我儘な僕に我儘な君 29

オリキャラの登場で佑君と舞ちゃんの恋はどうなるの~という方向がちらりとしてきてます。

『大内先輩、司似のキャラですか?』

そんな質問多いですね。

つくしに出会う前の司の冷たさといううか周りを冷めた表情で見てる孤独感を持つ設定で描いていきたいと思ってます。

佑君が類に見えてくるといった感想もいただいてます。

つくしちゃんだけじゃなく舞ちゃんにも永遠な王子様が存在するって親子で贅沢過ぎですよね。(^_^;)

そうならないように佑君には頑張ってもらわなきゃ~。

*

「おかえり」

30畳の広さはあるリビング。

そのリビングを通らないと自分たちの部屋には行けない間取り。

時間があればこのリビングで過ごすというのが、我が家の暗黙の了解になっている。

ソファーでくつろぎながら雑誌を読んでるママが視線を私に向けてにっこりほほ笑んだ。

「珍しく早いんだ?」

道明寺総裁夫人と弁護士の肩書を持つママもパパと同じく超多忙な日々を送っている。

パパばかり忙しすぎると身体を心配してるけど子供の目からすればママもパパに劣らず忙しいって思える。

「今日は病院で検診だったから」

ママの読んでる雑誌には赤ちゃんの写真とかひよこの絵とか載っていた。

「初めてじゃないのにこんな雑誌を読むんだ?」

「舞たちを生んでからずいぶん経っちゃってるしね。

赤ちゃんの世話のことなんてすっかり忘れちゃってるわよ」

3人も育ててるのにそんなに記憶って曖昧になるものなの?

ソファーの背もたれから身体を乗り出してママの見てる雑誌をめくる。

「10年以上経つと便利なものもいっぱい増えてるのよね」

カラー写真で紹介された赤ちゃんグッズの説明を懐かしそうに眺めてるママ。

「舞や翼が生れて時、駿のお下がりが仕えるのにパパったらまたいろいろ買ってきちゃって、

双子だからって特注で作らせたりしてたな」

「ママ、必要ないってパパを怒ったでしょう?」

パパが買ってきたものに喜んでるママより愚痴ってるママを目撃する方が多い。

それなのに懲りないパパはいつも何かプレゼントを買ってくる。

怒ってるママを嬉しそうに見つめてるパパを見るママの喜怒哀楽を、すべてパパは楽しんじゃってるんだと思う。

どんなママでもパパは結局愛しちゃってるわけで・・・

だから、今妊娠しちゃってもお兄ちゃんも私も翼も不思議だとは思わないんだよなぁ。

「今度もたくさん買ってくるんじゃない?」

パパのテンションは最高に舞い上がってしまってる。

ママがため息ついただけで飛んでくるパパ。

ママを毛布でぐるぐる巻きにそうな勢いでそこから動くなって甲斐甲斐しく世話をするパパ。

四六時中ママの様子を気にしてるパパが笑える。

会社で横柄に指示を出す威厳のある姿は我が家から全く姿を隠してしまってる。

「これなら、ずっと母さんに妊娠してほしい」

翼がつぶやく願望。

3人の中で一番パパに怒られてるの翼だからなぁ。

「そっ、3人で使ったものも大事にとってあるから、それを使いたいんだけどね」

「思い出の品物を兄弟で使うって大事なことだと思うんだけど、司の場合はね・・・」

「「俺の子供にお下がり何て使わせられるか!!」」

ママとぴったり声がハモって、二人で顔を見合わせてクスッと笑ってしまった。

「少しは私の気持ちに添ってくれるといいだけど、自分の思い通りにしたいタイプだから困るのよね」

「舞、その点、佑君なら推薦状を100枚はママは書けるわ」

急に佑の名前が出てきて、ドキッとなる。

大内先輩とのやり取りでちょっぴりと佑には怒ってる。

私より佑の言ってることが正しくて、私のやり方も悪かったって思う。

だけど!

相槌を打って、ただ聞いてほしかったって気持ちがあるんだから!

「もう、いい帰る」

佑を残して帰ったのは自分の取った行動が、結局・・・

プレゼントをあいつにゴミ箱に捨てさせたのは自分の浅はかさのせいで・・・。

自分が悪いって思えるから。

なんでここで私が悩まなきゃいけないのよ。

佑がひ拾った小さなプレゼントの箱は私のカバンの中にしまったままだ。

「何か悩んでる?」

「えっ?」

私を覗き込んだママの手が私の手のひらをそっと包み込む。

私の気持ちを見透かして温かく包み込む瞳。

これだから、ママにはなんでも話しちゃうんだよね。

的確に私の欲しい返事を返してくれるし。

「今日ね、すご~く嫌な奴に会ったの」

校内で邪魔だと言われたこと、代わりに渡したプレゼントをゴミ箱に捨てられたこと。

「それ、司より可愛いわよ」

懐かしさを思い出す様に目を細めるママ。

確かに横柄だし、横暴だけど私が頼めばなんでも目じりが下がっちゃうパパ。

私に甘々な顔は別物だって分ってはいる。

道明寺総帥のパパは別人格。

私に対する甘さのひとかけらもない尊大さと冷ややかさがパパの全身を包んでる。

「ママなんて、高校時代F4に関わらない様に息を殺して生活して様なものだったからね」

「教師どころか警察も手を出せなかったんだから」

そこはクスクスと上機嫌に笑うとこじゃないと思う。

「舞、その先輩が気にあるんだ」

「気になってない、ムカついてるだけ」

自分でも驚くくらいの声を張り上げてしまった。

「あんなやつ、大嫌いってパパの事、最初はママも思ってたな」

チラリと私に視線を向けるママの意味深な表情。

「なによ?」

言いたい言葉を飲み込んだママの表情が気になる。

「何でもないけど・・・」

パタリ雑誌を閉じたママは立ち上がって私に背中を向ける。

ママの背中・・・クスクスと笑ってるじゃないか!

本当に大内先輩が気になってるわけじゃないから!

怒ってるだけだからね!

拍手コメント返礼

トマト様

佑君今のところまだ気づいてないで~す。

告白して二人の時間も過ごして、有頂天の状況なはずで~。

私意地悪だなぁ~(^_^;)

はるとん 様

類みたいになっちゃうのか!

それはまだわかりませんが、想像するだけでお話が膨らむんですよね。

マロマロ様

強引になる佑君!

見たいかも~。

あずきまめ 様

舞ちゃんも父親似の人に惹かれる?

いやいや、反面教師でまったく正反対の人を選ぶかも~

そうなるとヤッパリ佑君ですよね。

りん様

恋バナにはライバル出現は必須ですからね♪

どう転ぶかは私にもまだわかりません。(^_^;)

アーティーチョーク様

佑君だけじゃなく舞にもいっぱい悩んでもらいましょうという感じかな?

どっちとくっ付くの~とドキドキしていただければこのお話は、成功かな。

大内君の設定はこれから徐々に~♪

tatami 様

ホントにみなさん気が早い。(笑)

少しずつお話は進めていくので恋のライバル出現となるのか!

どう発展するのか!

ドキドキを引っ張らせてくださいませ~。

まだ私の中では結末は未定です。

司の壁を突破できるのはF3を味方にした佑君だけかなぁ~。