呆れるほどの無駄なジェラシー(ホテル編)6

このお話も6話目となりました。

そろそろお邪魔虫は消滅と・・・

いや~我が家の司君はねェ~。

けりくらいですむかな?(^_^;)

*

「全然寂しくないよ」

携帯画面に映し出される3つの顔が頬を寄りそって映し出される。

無邪気な笑顔は意外と胸の奥をチクリと突き刺す。

泣かれては困るけど一人くらい「早く帰ってきて」と言って欲しい。

「そこ、俺達の部屋じゃないか?」

私の持つ携帯を覗き込むように司の頬が私の頬に触れた。

「ちょっと、くつかないでよ」

「近付かないと見えないだろう」

子供達の名前を一人一人呼びながら画面に向かって手を振る。

冷徹な世界有数の大会社の経営者もただの親ばかぶりを発揮中。

子煩悩ぶりの笑顔もさっきまで私を熱く見つめていた瞳とは違った魅力を秘める。

艶の渦巻く表情よりこっちの司が好きだなんて思ってしまう。

「今日は3人でパパ達の部屋で寝ることにしたの」

「このベットだとママとパパの匂いがするから一緒に寝てるって思えて寂しくないから」

舞が私の枕を抱きしめて呟く。

「かわいすぎだろ」

耳元でぼそっとつぶやく小さい声。

呟いたのは私じゃなく司の方だった。

蕩けそうな表情は今にも携帯の中に飛び込んで舞を抱きしめそうな勢い。

「お土産待ってるから」

翼が駿と舞の横ででんぐり返りで遊びながら叫ぶ。

「翼、ベッドの上で遊ぶなって言われてるだろ」

年長者の風格は小学生なのにばっちり。

強い口調は隣の誰かにそっくり

口調だけじゃなく、最近横顔が、ますます司に似てきた気がする。

「お土産、なにがいい?なんでもいいぞ」

はしゃいでるのは子供達だけじゃなかった。

司の機嫌が直ったのはそれでそれでちょっと肩の荷が下りた気になる。

「んと・・・僕は弟でいい」

お菓子をおねだりする様な気楽な翼の声。

「僕はお姉ちゃんが欲しい」

駿まで目を輝かせてる。

「私は妹!」

まだ弟妹の方が現実味があるけど、これからまた子育って、ねぇ・・・。

司?

私の頬にくっ付いたままの頬が柔らかく弛緩してる・・・。

横を向いた拍子に触れた唇を慌てて離した。

困惑の私の表情とは裏腹に嬉しそうな顔するなッ。

また妊娠、出産って覚悟しなきゃやってられないからねっ。

「パパ、約束したからね」

「おう!」

おうってなに!

思わず子供達から司に視線を移して頑観。

明日のお土産には間に合わない。

お土産にされてたまるか!

「そんなに、すぐは無理だから!」

携帯に食いついて声を張り上げる。

「え~、パパいつも、パパに出来ない事はないって言ってるもん」

「赤ちゃんとかはそう簡単にはいかないのよ」

「どうして~」

不満そうな声に疑問符を貼り付けた声。

ここでなんの説明が出来るのッ!

「いいか、ならすぐにベッドに入って寝ろ」

「お前らが早く寝た分だけお土産が出来る」

出来るってッ!

お土産は買う!でしょうッ!買うッ!

「は~い」

「おやすみなさい」

そんなすぐにベットにもぐりこむなッ。

こんな時だなんでこう素直なのッ!

パチッと暗くなった携帯の画面を無言で眺めた。

「子供達にも頼まれたことだし・・・」

司の動きに合わせるように後ろに足を引く。

ひざ裏がベッドの端にぶつかって自然と折れた。

ベットの上に座り込む恰好の私。

この部屋狭すぎ。

何時もは無駄に広い部屋を愚痴ることが多いけど、今回は部屋の狭さに愚痴る。

司と一緒に居て狭いと愚痴ったのは初めてな気がした。

ベッドに座り込む恰好の私。

そして、私を身体を挟むように司が両腕をベッドの上に付く。

逃げ場を失って逃れるようにベッドの上にずり上がしかない。

ギシッと司の重みに軋むベッド。

「これで、邪魔される心配ないよな?」

覆いかぶさってきた司の熱がすぐに私の身体を抱きしめる。

緩やかな愛情を直ぐに大人の激情に変えるには性急過ぎる。

子供から司に切り替えるの大変なんだけど・・・。

伸ばした指の先が司の前髪を梳かす。

艶やかな造形の曲線をそのままになぞる指先を司の唇が捉えて咥えた。

脚の間に身を落ちつかせた司から感じる男性の高まり。

すぐに欲望のままに身を任せてしまいたくなるのは何時ものことで・・・

抗う必要もない事も知ってる。

「お土産は、別なものにしてよね」

司の耳元に唇を近付けて呟きながら逞しい背中に両腕をまわした。

これでこの短編は終わりかな(^_^;)

後程このお話の続きはPWつきとなると思います。

何時UPできるかはお楽しみに♪

拍手コメント返礼

Gods & Death 様

穏やかな司に激しい司♪

私もどっちも捨てがたいです。

nanako 様

一日経ちましたがUPしましたよ~

長らく待たせちゃいました♪☆マーク。

今日で解放されたと願ってます。(笑)

トマト 様

教習所に普通に通ったらそれはそれでまた楽しいお話ができそうですよね。

類は自分の庭に教習所を作ったって話がなかったかなぁ? ← うろ覚えです。

アーティーチョーク様

子供達へのお土産は無理ですよね。

他の人にお土産かぁ~

ひと波乱ありそうですけどね。

お土産編♪

そろそろ連載に戻らなくっちゃ!