リミット 5

減らさなきゃと思った連載。

終らせてるはずなのに、終ってないお話は4つ+1あるんですよね・・・(^_^;)

連載の滞ってるものも2つ。

これがなかなかうまく物語がつながらなくて放置しております。

すいません~。

謝罪!!!

『わき毛ぼうぼう自由の女神!!』

先日映画謝罪の王様見てきました。

次はひだまりだ~。

*

「いつまでこうしてるの?」

憔悴した表情。

駿を心配する母親の顔は、短時間で疲労を極限まで詰め込んでしまってる。

今にも泣きだしそうなつくしがこらえるように唇を噛んだ。

駿だけじゃなくつくしを苦しめてる犯人に向ける俺の憎悪も天井に達してる。

沈黙の続く執務室。

電話のベルが鳴るたびにその沈黙がますます重くなる。

関係のない連絡に受話器が壊れそうな勢いで電話を切った。

「犯人以外の連絡は受け付けるな!」

動揺を見せないつもりでも苛立ちは隠せない。

執務室の前でバタバタと聞こえた数名の足音。

一瞬ドアの前で落ちつかせる様にその足音が止まる。

「失礼します」

ノックの後に入室してきたのは警視総監。

駿の遊んでいた相手の祖父。

その横には父親の顔も見える。

部屋に張り付いてる刑事が立ち上がって一斉に敬礼。

「このたびはたいへんなことに巻き込んでしまって申し訳ありませんでした」

部下を無視してフカブカと下がる二つの頭。

今必要なことは謝罪じゃないはずだ。

「護衛を付けてなかったのはこちらの手落ちですから」

以前の俺なら謝罪をされることにもムカついて手を出していたはずだ。

つくしの方が食いついてきそうな雰囲気に見える。

「それより何か、情報は掴んだのか」

強張った表情が顔を見合わせて落ち着きなく繰り返す瞬きが俺に向けられた。

額からはぽたぽたと汗が吹き出してる。

俺はまだ脅してねェだろう。

恐れられるように睨んだつもりもない。

「犯人からの電話は家にあったんです」

先に口を開いたのは左門警総監の息子。

「どうやら、孫と駿君を間違って連れ去ったようです」

「どうして、間違えられるんだよ」

額の汗を拭く腕を掴んで迫る。

「ひゃー」と笛に響きに似た音を息子が噴出した。

今にも腰を抜かしそうな表情が助けを求めるようにつくしに向う。

今のつくしは俺を止める為に動く思考は持ち合わせてない。

ただ呆然と事の成り行きを見てる。

俺を止めたくても止める気力がないと言ったところだろうか。

見た目も全く違う二人。

学校の制服は一緒でも身長は駿の方が高いはずだ。

「誘拐する相手を間違うってことあるのか?」

似たような子供が二人いればそれでなくても確認するのが普通だろ。

「男が、駿君に名前を聞いてから連れ去ったみたいなんですが・・・

うちの子の左門駿をどうやら、『たかし』じゃなく『しゅん』と犯人がカン違いしたようで・・・・」

最期はしどろもどろ気味になって声がかすれ聞き取れない。

カン違いして連れ去られたって、なにやってんだ犯人!

「間違って、誘拐したと分ったらどうなるの!?」

今まで黙っていたつくしの震える声。

道明寺総帥の息子と分った方が利用価値が上がると理解できる犯人には思えないお粗末さが不安材料。

人違いだと気がついて失敗したと思われる方が危ない。

「このまま左門 駿とカン違いされたまま動いた方が無難だな」

「私もそう思います」

コクンと警視総監が首を縦に振った。

「総監を脅すってことは、相手の要求は金じゃねぇよな?」

拘置所にいる仲間の釈放です」

世間には公表できない取引ってことか。

裏の情報に裏社会に精通してるあいつに協力をしてもらうのが早道。

携帯をとりだしてボタンを押す。

「すぐに来てくれ」

それだけ言って携帯を切った。

「いったい誰に・・・?」

オドッとしたままの顔が俺を下から覗き込む。

「美作あきら」

「そこまでの方に協力してもらう必要はないと思います」

焦った声は俺にしがみ付きそうな勢いで制止を試みてる。

犯人の要求は組長とか、殺人犯とか、テロリスト、大物だと考えれば一番情報を握ってるのはあきらだ。

毒には毒を持って制すって言うだろうがぁ。

『俺は毒か?』

不満そうに苦笑するあきらが想像できる。

『司の方がよっぽど取扱い注意だろう』

このくらいのことは言いかえされそうだ。

「犯人の要求は・・・」

ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる喉仏の動き。

「要求は?」

俺の問いから一呼吸の間がすべての音を消し去って静まる部屋。

「アニソン会場で興奮しすぎて器物破損でつかまえた男ですから」

????

アニソンて・・・なんだ?

外国人の名前か?

「この前、ニュースで流れていたあれですか?」

落ち着きを取り戻した弁護士の冷静な口調を見せるつくし。

「つくしは知ってるのか?」

「会場で興奮したファンを先導して収拾がつかなくなって舞台をめちゃめちゃにしたとかで、テレビでさわいでた先週の事件ですよね?」

「そう、それです!」

「我々もすぐに釈放できるような事件で、なんで、誘拐をするのか今一つ理解できないんです」

どう考えても誘拐の方が重罪。

バカでもわかる。

「車の足取りも徐々に捕まえてますので、すぐに居場所は特定できると思います」

それはすぐ言えッ!

「我が国の警察は優秀ですから」

この部屋に入ってきた時の死にそうな面は何の意味があったのかと思いたくもなる余裕が表情に浮かぶ警視総監。

「そんな、チンピラすぐに捕まえて駿を連れてこい!」

誘拐計画が穴だらけじゃねェか。

一気に危機感が薄れた。

で・・・

アニソンて、誰?

拍手コメント返礼

やなぎ 様

この緊迫感から笑いを誘う話しにつなげるにはアニソンしかない!と思っていた私です。

おいおい、これがどうやって誘拐に結び付くと警視総監じゃないけど思いますよね。(笑)

アーティーチョーク 様

計画の甘いおたく誘拐犯の設定。

駿君の方が上手のような気がします。

司が助け出す前に駿君が自分で解決したらだめだからね。

大人しく犯人と遊んでもらいましょう。

ここはパパが格好良く助けだすまで待てるかな~?

あずきまめ様

ターゲットも間違えて誘拐。

その目的は!軽犯罪を犯したたいしたこともない小物の釈放♪

ガクッと来るのは司じゃなくてあきら君かも知れませんね。(笑)

ここから愉快なお話が続く予定です♪