呆れるほどの無駄なジェラシー(ホテル編)
ちびっこと西田さんのやり取りも判ったところで続きを一つ。
『司君が大喜びをする設定で~』
このリクエストが意外に多い(*^_^*)
最近みんな優しくないですかぁ~~~。
記念日ですもんね♪
*
ホテルの駐車場に軽自動車を止める。
運転席から降りてくる司を見ながら頬が緩む。
「なに笑ってんだよ」
「いや~、ヤッパリ似合わないって思って」
助手席まで来てドアを開けてくれた司。
サングラスの裏側でしぶめに眉を顰めてる気がする。
「いくぞ」
旅行鞄を肩に背負ってホテルの玄関に進む司を慌てて追った。
何時もなら玄関先から左右に並ぶ従業員のお出迎えが恒例。
私たちに気がついたベルボーイが荷物を受け取ってフロントまで案内する。
これが普通なんだよね。
「お名前を承ってよろしいでしょうか?」
フロントの女性がにっこりとほほ笑む。
目立つ華やかなオーラはどこでも女性の視線を釘つけにするんだからね。
道明寺を見てかたずをのむ。
今のところそんな様子は見られず、いたって平常心な態度。
私は必死で背伸びをして隠せるはずもない司を隠す。
私の苦労など分ってない司はサラリと私の腰に腕をまわしてきた。
、名前を言いかけた司を差し置いて「道明寺です」と私が呟いた。
サングラスくらいじゃ司のオーラは隠せない。
この雰囲気で「道明寺 司」と言ったら『バレル』可能性がある。
「一泊のご利用ですね」
部屋のキーをベルボーイに渡して「案内します」と告げられた。
「お前、なんだか緊張してないか?」
耳元でかすめる声。
ばれたらゆっくり休日を過ごすなんて、できなくなるってこと今まで何度あったと思ってるのよ。
ここぞとばかりに売り込んで近付いて来る人を制するSPも今日はいないんだからね。
折角子供達からのプレゼント、楽しかったって帰りたいに決まってる。
案内されたツインルームの一室。
「狭いな」
見渡すほどもない部屋を普段利用するスイートと比べるな。
このホテルの一般的な部屋でも子供達からしたら数年分のおこずかいだぞ。
パタリと閉まった部屋の中に司と私の2人っきり。
はしゃぐ子供達の声が聞こえないの物足りないなんて言ったら司はまたムッとするのだろうか。
「思い出さないか?」
「お袋に騙されて結婚前に行ったロス」
あの時は貧乏旅行に徹するということで金額の安いモーテルに泊まった。
盗まれたティアラを取り返さなきゃいけないのに司は浮かれていてケンカしたんだよね。
別々に離れて眠ったベット。
日本に帰ってきてすぐに結婚式を挙げた。
あれから10年目の結婚記念日。
また10年たったて20年目のその時は「思い出さないか?駿たちがプレゼントしてくれた10年目の結婚記念日」
そんな会話を一緒にかわしたいね。
「今日はケンカしないようにしなきゃ」
ベットに身体を投げ出す様に寝転んで司を見上げた。
「一緒にねるか」
気楽に言って10年前にベットに寝転んだのは司。
そんなことを思い出した。
「あ~疲れた」
「運転してたの俺だぞ」
「運転させてくれないのは誰よ」
「まだ、命は惜しい」
忌々しい表情は相変らずの尊大さ。
「そこまでいう必要ないでしょう。運転は上手いつもりなんだからね」
文句の一つも言いたい気分で司の腕を掴んで引き寄せる。
「珍しく積極的だな」
司の息が私の顔に触れる。
そのつもりがあったわけじゃないく、結果的に司が私の身体の上にのしかかる形を作っただけ。
それでも昔ほどそれが大胆とか、恥ずかしいとも思えなくなった。
今は司と2人っきりだしね。
「嫌いじゃないでしょ」
「ああ」
司の満面の微笑が私を見下ろす。
唇がゆっくりと額に触れて、瞼に、頬に優しいキスを降らせる。
司の背中に回した腕がもっと大胆に抱き寄せて、逞しい胸板に私の胸元を押し付けた。
拍手コメント返礼
やなぎ 様
久々~
本当に甘々になるのかなぁ~。
ココちゃん 様
こんな結婚祝いを子供達にしてもらえたら~
感激してしまいますよね。
しかし丸1日子供達と離れるのはそれなりに心配なわけで~
つくしちゃん耐えられるかしら?
来年の月9の話題見ましたよ。
原作まだ読んでないんですよね。
読もうと思いつつスル~してました。
この役のために髪を伸ばしてたんだとか話題になってますね。
楽しみだ~。
ツックー 様
10年たっても熱いのっていいですよね。
ヤッパリ子供3人は少ないなぁ(笑)
りん様
大人の雰囲気漂ってますが・・・
☆はどうなるかなぁ~。
アーティーチョーク 様
おこずかいのない司の認識は~
まあ貧乏なつくしちゃんの金銭感覚はなんとなくわかってるだろうし。
お金で買えないものの大切さも知ってますからね。
「せまっ」
と思いながらも喜んじゃってるでしょうね。
かよぴよ 様
もっと豪華な夜に♪
どこまで燃える司君!
10周年ですからね~。