで俺の身体にもたれかかる。
やっぱまだ慣れねェよな。
「もっと身体を預けていいから、倒れるなよな」
優越感で作る笑み。
意地悪だと下から俺を見あげるつくしの潤んだ熱い瞳が、自尊心をくすぐる。
つくしを抱く腕に力を込めて、妻だと紹介しながら会場を回った。
こいつはどれだけ今日の著名人を憶えてるのだろうか。
紹介したハリウッドスターにも気は付かずに当たり障りのないありふれた会話で握手をかわす。
瞳に映像は映しても頭の中で感知してないほど舞い上がってんじゃねェか?
「ね、私・・・失敗してないよね?」
「ああ」
「もう、喉カラカラ」
フッと笑みが俺の口から零れる。
シャンパングラスから気泡を発する液体を口に含む。
そのまま口移しにつくしの口に流し込んだ。
ゴクリと上下するつくしの喉元。
「なにするのッ」
「喉乾いてたんだろう?」
「だからって、自分で飲めるッ」
背中回した腕。
手の平を後頭部に当ててつくしの顔を上を向かせる。
動揺するように瞬きの多くなった瞳の中に俺の顔が映りこむ。
「ンッ」
グダグダ言いだしそうな唇をもう一度キスで塞いだ。
今回の俺達の役目はこれで十分。
拍手コメント返礼
Gods&Death 様
今日までは変則的なUPです。
秋休みなんて要らないのになぁ~
本当にうらやましすぎるつくしちゃんでした。
りん様
週末3連休に加えて子供は秋休み中でなかなか何時もの時間にUPできませんでした。
でも今日はバッチリ何時もの時間にUPできましたよ。
読破ありがとうございます。
のだめ様
一日で読んでもらったんですか?
ありがとうございます。
嬉しいです。
つかつくのお話って飽きないんですよね。